Alien
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はぁ、ついに当日になってしまった。
本当に気が重い。相澤さんと1週間も会えないこともそうだけど、エンデヴァーさんへの失態と報復が怖くて…。
「どこに行くんだバカ、ちゃんと前見て歩け」
ガシッと頭をつかまれる。
うう、毎日電話したいけどできなそう、てか出てくれなそう、しっかり目に焼き付けとかないと。
「…あれ!このあいだの体育祭3位で寝てた子じゃん!!」
「本当だ〜起きてる!!!」
なにそのいつも寝てるのがデフォみたいな扱い。ちゃんと起きて戦ってたでしょ!!?
「どうして駅にいんの!?」
あっという間に3人くらいの人に囲まれる。
「あ、えと、職場体験で「えー!!!1年生だから職場体験とかするんだ〜!つーか顔カワイイ!」え、集合時間近いんで、手…」
なんで勝手に手なんか握ってんのコイツ…上鳴くんのフランクさとは真逆の馴れ馴れしさ…うざ。汚い。
引っ張っても注意しても全然離してくれない。なんなのまじで…。
3人はオレの制止も聞かずに勝手に写真撮ろうとしてくる。
待ってオレまだプロヒーローでもないからマジやめて、
「…何はぐれてんだ、全く…。オイ、お前らも。」
ぐいっと後ろに引っ張られる。顔ごと隠れてて、何なら首しまってかなり苦しいけど助かった。ホッとする。
「勝手にベタベタ体触ったり写真撮ったりしたらコイツも嫌がるだろう、やめろ」
ほらいくぞ、と歩き出す相澤さん。
「イケメンすぎて無理…かっこよさがとどまる事を知らない…結婚してください」
「すでに月1プロポーズ大作戦が終わったが」
「毎日100回プロポーズ大作戦に変更します!!!!」
「ノイローゼになるからやめてくれ。あと、…ボーっとすんなよ。しゃきっとしろ、そんな捨てられた子犬みたいな顔をするな。
帰って来るの待ってるから…分かったな?」
頭に手を置いて顔の位置もオレの目線に下げてそういう相澤さん。
端から見ても真ん前から見てもめちゃくちゃカッコいいです。
「…分かりました!そして結婚してください!!!」
「本当にわかってんのか…?」
軽く睨まれたので、だって今の超かっこよかったんです!と力説しても軽く流される。
どうしてこの人自覚ないわけ…?四六時中鏡を見せる生活させたら自分のハンサムさを自覚する…?相澤さんの中ではオレの方が「無自覚天然人たらしのモテ男」で認知されてるから無理かな…。
みんなと合流してちょっとした修学旅行気分。
先生同伴じゃないしなんならここからみんな別れるんだけど。
「よし…全員居るな。そんでコスチューム持ったな。
本来なら公共の場じゃ着用厳禁の身だ、落としたりするなよ」
「「はーい!!」」
芦戸ちゃんと声がかぶる。
「伸ばすな「はい」だ芦戸、バカ神代。くれぐれも失礼のないように!
じゃあ行け」
なんでナチュラルにバカつけてんの?さっきまでの優しくてイケメンな相澤さんどこ行った??
「轟くん」
「?…くましろか」
逆に誰だと思ったんだろう。
「事務所どこ?」
「…親父のところだ」
一応、轟くんなりにエンデヴァーさんのことを認めるというか受容する形に落ち着いたんだろうか。
体育祭からいろいろいい方向に進んでるといいなあ。
「ほんと?オレもなんだ、一緒に行こ!」
「ああ。」
またクロッシーロードやってる。教えたのオレだけど
ほんと好きだな。
まあオレの(相澤さんにやらせた)10,000点越えのスコアには敵わないだろうね~。
「あれ!?!何それ、ニモ!!?」
「ああ、昨日新しくアップデートされた」
てかもうニモとマーリン持ってんだけどなんなの、前はワニひいたとか言ってたくせに!!!
轟くんにちょっと待っててと伝え、出久くんとお茶子ちゃんの所へ行く。
「1週間も会えないなんてあんまりにもさみしい、毎日LINEするね、」
「私も寂しい~、でも帰ってきたときは一回り大きくなったスーパーお茶子だよ!」
一皮むけたと言いたかったのかな…でもかわいい。
出久くんにむぎゅーと抱きついてると出久くんはチラチラと飯田くんを見てることに気付く。
やっぱ違和感というか、心配してるだろうなこの2人も。
顔つきもあの日から変わってないように思う。
「飯田くん」
出久くんが声をかける。
「………本当にどうしようもなくなったら、言ってね。友だちだろ」
そう言うと隣のお茶子ちゃんがコクコクと頷く。
「…ああ」
ダメだ、これは。この顔、この目は。
「飯田くん、待って」
「…くましろくん、」
「え、と…なんて言うか、…その、」
「「「???」」」
「…うん、何かあってもなくても、飯田くんはオレらが守るよ!
毎日寂しいってLINEするからちゃんと相手すること!
夜9時には寝ること!歯を磨くこと!」
出久くんたちにはオレで見えなかっただろうけど、飯田くん一瞬グッと唇を噛み締めた。
「くましろくんが飯田くん化した…!」
「そうだな…くましろくんも!
皆とのLINEに夢中になりすぎて就寝時間が遅くならないようにするんだぞ!」
いつもの笑顔にちょっとだけ戻った飯田くんを見て少し安心する。
「じゃあ皆、電車乗ったら早速LINEするね!」
「ホームに落ちないようにするのだぞ!」
後ろからそう聞こえてつい笑ってしまう。
「あ!!!!」
歩きながら気づく。
「、なんだ、急に大声で」
「コスチュームどっかに忘れた殺される、、どうしよう轟くん、」
「オイ…たった10分前だぞコスチューム落とすなって言ったの…」
「ギャアアアァ!!!??!?後ろから殺気を感じるどうしよう殺されちゃうよ轟くん!!!!」
「?戦うか?」
「クロッシーロードやりながら答えないで!??!」
ゴンッ!!
「い゛っ!!?」
コスチュームの入ったバックを頭に振り下ろされた。
痛くてしゃがみこむ。生理的な涙も出る。痛い。ぐわんぐわんする。
「轟、お前もゲームやりながら歩くな。コイツが真似するだろ」
そこか!!?!?そこかよ!?!?
「いだい、」
「…忘れるお前が悪い。全く、出発の日まで心配かけさせるな。そそっかしい…着替えのカバンとスマホ・Suica、コスチューム全部見せろ」
「そんな一気につらつら言わないでください、パニックになるから、、!!」
「これくらいで泣くな一個ずつ見せろ、ハイカバン。…スマホ、Suica、コスチューム。」
相澤さんの最終チェックが終わってあと7分で電車来んぞ、とホームの階段へ連れて行かれる。
「よし、行ってこい」
「はーい!!!相澤先生ー!お土産買ってきますね!!!」
「要らねえからな」
「甘くないものにしますからね!!」
轟くんの手を引っ張ってホームに急ぐ。ちょっとここからじゃ遠い。
「ふう、間に合ったね〜バタバタしたから焦った…」
もう二度と落とし物しないと決意した。
「…なんで、親父の事務所にしたんだ?」
急に質問してくるんだな…。
「…うーん、もともと遠距離戦とかは慣れてる…っていうか良く訓練で遠距離戦はやってたんだよね、
相手が武器持って凌いで間合いに入る…とか個性使う…とか…」
(教わりたいことが合致した!…のと…)
(…と?)
(…体育祭のときにちょっと失礼なことを言ったから、
それを謝っておきたいなってのもある、)
(顔を青くするほどやべえこと言ったのか?)
(言っちゃった…顔怖かった…)
(何言ったんだよ)