Alien
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今朝は昨日より遅く8時起床だったので余裕。
昨日は情緒が大爆発してわんわん大泣きしてから寝たから、ぐっすりだった。
今朝ごはんを食べてるんだけど、目の前に座ってるのに一切こちらを見向きもしない轟くんには理由がある。
『ん…』
背中がぬくい。懐かしのぬくさだった。
『…温い??』
バッと後ろを振り向くと、轟くんにがっしりホールドされていた。今日は俺が抱き枕になってる…
いつも相澤さんにやられてる感じだったんだけど、身長がなんか違うって思って違和感で起きた。
『え、なに、』
『…起きたのか、』
寝起きだからだろうハスキーな轟くん。ごめんね2時間前に起こしちゃって!!でもちょっとくらい動揺していいよね!??
『…まだ6時じゃねえか、寝るぞ』
『あ、う、ん、はい、』
上半身だけ起こして見下ろしてた形だったけど引っ張られて元に戻ったよね。
でもまあ別に轟くんはクラス123を争うトップオブ仲良しメンツの1人だからまあいいやってことですぐにオレも寝た。
7時半頃になって、冷静になって起きた轟くんの方がびっくりしてたから笑ってやったら口をきいてもらえなくなった。
「ごめんね轟くん、仲直りしよう!??ていうかして?!」
「(何をされたんだ焦凍…、そして何をしでかしたんだ神代…)」
「……もう笑うなよ、そもそも昨日は俺が抱き枕側だったんだ」
礼くらい言え、と言われたので深々とお辞儀する。
「二度と笑いません。そして轟くんあったかくてすぐ寝れました。」
ようやく仲直りできたからウインナー捧げたらお、って顔で食べてた。味覚が子供で可愛いと思いました まる
まあ午前中はこんな感じで楽しかったんだよ。轟くん、オレみたいなタイプと比べたら感情表現が控えめだから拗るんだ…て新たな発見があったりして。
問題は午後。嫌な予感が昨日にも増してすごい。なんかもう動悸すら起きそうな感じで何ともないで~すって顔するの本当に大変。
ざわざわしてどうしようもなく不安な感じ、、でも何がって詳しいことはわからない感じ。でも今回は分かってるから、まだ楽だったのかもしれない。
奴は絶対今日現れる。
だから嫌な予感が強くなった瞬間から耳を保須市全体に傾けてる。
たまに天哉くんって聞こえるから飯田くんもパトロールしてるんだろう。
夕方5時ごろ、出久くんからLINEが届く。
『急遽渋谷に行くことになった!保須横切るよ!』
『随分都会に行くんだね〜!Shibuya…』
フー、と息を吐く。これからな気がする。
気ィ引き締めないと!
出久くんのLINEが届いてからほんの1時間ちょい。
ブワアァアッて鳥肌がたった。毛も逆立った気がする。
「くましろ…?」
「…来た。」
『いちいち角……なぁ……』
弔の声が聞こえた。
「「は??」」
エンデヴァーさんと轟くんの声が被る。
「ヒーロー殺しが保須に来た…」
弔の声がかすかに聞こえる。
耳をすませても聞こえてくるのは瓦礫が崩れる音とかヒーローじゃない人たちの悲鳴ばっかり、
飯田くんの足音を辿るか、弔の元へ行くか。
また脳無を増援されても困る、少しだけ覗きに行く程度にしよう。作り方がわかってて、オールマイトにも対抗できると知れば何人分でも作るだろう。
『な…だこいつら!!』
『化け物…ね…か!!!』
脳無のことか?しかも「こいつら」…。またあんなのがポンポン出されたら堪ったものじゃない、急がないと。
後ろから聞こえた静止の声で我に帰る。
「エンデヴァーさんごめんなさい!友達が危ないかもしれないんです!!お説教あとにしてください!!!」
「おい、くましろ!」
「轟くん!」
「…?」
「轟くんは飯田くんのところへすぐ向かって!!!なんとか特定して住所送るから!」
オレは、弔が何人も従えてないかを確認したらすぐに向かうから。
飯田くんの声が聞こえる方へがむしゃらに走る。いやもう走りながら&前たまに向きながらだから誤字る誤字る!!!!うざ!!
近づいて来たからか飯田くんの声がクリアになってくる。
『僕は…お前にやられたヒーローの弟だ…!!
最高………なヒーローの……兄の代わり…お前を止めに来た!』
たのむ、突っ走らないでくれ。声の聞こえた距離的にここからそう遠くはない細道。
とりあえずここの現在地を轟くんに送る。あと出久くんにも。もしかしたら、新幹線から降りて増援しに来てくれるかもしれない。
「もし保須に降り立つことがあったなら、飯田くんこの近辺にいるから探し出して!」
あとは弔を覗き見するだけ……!!!
声が小さくてボソボソ話す弔の位置を特定するのには苦労した。黒霧と2人で立ってる。
意外と近くに出ちゃってビビってるけど、この距離…バレてないはず。ほぼ隣のビルと言っても過言ではない。
帰るとき慎重に帰らないと…。
「やっぱ…良いね脳無。」
「あなたは参戦なさらないので?」
耳が聞こえる範囲を止めずに耳をすませているせいで、すぐそばで会話されてるような錯覚に陥る。心臓がバクバクしている。昔から追いかけられる、隠れて見つからないようにするゲームとか苦手だったんだよね。
「馬鹿が、怪我してんだよ。だから奴らを持ってきたんだ」
脳無のことか。
「まあたった3体だけどさ…充分でしょ」
『脳無は3体、前回みたいな個性悪党集団は居ないぽい。敵は脳無とヒーロー殺しだけ!今すぐそっちへ向かう!!』
「…黒霧、盗み聞きしてるやついる。捕まえて来い」
やば、
「おや、…ちょうどよかった」
止めようとして看板の影から顔を出したと同時に後ろから声がする。早い…!
「死柄木があなたに会いたいとあれからずっとうるさいのです」
ええいままよ!止めずに飛び降りるくらいしか残された道がない、走り出そうとすると霧に体がずわっと引き込まれる。
ボテッと目の前に弔が居るビルの屋上に落とされる。痛い。顔から着地したんですけど。
「…!くましろ…?」
「触んないで」
「…怖いなぁ、その目、」
口笑ってるけどね。
「弔、迎えをよこしても無駄だよ」
「結局、お前もヒーロー側につくんだ…?」
「…どっちにもつかない」
「「…??」」
「今まで根付いて植えつけられてきた思想は、世話してもらったから、優しくしてもらったからって1年そこらじゃ変わらないって気付いた。
オレは…中立をとるって決めた。だから弔、オレはお前の味方でもあり敵でもあるんだよ」
「…中立…へえ……」
「なかなか面白いことを言うのですね」
至極楽しそうに黒霧も笑っている。
「ほらな、お前も気にいるって言っただろ。くましろは可愛いんだ」
「ねえいま面白いって言ってたと思うんだけど、どうして着地点が可愛いなの?」
繋がらなくない?
「…じゃあこっちには来てくれないんだ」
「片足突っ込んでるって意味で許してよ。今だってオレのクラスメイトだったら攻撃仕掛けてたと思うよ。」
「そう…だね、残念だなあ。ねえ、くましろ」
近寄ってくる弔に警戒してると何もしないよ、抱きしめたいだけと笑われた。しようとしてるじゃん。体が強張る。
「……イレイザーヘッドは元気?」
「…っ!!!!お前、」
バッとひきはがす。
「だから怖いよ、その目。そんな怒らないで、聞いただけじゃん」
「怒らすようなこと言ったのも、したのもそっちでしょ。
許してないよ、あの件は。」
…飯田くんが気がかりだ。早く行かないと。
「くましろとは仲良くしたいなあ。ねぇ」
顔を覗き込んでくる弔を睨む。
「…何?時間ないから早くして」
「…イレイザーヘッドのこと、殺したら怒る?」
ギリ、と歯を食いしばる。冷静に冷静に。怒ってる時は眠ってる状態と同じってどこかで見た。
弔の表情を見ると、本当に分からないから確認しているような表情だ。
「………オレをここまで引き上げてくれたのあの人だから。イレイザーヘッドが死ぬなら、オレも死ぬ。」
「…いいなあ、そんなに想ってもらえるの…イレイザーヘッドだけずるいよ」
彼女みたいなこと言うんだね、と言ったら腕を掴まれた。
「我儘なの分かってるけど、くましろが欲しい。
一緒にきて?」
今日はイレイザーヘッドいないからいいじゃん、と言われる。
親いないからおいでよ、みたいな誘い文句で思わず笑う。
「…弔、譲歩してくれてるの?…ごめんね、ヒーロー殺しとオレの…友達が出くわしてるんだ。あの子は助けたい」
「分かった……でも必ず迎えに行くから。」
くれぐれも誰も傷つけないでと意味ないだろうけど忠告する。
「それと…くましろじゃないよ、neutral。」
「へえ、neutral……いい名前だ」
ニタァっと薄気味悪い笑顔で笑う弔を最後に飯田くんの元へ向かう。
(……同じ目か…)
(…だめ、こんな時くらいネガティブになるな。集中!)
(えーと、飯田くんの声がする方向は…)