Alien
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「そういや、今日のオールマイトさん担当のヒーロー基礎学、ちゃんとやったのか」
ギク。あんまり触れないでほしかった。
「…やりました、けど…」
「…何かあったか?」
「……あるかないかで言えば…。でもオレが下手くそなだけなんで、」
言うべきか迷う、なんかチクるみたいでちょっと嫌だ。
「……今すぐに言え」
相澤さんが前の席座って凄んでくる。オレの隣にはゼンマイ。これはもう、逃げられない空気だ。
救助訓練レースの授業後、ロッカーで着替えてた時だ。
よし、ゴーグルは壊れてない。丁重に扱いすぎて毎回ケースから出すの怖いけど、つけておくとお守りみたいな強い安心感がある。まあ相澤さんのお古だからね!無敵な気分だよね!なっても仕方ないよね!
「…前のゴーグルとはデザインが違うな」
障子くん、というより障子くんの腕?口?がニュッとこちらに伸びてきていた。ちょっとしたホラー。ていうか、よく見てるんだな…
「へへん、何を隠そうこれは…相澤先生のお古なんでね!!!」
「せがんだのか」
なんちゅう言い草だよ。まあそう捉えられてもおかしくないよね、でも違う相澤さんからくれたんだよねえ。
土下座しながらくださいって言うオレを頭の中で思い描いているであろう障子くんに適当に相槌する。
「そんなにしつこくはせがんでないけど…お守りにするからくださいって言ったらくれた。
壊さない。壊しても糊でくっつける。」
「そのゴーグルでさらに相澤先生感増すよね。」
尾白くんもやってきた。スチャ、とつけて捕縛武器を止めて浮かせる。
「どう?イけてる?」
写真パシャパシャ撮られた。
「はは、似てる似てる!」
「服装も似ているな」
「最初はガッチガチの飯田くんみたいなコスチュームにしようって考えてたんだけど、飯田くんは個性で早く走れたりするじゃん?
でもオレは素の力で走らないといけないから、重いの無理だな~ってなって…なるべく軽い素材でなおかつダメージ吸収抜群なのお願いします!って書いたら、見た感じはただの普通の洋服になった」
適当に脇に書いてた相澤さんのコーディネートを描いたラクガキがいけなかったのかもしれない。
「おい緑谷!!やべェ事が発覚した!!こっちゃ来い!!」
峰田くんが出久くんを呼びつけていたから気になったのもあったので、出久くんの後ろから抱きつくようにして覗く。
「なになに〜?」
「見ろよこの穴ショーシャンク!!恐らく諸先輩方が頑張ったんだろう!!」
峰田くんが指差す方には張り紙の下に小さな穴が空いていた。…え!?覗き!?!?ていうかショーシャンクをこの次元に並べないであげてほしい。
だいたい、出久くんが覗くわけないだろう。もしも出久くんが覗いた日には鼻血出してぶっ倒れた後、
起きたら「あぁ僕はなんて最低なんだ」って一生引きづって思い詰めそうだもん。かくなる上は、出久くんを犯罪者にさせないために両手で出久くんの目を隠す。
「もうくましろくん、覗かないってば〜」
「出久くんを間違えても犯罪者にさせないためだよ」
「じゃあ僕もくましろくんを犯罪者にさせないために…」
振り返ってきた出久くんに目を隠された。お互い目を隠し合ってる不思議な光景が生まれる。
「自分で瞑ればいいだろう…」
常闇くんの呆れたような声が聞こえた。黒影ちゃんも「ナニヤッテルンダ?」と不思議そうにしてる様子が聞こえた。
「隣はそうさ!分かるだろう!?女子更衣室!!」
「峰田くんやめたまえ!!ノゾキは立派なハンザイ行為だ!」
ビリっと音がしたのでマジかよ、と手を離すと同じタイミングで出久くんも手を離してた。
「オイラのリトルミネタはもう立派なバンザイ行為なんだよォォ!!」
雄叫びをあげる峰田くん。覗きする前に飯田くんの「覗きは立派な…」の静止あたりから向こうに聞こえてると思うけど…だって穴の目の前だし…
「……出久くん、リトルミネタって何か分かる?」
「へァ!??あ、いやえーっと…なんていうかな…!僕も分からない!!!」
顔を真っ赤にさせた出久くんが飯田くんみたいな動きでしどろもどろしてる。
「オイテメーマジか」
爆豪くんが信じられない…て顔でこっち見てた。
「…え?何、皆知ってて当然レベルの感じ!?常闇くん分かる??」
「知らん、俺に聞くな」
常闇くんが割と食い気味に答えてきた瞬間に瀬呂くん、上鳴くん、切島くんが大爆笑し始める。
え…なに??
障子くんがコソッと「下世話な類の話だ、気にするな」と教えてくれた。あ〜そういう…。
「緑谷もだけどくましろはもっと苦手そうだもんな〜、当たりか!」
切島くんにお前はそのまま育てよ!と肩を叩かれる。
「八百万のヤオヨロッパイ!!芦戸の腰つき!!葉隠の浮かぶ下着!!麗日のうららかボディに蛙吹の意外おっぱァアアア」
ブス、と峰田くんの目に見覚えのあるイヤホンジャックが刺さった。この時点ですでに俺は痛みでまず死んでると思う。
「あれ?耳郎さんは?腹筋割れててすごいのに」
ドックン
「あああ!!!!!」
峰田くんの悲鳴が響く。
「耳郎さんのイヤホンジャック…正確さと不意打ちの凶悪コンボが強み!!」
出久くんが震えながら解説してた。
オレはめちゃくちゃ筋肉マンにはなりたくないから耳郎ちゃんみたいな体つきとっても羨ましいんだよね、と言ったら十分引き締まってると思うよ、と出久くんに褒められた。
「目から爆音があああああ」
「自業自得だ言わんこっちゃない!」
飯田くんにそう言われる峰田くんをよそに耳郎さんに声をかける。
「ね〜なんかそっちテーピングの余りとかない〜?塞いじゃおうよ、…あ!着替えてからね!」
「おー、助かる。ヤオモモに聞いてみる〜」
「バカ神代テメェ歴代の努力を無駄にする気かぁ!?」
足を軽く蹴られる。
「…いや努力も何も…ただの覗きじゃん。」
「あ!?男のロマンだろーがよ頭固えなぁぁオイ!!!
お前も男なら少しはこういうの興味持てや!!!」
「……持たないから、何?」
ヒィィ!!と峰田君が怯えてる。
「おいくましろ凄むな!!お前意外と怖ェんだからよ!」
上鳴くんに止められる。止めるのオレじゃなくて、峰田くんじゃない?
「くましろくん、壁…八百万さんが塞いでくれたから!着替えて戻ろ!!」
あ、ホントだ。いつの間に…出久くんに上からシャツ被せられて右手を引かれる。
待って待って早い、まだボタンとか止めてないから!!
「ケッ、減るもんじゃねぇしいいじゃねえかよ〜」
勝手に見られる、勝手に消費物のように扱われることが間近にあったことと、すごく嫌悪感を抱いていたからついきつい態度を取ってしまった、反省しなきゃな…と思ってた矢先に減るもんじゃないし、と言われてカチンときた。
「…そういうことしたいならそういうお店行きなよ、キモいんだけど」
「あぁ!??!言葉選べよ神代テメェ!!!表出ろバカイケメンがよぉ!!!!」
バカイケメンってなんだよ…。
(こんな…感じで…ぎくしゃくしてしまって、)
(いや、お前悪かねーだろ。…な、相澤)
(峰田…問題児だな…)
(皆に気遣わせて午後居づらかったです…)
(気にすんな!峰田の欲求は仕方ねえけど覗きはそりゃ犯罪だからな、欲求片手に犯罪犯しちゃなんのために頭があるんだって話だぜ)
(峰田の性格上、気にしてないだろうからお前も気にしすぎるなよ。…返事は)
(はい…)
(全ッ然納得できてねー顔だ!大変だなぁ相澤?)
(からかうなマイク)