Alien
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お昼を食べ、あらかたの職場体験先の系統決めとやりたいこと、伸ばしたいこと、先生たちから見て伸ばしたほうがいいことを踏まえ7割決定したので、解放してもらえた。
気になってるのもあるしお前は心配性だから、と相澤さんが教えてくれないのもあるから直接本人に聞こう。
いつも特段明るいというわけでもないけど、今日はいつもより顔つきが明らかに固い。
何があったのかは端折ってしか聞いてない。
ヒーロー一家である飯田くんのお兄ちゃんが負傷した、ということ。そしてプロヒーローに手傷を負わせたのは神出鬼没のヒーロー殺し、ステインという敵。
「やほやほ~~飯田くん!」
「ん、あぁ。くましろくんか!体はもう大丈夫なのか?」
余裕のないような時にも、気遣ってくれる飯田くんの優しさは恨みや妬み憎しみには絶対向けさせたくない。
お節介はヒーローの本質って誰か言ってたし。
「うん、ありがとう。もうすっかり元気だよ。…家に帰って、体育祭テレビで見返したんだ。表彰式、なんで居なかったの?」
「あ、あぁ…。実は僕の兄さんが敵と戦った際に負傷してしまってな…
お見舞いに行っていたんだ」
なるほど…。
「そうだったんだ…お兄さん、大丈夫?」
「ああ、意識も取り戻したし、命に別条はなかった」
それは良かった。
大切なものを失いかける怖さはもう、味わってる。
「…それは良かった…ねえ、飯田くん。怒らないで聞いてほしいんだけど…」
「?」
「復讐しようとか考えてないよね?」
「…。」
図星か。
「このあいださあ、USJの時にも敵が来てさ…13号と相澤先生、ボッロボロにやられたじゃん。
あ、あの時助けを呼んでくれて本当にありがとう。遅くなっちゃったけど…
オレが相澤先生のフォロワーで、凄く凄くあの人のこと好きなのは、飯田くんも分かってるよね?だだ漏れだろうし…」
「礼には及ばないさ、僕は当然のことをしたまでだ。
そうだな、くましろくんはとても先生を敬愛しているな。」
「…もしあの人に何かあったら死柄木たち、個性を使ってぶっ殺そうかと思ったんだよ」
思ったより声色が低く冷たくなってしまって驚いたのか、飯田くんがバッとこちらを振り向く。
「もう、ズッタズタのけちょんけちょんにして、塵化させて目に見えないくらい切り刻んで殺してやろうかと思ったんだよ……本気で。
治癒の個性は成り行きでバレたけど、もう一個はバレてないし。オレのこと引き抜こうと必死だから、傾いたふりして中に入るのも簡単だろうから。」
「………、」
「でも、それ話したら絶対にやめろって言われた。そんとき先生、すごく泣きそうな顔してたからさ。」
『そんなんであいつを殺そうが打ちのめそうが、俺は全く嬉しくない。考えることからやめろ、バカが。』
「…大事な人を失うかもしれない怖さ、分かるよ。血が繋がってないって言われようと、あの人はとっても大事な人だから。」
「くましろくん……」
「…お前は俺より強いのか?とも言われた。飯田くんは?お兄さんより強い?」
敵うわけもないと思い知らされた言葉。
「……」
唇を噛み締める飯田くん。
傷になっちゃうよ。
「飯田くん。その想いと苛立ちや悲しみ、悔しさは尊重する。…けどその行動はいいと思えない。バカな真似はやめときなよ。
オレは……飯田くんをなくしたくないし、飯田くんの個性も復讐のために使ってほしくないよ」
「!!」
「出久くんとかお茶子ちゃん、お兄さんもそう思ってると思うよ」
じゃあね、と振り返る。
正直本人に止められでもしないと止めないと思うし、本人から言われても行くかもしれないから、オレの言葉は別に歯止めにもならないと思う。
けど、もしもの奇跡にかけて。やめてくれるといいんだけどな。
「…居た、どこ行ってたクソガキが。居残りだって言っただろうが」
相澤さんに開口一番罵倒される。
上手に切り替えられなくて、元気がないと気付いたのか相澤さんが顔を覗き込んでくる。
「何があった」
「……飯田くん…」
「…話したのか」
頷く。お節介だなと頭を撫でられる。
「飯田くん…何も起こさないといいけど」
「…お前が言うのか」
心外だな。
「気持ちは痛いほど分かるから……でも、先生があの時死んでたら…間違いなく行ってたと思う」
「…お前を残して簡単に死ねないな」
「え、何それ!!?新手のプロポーズ!??」
キュンとしました!と伝えたのに無視された。
(ご自分が可愛くてクソかっこいいことについて自覚あります?)
(あるわけねぇだろ)
(いますぐ鏡見てもらってきていいですか?)
(毎朝毎夜見てる)
(それで自覚芽生えないんですか!??!信じられない…)
(そんなにか)
(そんなにです!その偏差値の高い顔面で、キュンとくること言わないでください!心臓が持たないので)
(んなこと言われても…大体顔面の偏差値はお前のほうが高いだろ、ファンクラブあるし)
(ほらすぐそういう事言う……!!!認知してないんでないのと同じです!!)
(顔真っ赤だぞ照れ屋。…その言い分はクラブ作ってまで健気にお前を好いている奴らが可哀想だろ。同じこと俺に言われて耐えれんのか?)
(う…たしかに…軽率でした…。でもオレ、別にアイドルじゃないし…存在知ったところでどうしたらいいかなんて…)
(フォロワーの多いマイクやオールマイトさんに対処法教えてもらえ。…ついでだが、体育祭後ファンクラブのメンバーは6倍近くに増え現在1000人近くいる)
(ヒエ…もう学校きたくない…無理…やだ…)
(ほら、泣きベソかいてねえでマイクんとこ行くぞ)