Alien
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期末テスト、筆記も実技も終了!
なので今日からの座学の時間は、テスト返し!こんなにワクワクしたテスト返しの日は今までにない。
「…随分自信あんだな」
爆豪くんに頭を鷲掴みされ後ろに視線を持っていかれる。
声かけたら普通に振り返るのに。
「うん!いっぱい教えてもらったからね!あんなにたくさんありがとうね、あと爆豪くんママのご飯美味しかった」
生き写し?と思うくらい似てて親子というより、姉と弟みたいな口喧嘩をしながら出されたご飯が絶品だった。
爆豪くんも爆豪くんママも辛いもの好きみたいでしびしびしたけど、どの中華料理も美味しかったな〜。
「ババァも喜んどったわ、また来いだとよ。でも来んな」
それどっち?と笑う。
「は〜い、お喋りはそこまで。テスト返しますよ」
セメントス先生に手を振る。
「今回A組もB組もよく頑張ったね、平均点高めの68。担当の私も鼻が高いです。
…じゃあ青山くんから取りに来てください」
阿鼻叫喚の声が主に右から聞こえる。
本来こういうクラスの席って名前順だと思うけど、初日の席順シートが最新版じゃなくて適当に組み込まれたせいで葉隠さんと爆豪くんの間にいるから、
答案用紙貰いそびれないように気をつけないと。
「はい、じゃあ次…神代くん。1人目の100点!」
おお!!!と声が上がる。
「やった!」
「相澤先生から聞いたよ、全科目100点目指して猛勉強してたんだって?」
まずは第一個おめでとう、とセメントス先生に褒められる。
「ありが…!!!セメントス先生、他の科目の結果知ってるんじゃ…?」
「さあ?どうでしょうね…貰ってから知る方が嬉しさもひとしおでしょう?私は言わないですよ」
ダメか…教えてもらおうと思ったのに…。
座学続いて次の教科で、テスト科目返却最後…。
次は英語、つまりゼンマイ。
「Hey!暴れ馬ども、テスト返却の時間だ!これまでの筆記ではいくつか赤点だったそうだなァ?」
赤点取ってしまった上鳴くんたちが一瞬で固まってる。
ヤバ、緊張して手汗掻いてきた。英語100点だったら目標達成…でもちょっと自信ないかも。
「誇れ、俺の授業では赤点ナシ!平均点は低めの65だ!じゃあ青山から列になれ!!」
「…くましろくん、今から出家でもすんの…?」
お茶子ちゃんにすごいこと言われる。
「?なんで??」
「テストもらうだけなのにすごい顔してたから…」
すごい顔してたのか…これ100点だったら目標クリアなの!と伝えると遠い目をされた。
「赤点取らないようにってギリギリ狙ってる私らとは大違いだね…流石や…」
「ほんとはオール5が良かったんだけどね…」
二学期に回すよ、と続ける。
「ヘイ、……お〜噂の道場破り」
「道場破り…?」
オレの番になってゼンマイがニヤニヤしながら声をかけてくる。早く返して欲しいのに…ダサすぎるし覚えのない異名を尋ねる。
「数々の科目100点通過してんだろ?職員室で道場破りって言われてんぜ、お前!さて、今回のテストどうだったよ?」
「…素直に言っていいなら言うけど…」
言え!と言われる。
「文章問題の話題がつまんなかった」
アメリカが生産1位を誇るとうもろこしや小麦の割合、出荷量と国内での消費量の話だよ?読んでて絶望的につまらなかったの覚えてる。どこの情報誌のコラム??って。
「…ブッ、アッハッハ!そりゃ悪ィな!参考までにどんな話がいーのよ?」
「仮にもヒーロー科なんだし、先生たちのインタビューとかがいい…かも。特に担当被ってない先生気になる…オレはね!
でも、アメリカの生産した小麦ととうもろこしの国外への出荷量とか誰も興味ないって…」
「ちゃんと読んでんのな…仕方ねえだろ、教科書の文法使ってる文章問題っつったら中々ねえから、出版社の作成した文章問題使うしかねぇワケよ」
ほらよ、と渡されるテスト。
「はなまる!100点!やった!!!!」
オレの個人的チャレンジ結果を見守っていたA組全体でおお!!!と感嘆の声があがる。
「すご…ほんとにそれで全部100点とっちゃったワケ…?」
耳郎さん、なんでちょっと引いてるのさ。やめてよ。まじかよコイツ、みたいな顔で見ないでよ。
「そして特別サービスだ神代、お前入試のときから成績いいからな…各教師がお前の愛してやまない相澤に言い寄ってたんだよ」
「言い寄る…?」
「たまに口開けて寝てる時もあっけど、基本成績優秀ですね〜ってな。今回お前色んな先生に全部100点取るって言いまわってたんだろ?」
「言い回るって…分かんないとこ聞いたときに聞かれたから答えただけだよ」
「んで、今回全部ほんとに満点オールクリアしたから、相澤ンとこに偉いですねえ〜!とか流石ですね!とかご指導の賜物ですねえって言い寄られててな、相澤……超嬉しそうに笑ってたぞ」
「……」
「くましろくん!?生きてる?!?」
「あ、やべ。フリーズしちまったか?」
「スゲェ静かに泣いてる!!!見たことねえ!!」
上鳴くんに肩をゆさゆさされて意識が戻る。想像したらあまりにも大きな感情に包まれて意識飛んでた…。
「……召せる、今」
召すなよと言われるけどだってこんな嬉しいことないじゃん!!!オレが褒められて、嬉しそうに笑う相澤さん…
「うっ、ゔれじい゛…頑張ってよがっだ…」
「まだ相澤先生に褒められてもないのに…!!!」
大笑いしてるゼンマイのグラサンを上下逆にかけ直して席に戻る。いやあ、今回はよく頑張った。
もともとちゃんと聞いとけばよかったって思う程度のつまずきだったから楽だったけど、数学とかの理屈理解できなくて大変だったな…。
「なんで?」って考えるのをやめろ!!!って爆豪くんに怒られまくって
これはそういうものなんだ。って受け入れて生きていくことにした。
「ハッ、ほんとに取ったんだな」
「爆豪くんのおかげだよ、ありがと!」
「もっと感謝しろ」
してるしてる、心からしてるから。ほっぺつねらないで。
帰りのHR、飯田くんの許可を経てドアの前で相澤さんを待つ。正座で。
「正座である必要どこにあるの?」
尾白くんにツッコまれるが気にしない。こういうのは気持ち!
「チャイム「先生見て!全部100「分かった、職員室で聞いてやるからはしゃ「違う見て!見るだけでいいんです!」」
遮り合いながらも食い下がる。
全部100点なんて見たことないんじゃない??!?
「……ふっ。はい、よく頑張りました。いい子だね。…じゃあ林間合宿についてだが…」
見てくれるだけで後にしろバカとか言われるかと思ってたから、いきなり少ししゃがんできて頭を撫でられて目を見開く。しかも、笑顔で。あの相澤さんが、笑顔で頭撫でてきた、「いい子だね」って言いながら…!!!!
(せ、先生!くましろくんが出血しています!!)
(どうせ鼻血だ、ほっとけ)
(先生も意地悪だね〜わざと鼻血出させるようなことして…)
(耳郎、人聞きが悪いぞ。俺に褒められたいから全部100点取る!って、大声で宣言してきた健気な生徒を素直に褒めただけだろうが)
(ほんとに召したんじゃないかしら…)
(おらそろそろ起きろ、大事な話だ)
(……はい…)
(しっかりしろお前、大丈夫か?)
(たぶん…)