Alien
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✳轟焦凍
「くましろ。そろそろ起床時間だ、起きろ」
「う、ぅん、あと30、ぷ…」
体を揺すぶってもピクリとも目が動かない。朝弱いのか、コイツ。
同じ時間には寝た、と思う。
朝起きたらすぐ近くにくましろの顔があって驚いた。寝る間際に電気つけるか消すか聞かれたから、幽霊が出るって冗談言ったら信じて引っ付いて離れなかった。
朝起きても同じ体勢だったから、俺が寝返り打っても引っ付いてきたんだと思う。
そんなに怖がりとは知らなかった、脅しすぎたな…。
「くましろ、」
そろそろ起床時間だ。これから朝飯食って移動だと思う。荷物はまとめて……ないな。駅のホームへ向かう途中、コスチュームが入ったバッグを何処かへ忘れて相澤先生にこっ酷く叱られていた場面を思い出す。
アレは?コレは?と一気に確認されるとパニックになると言っていたし、やっておくか。
パトロールと親父は昨日言っていた。コスチュームで移動すると思うからコスチュームを広げておく。
起床時間5分前だ。
「くましろ、起きろ」
「うう、…はぁい」
「っわ!」
肩を揺さぶってた手を急に引っ張られて思い切りくましろの体に乗る形でぶつかる。
俺も痛いんだからコイツもっと痛いだろ、大丈夫なのか?顔を見るとしかめっ面してる。
「も、ちょとだけ…」
「さっきもそう言ってたぞ」
そう言うと眉に皺がよる。
そろそろ体も脳も覚醒し始めたんだろう。
✳神代くましろ
「ほんっっとごめん」
「いや、べつに」
「マジでごめんごめんね、」
朝起きてさあ、誰が轟くんを抱きしめてたと思う?朝から絶叫したよ。(さすがにうるさいって怒られたけど叫ばずにはいられない)
マジで抱き枕にしちゃったことと、コスチュームの準備までさせちゃったことを誠心誠意謝る。
「朝弱いんだな」
「うーん、低血圧気味でね…ギリそういう病気じゃないラインって感じ…。まあほぼ病気って言われたけど」
「神経とかか?」
「そ~、治癒の個性の発現でグッと酷くなった、ダメージ2倍なのもそういう痛覚の神経が多分いかれてるからだって言われた。低血圧も悪化したし…ふぁ…
まだ断定するなって医者には言われてるんだけど、ここまで酷くなったの確実に個性強化してからなんだよね…」
まだ眠い。やっぱ6時起きはキツイな…。
「顔洗ってこい、部屋でて右だ」
「右ね、」
轟くんのお家に泊まったんだけどまあ広い。洋風なお家かと思えば和風だった。オレの中でのエンデヴァーさん、もっふもふのソファでふんぞり返ってるイメージだった。
机正座してご飯囲ってるのか〜と思うとなんか面白かった。あくまでイメージだけどね。
顔を3回くらい洗って脳を起こす。冷たい水が気持ちいい。
ちょっとさすがに寝たのが11時半はキツかったかな~今日は相澤さんの言う通り早めに寝ようかな。
「コスチューム着替えとけ」
「はあい」
「まだ眠いのか」
「うぅん、…移動中寝ちゃうかも」
「そうだな、寝ておけ」
いざとなったらなるべく痛くないように起こす、と言ってくれる轟くん。優しい。
何かと噂と保須に出張に行くらしい。
もしも、オレが保須市民ならNo.2ヒーローが自らパトロールしてるのみれば幾分か安心できる、、と思う。
「前例通りなら保須に再びヒーロー殺しが現れる、しばし保須に出張し活動する!市に連絡しろォ!!」
バタバタと動き回る事務所の人の雰囲気に呑まれながらエンデヴァーさんの後ろについていく。
もしかしたら飯田くんと鉢合わせになるかもしれない。
出久くんと飯田くんの2人だけ、着信音を変えておこう。
「……気持ち悪いのか?」
「えっ?なんで?」
「顔色が悪い」
顔色…鏡を見る。自分では分からなかった。
「…気持ち悪いといえば…悪いかな…。なんかね、すんごく嫌な予感すんだ。
前に襲来してきた時と、同じ感じ」
「…野生の勘か?」
「よく言われるけどね!!!」
まるで犬かのように言わないでほしいな!!
「保須に向かうし、ヒーロー殺しと遭遇する確率は高い。お前の嫌な予感は当たるかもしれない。」
気、引き締めんぞ。と言われる。
「ん、そだね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「保須って結構栄えてるんだね」
「そうだな」
鼓膜が破れない程度に耳の能力を上げて耳をすませてるけど、特に飯田くんの声も聞こえないし争ってるような声も聞こえてこない。
「なんか、落ち着かないな…」
「神代、俺たちを始めとするヒーローたちが街をパトロールしている時に気をつけなくてはいけないことはなんだ?」
エンデヴァーさんが口を開く。
「え、…と迅速な対応とかもしここに急に敵が現れた時にこの周りにいる人の安全確保のシミュレーションを欠かさない…とかですか?」
「まあ、それも正解だな。…保須ではヒーロー殺しが現れている。アイツは必ず同じ市内でヒーローを4人以上に危害を加えている。
それは市民も分かっているだろう。そうして不安な日々を送っている時に俺らヒーローが…今のお前のような思いつめた顔をしてパトロールしていたら、どう思う?」
「っ、」
「事態が起きてからの行動もさることながら、事態が起きる前の行動もヒーローとしては大切なことだ。不安を煽るような顔をするな。」
「はい」
何故だか、オールマイトが思い浮かんだ。笑顔で現れて安心感を与えるオールマイトが。
結局、今日はヒーロー殺しは現れなかった。
水面下にじっと潜んでいるような感覚に、気がおかしくなりそうになる。毎日こんな気分で仕事しなきゃいけないのか、プロヒーロー。
ただなんとなく、絶対オレらが職場体験してる間には来るという確信めいたものがあった。
絶対に来る。なんとなくそう思う。根拠は本当に、己の勘のみだからエンデヴァーさんには言ってないけど…無用な混乱を与えたくないし。
「午後は訓練か」
「うん」
「…なんかお前が静かだと調子狂うな。」
「それ、結構傷つくんだけど」
うるさいのがデフォルトみたいな。
初っ端エンデヴァーさんとか…
うん、訓練に集中しなきゃ。ストレッチを入念にする。
「…切り替えは早いようだな」
「とりえなんで!」
今日も基本的にオレは個性を使わずの戦闘訓練。
受け身の形にも注意しないとすぐに痛くて終わってしまう。
受け身の取り方かなり上達したと思う。絶対相澤さんに褒めてもらおう。
「ちょこまかと…!」
ゴォッ!!!!あっぶな、燃える燃える燃える燃える!!
間一髪で避ける。
芦戸ちゃんと同じで酸性液の濃度を変えられるように轟くんもエンデヴァーさんも炎の熱さの温度を変えられるらしい。避けたから分かったけど、めっちゃ熱風きたから殺す気できたと思う。なんて人だ。
「結構ちゃんと燃やそうとしてません?」
「ほう、気付いたか。直感も優れてるな」
「轟くん、今すぐ凍らせて!!!!」
聞いてた今の!?
(うぎゅう…)
(親父、コイツの髪の毛少し焦げてるぞ)
(少しやりすぎたか)
(((((少し…???)))))
(ちょこまかと動き回ったり大胆な動きをしてきたり…予想がつかないな)
(…あぁ)
(焦凍、念のため救護室に運んでやってくれ)
(分かった)
((すっかりのびてんな…))