Alien
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相澤さんが企画?してくれたゼンマイやミッドナイトによるフォロワー・ファンへの対応講座のあと、大量にある手紙をわざわざ家に持ち帰る理由にもいかず、空きロッカーはたくさんあるから置いていっていいと許可が出た。
相澤さんはまだ書類整備があるみたいだったので、職員室の端っこの誰も使用してない席に座らせてもらって、いくつか大の手紙を読んでみることに。
事務所所属じゃないし、母さんも毎回顔合わす訳じゃないって知ってたから手紙なんて考えたことはあっても出したことない。
どういう気持ちで、どういうことを書くのだろう。その好奇心だけで、開けてみる。
古い袋から無作為に選び出す。…あ、ルーズリーフをちょちょっと折ってある。授業中に回すようなラフな手紙。
変なこと書いてあったら即座に渡すように相澤さんに4回くらい釘を差された。
変なことって?って尋ねると、知らなくていいと。知らなかったら変なことだと分からなくない?と思ったら「気持ち悪いと感じたら」と訂正された。
『ヒーロー科のくましろ?くんへ
こんにちは。普通科の1年、同級生のマリアといいます。
読んでもらえるかは分からないけど、感謝を伝えたくて。
こんなルーズリーフで申し訳ないけど、忘れないうちに書いておきたくて。
4月◯日 東校舎2階の廊下で授業終わりに薬品をこぼさないように集中してたせいで、
あなたと、あなたのお友達(少しあなたより背の低い、パーマっぽい男の子です)とぶつかってしまいました。
薬品が私の制服にほんの少し、かかってしまったんだけど
前見てなかったの私だし、裾だったから後で洗えばいいやと
謝ろうと思ったとき、何よりも先に「ごめんね、大丈夫?
それかかって大丈夫なやつ?」と謝ってくれたよね。
私がいいよ、って言っても濡らしたハンカチをくれて、何度もお友達と一緒に謝ってくれてなんて優しい人なんだろうって思いました。(お友達も!)
普通科だったら改めてお礼を言いたいと思ってクラス中を練り歩き、笑
見かけなくて他の科の生徒か…と諦めたときにヒーロー科の演習授業であなたが見えました。
ヒーロー科の先生となんて関わりがなくて、たまたま声をかけた先生があなたの担任である相澤先生でした。事情を話して教えてもらって、職員室でこの手紙を書いてます。
あのときは本当にありがとう!私はくましろくんがヒーローになるのを楽しみにしています。』
「お〜神代、初ラブレター読んだ感そ…、オイ泣いてんのか!?」
茶化しに来たであろうゼンマイが、大声を出す。
「ちょ、ちょっとゼンマイ声が大きい!相澤さんすっ飛んで来ちゃうから…!」
「もう居るが」
早っ!!!びっくりしすぎて涙止まったわ。感動の涙だったのに。
「初っ端まずいの引いたのか?」
ゼンマイも心配してくれてはいるんだろうけど、皆ソワソワこっち見てるし感動して泣きましたなんて、とても言いにくい雰囲気。
寄越せ、と少し文章を読んだ相澤さんもこの人を覚えていたようで、「あぁ…コイツか。」と呟いていた。
「ゼンマイ、あの…違くて。優しい手紙で、感動しただけ…」
「なんてウブなの〜!!!私が手紙書いた生徒なら、こんな事言われたら一生の思い出なんだけど…」
ミッドナイトまで交じってくる。
「コイツなら最近、体育祭終わりにも追加の手紙寄越しに来たぞ。…たしか……コレだな」
相澤さん、なんで手紙の封筒までの識別ができるの???記憶力よすぎてゾッとした。
とりあえず早く読め、の圧がすごいので2通目?を開ける。
今度はルーズリーフじゃなくて普通のレター用紙になってる。
『ヒーロー科 くましろくんへ
手紙を書くのは2回目の普通科のマリアです。
どうしてもこの興奮を伝えたくて!
4月に事故?であなたを知ってから、すごく楽しみにしていた体育祭があっという間に終わってしまいました。
3位入賞、おめでとう!
なんの個性かは明かされてないからよく分からなかったけど、爆発、炎と氷とすごい個性だらけの中で3位にくいこむ
くましろくんの勇姿を会場で見れたのを誇りに思います。
それと同時に、心ない野次に私が泣きそうになっちゃいました。本当にうるさいの一言に尽きます。
普通科でも噂になっていたUSJでの襲撃で大怪我をしたのが貴方だと知って敵が校内に侵入してくるなんて想定はないんだろうけど、
本当にいつでも死と隣り合わせなこと、私たち普通科の護ってもらう側の人間って応援以外何にもできないんだな、と思うところがありました。
私の友達に誘われて入ったあなたのファンクラブ、常日頃くましろくんの話でもちきりです。
いくつかファンクラブはあるけど、まだ半年も経ってないのにファンクラブできるって凄いなあ〜と加入者の私でさえ思います。
それと面白いのがファンクラブに入っているほとんどの人(私の知り合いに限るので10人前後?)が、
校舎や校庭でくましろくんに助けてもらった・良くしてもらったという人ばかりです。そんな話でもちきりです。
ちなみに、ファンクラブに誘ってきた私の友達は階段で曲がるときにお互い見えずにぶつかった時に落ちそうになったのを支えてもらって、土下座する勢いで謝るくましろくんが面白くて忘れられないから加入したそうです。
これからもなるべく怪我の無いよう、頑張ってください!』
(………もう、いいかも……めちゃくちゃ恥ずかしい…)
(全部こんなテンションだろうなぁ、神代のファンクラブの中がそんな感じなら!)
(俺の知らないところで随分手ェ出してんだな?)
(ちょ、言い方…!だってぶつかってよろけるから…危ないじゃないですか…!相澤さんだってオレが転んだらすっ飛んで来てくれるでしょ!!!)
(あら〜?相澤ヤキモチぃ???見苦しいわ〜!)
(いっ…ミッドナイトさん、叩かないでください)
(無自覚天然人たらしモテ男は間違いなく神代だな)
(それには満場一致だね)
(セメントス先生まで盗み聞きしないでくださいよ…)
(良かったな、お前の愛情深さがこんな形で返ってきて)
(う……はい………ん〜!!!慣れない!!!全部読むなんてマジで無理かも…)