Alien
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轟くんに相澤さんとの距離の近さを見抜かれ、母さんとのことで思い詰めるなと釘を差された。さっきは取り乱しすぎて取り返しがつかない事言う前に、轟くんが電話ブチ切ってくれたから、かけ直すと伝える。
ジト…とした目つきで見られたので、もう本当に平気!!!切り替えの速さはとりえなの!と伝える。
『くましろ…もう平気か?』
早…ワンコールで出た相澤さんにびっくりしつつ、待っててくれたんだと思うと申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになる。
「はい…轟くんがいろいろ聞いてくれて落ち着いたんですが…あの…、バレました…すみません…」
『嘘が下手なお前が3年間もこのまま隠し通せると思ってないからいいよ。
マスコミにバレたときのことも一応想定してる、…し根津さんも了承済みだ。そもそも神代さんもな。
心底気にしてビビってるクビにはならねえから、気にするなよ』
プロヒーローが自分のクラスの生徒匿うようにしてたらクビになるかもって考えまでバレてる…
「……なんでそんな優しくするんですか、八つ当たりしたのに、」
『そりゃお前…甘えるのが下手な子供が目の前で泣いてわめき散らかしたところで大人はブチギレねえだろ』
「…サラッとバカにしませんでした?」
例えだ例え、と返ってきたけどハッキリ子供って言われたような…?
『…で。さっきの発言は取り消すよな?』
「取り消しますすいませんでした!!!」
地を這うような怒ったときの相澤さんの声で凄まれ、電話越しに土下座する。
『俺はお前にそんなに難しい要求してねえだろうが。あ??ややこしく受け取りやがってガキが…』
「はい。大変申し訳ありませんでした」
冷や汗が止まらない。早く帰りたくて仕方なかったけど、もう今ので帰りたくない。殺される。
『何が引っかかってるのか知らねえが、今すぐ解決しろなんて言ってねえだろ。
今のままの距離感でいることのほうが、お前にとっては辛いって話をしたんだろうが。
くましろのことだ、魘されてるときのこと聞いて早く解決しなきゃとか勝手に思い込んだんだろ』
「ぐうの音も出ません…」
『第三者から見て、お前らは圧倒的に会話が足りない。
例えばアル中とか機能不全な家庭を除き、問題があるとこは8割会話が足りていない事が多いんだ。
何をしてほしいのか、どうしてほしいのか、何を望んでいるのかお互いわかってねえくせに決めつけて余計に悪くなってるのが典型的パターン。
……腹割って話してみないとどう転ぶか分からねえってことを言いたかったんだよ、オレは。』
「…はい」
『ずっと否定してきた母親には今更何言っても伝わらない…ってお前も諦めてる節あんだろ』
「…あり、ます」
『……雄英に来てから、ヒーロー向きの個性とか強力な武器って何回言われた』
「……たくさん…」
『人からの評価はそれだ、その中にはオールマイトもいる。
…じゃあ何故神代さんは頑なにお前に反対意見を出してたんだ?』
「………」
そう言われると、分からない、かも…。
『分からないだろ。だから、分からないままにして勝手に誤解し合うなら何年かかってもいいから、話をしたいと思ったタイミングで話してこいって言ったんだ。
…分かったかガキ』
「…ちゃんと、理解できたと思います。」
そうか、と返ってくる。
『……なんで?だったか』
「相澤さん…?」
『…たとえ、…たとえ生まれてくるときの理由がどんなんでも今お前はたくさんの人に愛されて大事にされてるだろ。
それごと放っぽるようなこと考えるな』
キレて口調と圧が凄かった相澤さんが、消え入るような声で話してる。こんな思いするなら…とオレが口にしたからだ。
『寂しくなること言うなよ』
「……二度と言いません」
『何度ピーピー泣くんだ』
「すみません…っ」
『次、同じようなこと口にしたら回し蹴りするからな』
「コワ…アンタの回し蹴りマジで痛いんでやめてください。骨折れる…」
『アホなこと考えてるからだろ』
アホ、アホか。
生きるか死ぬか、生まれてきた事自体にまで繋げちゃうオレにとっては大きな問題も相澤さんにとってはアホなことなんだな。
考え込むクセが良くも悪くもある、と言われたことあるけどこういうところか。
神代くましろの人生は、母さん主軸で進むわけじゃないし振り回されすぎてたかもしれない。
授業参観とか、お弁当とか。運動会とか、そもそも日常の生活の中に他の子にはあるもので正直まだ羨ましさや寂しさみたいのはある。
けど、どうしても母親からの愛だけじゃなきゃ代替が効かないわけじゃない…と思う、多分。
『…保須にいんだってな。…気引き締めて過ごせよ』
「はい。…轟くんにもお礼言って寝ます。相澤さん、……迷惑かけました。すみません」
『あぁ。はよ寝ろよ』
好き度が増す。相澤さんって、いわゆるツンデレ?とかに分類されるんだろうけど、オレが向ける相澤さんへの好きと同等を返してくれてると思う。
出久くんも、お茶子ちゃんも飯田くんも。轟くんとかも。たいととやつきもそう。
どうして「母親」に固執していたんだろう…。ああいう人って理解はしてたはずなのに、欲しがったところで会話もしてないのに急にもらえるわけない。今更もらえても素直に受け取れるか、自信ないけど…。
人からの愛情を欲しがってた割に、1番蔑ろにしてたのはオレ自身だった。猛反省しないと。
(くましろ、寝たのか?)
(……)
(俺もそろそろ寝るか…ぐっ!?)
(うゔん、)
(今日も抱き枕か…)
((明日土下座じゃ済まなくなりそうだな))
((さて、子供らは寝たか…?))
((!?!???!))
((焦凍を抱き枕にして寝ている…!?))
((そして見事に腹を出して…みっともない。))
((神代の顔つきは…平気そうだな))
少し思うところがあるエンデヴァーさんが気にかけてくれてたら、いいなと思って…