Alien
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時は流れ六月最終週ーーー…
期末テストまで残すところ1週間を切っていた。
「全く勉強してねー!!!!」
ちょっと前、林間学校と期末テスト赤点で補修地獄のお知らせを相澤さんから聞いてた筈の上鳴くんが叫ぶ。してないんだ…。
職員室に呼びつけに行ってから、2、3日おきくらいのペースで相澤さんも帰ってくるようになった。相澤さんがいる日は相澤さんに、帰らない日は事前に連絡をもらえるので爆豪くんにみっちり教えてもらってる。
理屈が理解できなくて苦手な理数系も分かりやすく教えてくれるので凄い、意外と言語化得意なタイプなんだ…とめちゃくちゃ感心した。
「体育祭やら職場体験やらで全く勉強してねーー!!!」
聞けばなんと上鳴くんこのクラス最下位らしい。21位。
「確かに」
ものすごくかっこいい姿勢で同意してるけど、常闇くんも勉強してないのか…ちょっと意外。
「中間はまー…、入学したてで範囲狭いし特に苦労なかったんだけどなー…」
うんうん、と口田くんが頷く。
「行事が重なったのもあるけどやっぱ、期末は中間と違って…」
「演習試験もあるのが辛えとこだよな」
峰田くんがドヤりながら言ってる。あ、上鳴くんと芦戸ちゃんの考えてること今すごくよく分かる。
『なんで峰田のくせに成績上位の方なんだよ…!!!』って感じかな。
「あんたは同族かと思ってた!」
「おまえみたいな奴はバカではじめて愛嬌出るんだろが…!どこに需要あんだよ…!!」
なかなかに辛辣な2人を見やる。しかも峰田くんサラッと「世界かな」とか言ってるし。
「アシドさん、上鳴くん!が…頑張ろうよ!やっぱ全員で林間合宿行きたいもん!ね!」
出久くん、あまりにも優しい。
「うむ!分からないなら爆豪くん優しく教えてくれるよ」
誰が優しく教えるかボケ、と言われる。
「え?いつも優しいじゃん…無理わかんないって放り出しても教えてくれるし…」
「優しくねえよ、アレが俺の普通だ」
じゃあやっぱ優しいんじゃん。
「普通に授業受けてりゃ赤点は出ねえだろ」
「言葉には気をつけろ!!!」
胸元を抑えながら上鳴くんが叫ぶ。吐血してない???
「轟くん、あとで暗記のコツおしえてよ」
「覚えられないのか…つーかお前今更勉強も暗記もいらねえだろ、成績いいのに」
轟くんに遠回しに褒められてる…!
「ほんとはオール5が良かったんだけど、怪我とかなんやかんやで欠席日数多いからそれは諦めて…今回は全科目!100点目指してるから!!」
ピース作って轟くんに向ける。立ててる人差し指と中指を何故かくっつけられた。
「…一応聞くが、なんでだ?」
「頑張ったな、って褒めてもらいたいから!!!」
「「動機めっちゃバカ…」」
上鳴くんと芦戸さんに冷たい目で見られる。誰がバカだ!モチベーション保てるしいいだろうが!!
「お二人とも、座学なら私お力添え出来るかもしれません」
いや1位だもの、絶対できるよヤオモモ。
「演習のほうはからっきしでしょうけど…」
じ、自暴自棄だ、、上を見ているからこそみんなの実力と自分の実力の差異を見て凹んでるんだろうな。
「お二人じゃないけど…ウチもいいかな? 2次関数ちょっと応用つまずいちゃってて……」
分かる、相澤さんにつきっきりで教えてもらって理解できたもん。やっぱ授業聞き流しはよくないね、ちゃんと受けますって言ったら最初からそうしろってため息つかれた。
「わりィ俺も!八百万、古文わかる?」
耳郎ちゃんに続いて瀬呂くん、尾白くんが続く。
「良いデストモ!!」
「この人徳の差よ」
切島くんが爆豪くんに向かってそう言う。勉強できるの、絶対皆意外って思ってるだろうからね…。
「俺もあるわ、てめェコイツと一緒に教え殺したろか」
ぐい、と襟を引っ張られる。
「おお!頼む!」
古文だけはやめといたほうが良いよ…。と心の中で念を送っといた。オリジナル翻訳出されたらもう手のつけようがないからね。
相澤さんの包帯も取れたことだし、テスト期間ってこともあってひな鳥相澤消太はしばらく封印。なんやかんや、出久くんたちとご飯食べるの久々かも!るんるん。
「普通科目は授業範囲内からでまだなんとかなるけど…。演習試験が内容不透明で怖いね…」
「突飛なことはしないと思うがなぁ」
うーん…してきそうではあるけど…。入試にどんだけお金かけてるの?ってくらいのロボットガンガン使ってくるからね…。
「普通科目はまだなんとかなるんやな……」
お茶子ちゃんの顔がまたなんとも言えない顔だった。
「いただきまーす!」
今日のご飯はシチューとパン。梅雨ちゃんと被った。ひたパン派かつけパン派どっちだろ。オレはつけパン!水分吸って少なくなっちゃうの嫌だもん。
あ、轟くんまたそば食べてる。
「ねえ、そばおいし?」
「そこそこな」
そこそこなんだ。
「じゃあ3口ちょうだい」
「そこはひと口だろ」
あーん、とわざわざ席を立って轟くんの席の近くでしゃがみこんで待ってると間をとったのかふた口くれた。優しい。そしてうまい。
「おいひい…!!!」
和洋中なんでもできちゃうの凄い。オレも今度そば手打ちからやってみようかな…怒られるかな…。
「一学期でやったことの総合的内容」
葉隠さんはラーメンかあ。ラーメンも良いなあ。
「とだけしか教えてくれないんだもの、相澤先生」
「戦闘訓練と救助訓練、あとはほぼ基礎トレだよね」
「体育祭とは違うけど、クラスで何組か作って総当たりとか?」
あー!あり得そう!と葉隠さんが言う。
「試験勉強に加えて体力面でも万全に…あイタ!!!」
びっくりして隣を見る。パンが詰まるかと思った。
「あぁ、ごめん。頭大きいから当たってしまった」
「B組の!えっと…物間くん!よくも!」
ああ、体育祭のとき散々煽ってきたやつか…。
「ちょっと、オレのクラスの大事な記念物傷つけないでくれる?慰謝料請求すんぞ」
「くましろくん待って、嬉しいけど記念物って何!?」
「天然記念物」
「ええっ…」
「ほら、出久くんは癒しキャラだからさ。」
自覚ないだろうけどマイナスイオン出まくりだからね。
「そうかなぁ…?」
そうだよ、と頭を撫でてると物間くんが話しかけてくる。
「ちょっと、僕と話するのか2人でするのかハッキリしてよ」
「別にお前と話したいなんて一言も言ってないし、絡んできたのそっちでしょ。ウチの天然記念物に謝ったならさっさとどっか行けば?」
「「「「(こんなに冷たいくましろくん/ちゃん 初めて見た…)」」」」
「君ら、ヒーロー殺しに遭遇したんだってね」
オレを無視して、飯田くん、轟くん、出久くん、オレを見て言う物間くん。ワザと煽ってるんだろうけど…。
「体育祭に続いて、注目を浴びる要素ばかり増えてくよね、A組って。ただその注目って決して期待値とかじゃなくてトラブルを引きつける的なものだよね」
(ご飯美味しくなくなる…何が言いたいの?今煽ったってどうにもならないけど?)
(くましろくん、お、落ち着いて!)
(あ〜君…もしかして死神の息子?ハハ、母親に似てよくキレるねぇ!)
(………なに?よく聞こえなかったんだけど、もう一回言えるもんなら言ってくれる??)
(おい、くましろ。挑発にのんな、先生吹っ飛んでくんぞ)
(僕も敵認定されたら容赦なく殺されたりして!怖〜!)
(…んだとこの野郎、もっぺん言ってみろ)
(やめるんだ、くましろくん!)