Alien
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…おかしい。最近相澤さんがおかしい。まず、なんやかんや理由つけて帰ってこない。受験の時みたいに。
「えー…そろそろ夏休みも近いが、もちろん君らが30日間1ヶ月休める道理はない。」
「まさか…!」
教室がざわつく。
「夏休み林間合宿やるぞ」
「「「知ってたよ~~やったー!!!!」」」
「肝試そー!!!」
「風呂!!!」
「花火」
「風呂!!!」
「カレーだな…!」
「行水!!!」
1人よからぬ欲望の人の叫びが聞こえたけど…花火いいなあ。肝試しはパス。
こっそり抜け出して部屋帰って寝よう、、だって怖い。
「自然環境ですと、また活動条件が変わってきますわね」
「いかなる環境でも正しい選択を…か、面白い」
「湯浴み!!!」
峰田くん、笑っちゃうくらい1人で叫んでる。
「寝食皆と!!!ワクワクしてきたぁあ!!」
「ただし、
その前の期末テストで合格点に満たなかった奴は…学校で補習地獄だ」
相澤さんのあの顔、マジだな…。予習復習に加えて人体についての勉強もしてるから、赤点はないと思う。
けど、一学期が終わって区切りつくなら…なんか目標掲げたいな。何がいいだろ…あ!オール5とか!?
いやでも、相澤さんは話してるって言ってたけどUSJとか体育祭とか、敵との遭遇後の怪我の治療や痛みのせいで何日か休んでるし…欠席がある分、オール5は今からじゃどうしても難しい…。
全科目、100点目指してみよっかな…!
「みんな頑張ろーぜ!!」
冷や汗ダラダラの上鳴くんと切島くん。2人ともやばいんだな、きっと。
「クソ下らねー」
爆豪くんの声が聞こえたから振り返る。彼、とっても頭脳明晰。
「ねえねえ、古典教えてよ」
「あ?いつも赤ん坊みてえに寝てるから分かんねーんだろ」
「だって眠くなるんだもん、抗ってはいるよ」
「だってじゃねえよバカ」
そんな期末試験と林間合宿のお知らせのあと、たびたび帰ってこない日が続いた。
試験に何かあるんだろうな…逆にそれしかないよね。
ピシャン!とドアを開ける。期末テスト2週間前からは職員室に入っちゃいけない、って思いきしドアに書いてあったけど知るか。
読めませんでしたで通そう。この期間中は先生に用があるとき、ドアだけ開けて近くの先生が出て、他の先生呼ぶ…みたいなやりとりの仕方するらしい。まどろっこしいよね。
「おい、生徒は立ち入りき「相澤さん」…なんだよ」
「ちょっと面貸してください」
「「「「(いつの時代のヤンキーだよ!!!??!?)」」」」
その一言だけいってさっさと職員室から出る。仮眠室でいいかな。あそこほぼ相澤さんしか使ってないしね。
1人しか使わなすぎて埃っぽいから定期的に掃除したりしてる。
「…ハァ、何怒ってんだよ」
「心外です。ヒゲ太のバカ」
「ヒゲ太呼びやめろ。…なんのことだ」
「……下手くそです、やり方が」
「…お前のためでもあンだよ、あらぬ濡れ衣着せられたくないだろ」
「…じゃあ言いますけど、相澤さんの真摯にオレたちを想う心と、オレがどれだけ相澤さんのこと好きでいろいろ考えてるか、だいぶいろんな人が分かってる中で、誰がどう疑うんですか?」
「…随分言ったな…」
ええ、自負してます。ちょっと傲慢な気持ち入れました。でも、事実で本音だ。
一緒に住んでるし、あらぬ疑いはかけられる。USJのときだって、弔とオレが知り合いである事が広まれば相澤さんがそそのかしたとか謂れもないことで職を追われるかもしれない、と根津さんと塚内さんの前で大泣きしたこともある。
相澤さんはたくさん考えてくれてる、オレ以上に。その分、たくさん言われて、たくさんいろんな目で見られてる。
守ってくれる人もきっといるだろうから、信じてほしかった。周りの人のことも、オレのことも。
「…おい、何考えてるネガティブ野郎」
「ひっどい悪口…」
事実だろ、と言われる。確かにポジティブではないけども。
「そんなに信用ないですか?…何かと敵に遭ってるから?」
「違う。断じてな…座れ、こっち来い」
隣に座ると、ティッシュで雑に顔中を拭かれる。
「ヒーロー科はともかく、普通科、サポート科、経営科の全教師が俺のこともくましろのことも熟知してるわけ無いだろう。
…俺だって他の科の生徒は詳しく知らん。だからだ。
正直、毎度敵の名前が挙がるとA組も挙がる。そもそも推薦入試の八百万、プロヒーローの息子の轟とくましろがいるって時点で注目の的だったんだよ。
お前を信用してないわけでも、俺が誰も信用してないわけでもない。ヒーロー科において、俺らが信用されてないわけでもない。」
いちいち泣くな、と言われるので頷く。
「……一緒にご飯食べたいです」
「…分かった、帰るよ。」
勉強は大丈夫なのか、と聞かれる。
「全部100点とろうとおもって…爆豪くんと勉強してます」
「…全教科100点とってどうすんだ?」
「相澤さんに褒めてもらおうと」
「…お前ほんと凄ぇな…」
まあ頑張れ、と頭を撫でられる。
「そういうわけだ、毎日は帰れない。行き先のこともあるし、そもそも試験内容もあるしな…分かってくれたか?」
頷くと、次の瞬間頭を撫でていた相澤さんの手に力が入り始める。
「いっ!!??だだだ、いだいいだい!!!!」
「何がテメェ『ちょっと面貸してください』だ、あ??」
コワ!!!!眼光で殺されそうなほど怒ってる顔してる!!!
「すみ、すみませんでした許して…!」
「職員室前の張り紙読まなかったのか?」
「読めないフリしましたごめんなさい」
上等だこの野郎、と言われさらに力が強まる。このままじゃ頭が破裂しちゃう、、
「痛めつけないでえぇごめんなさいぃいい!!!」
(孫悟空みたいなお仕置きしないでくださいよぉ…)
(お前専用で貼り付けといたのに読めないフリした挙げ句、面貸せって言われたらムカつくだろ)
(え!?オレ専用の貼り紙なんですか??)
(ああ。明日からひらがなで書いといてやる、二度と無断で入ってくるなよ。会議中だったら庇えねえからな)
(わかりまひた、ひっぱらないで)
(もっと反省しろ)
(してます、ほっぺとれちゃうから、、)
(むしろ取れろ大馬鹿野郎が、俺の努力が水の泡になるとこだったんだぞ)
(ごめんなさい許して、、)