Alien
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「あ、相澤さん、包帯…!」
感動で荷物全部落としたら怒られた。
「怪我はいつか治るもんだろ」
そういうことじゃなくて…!人の感動を返してほしい。
「相澤さん」
パンをもそもそ食べてる相澤さんの前に立つ。
「?…なんだ?」
相澤さんの顔を両手で包む。……傷跡、やっぱ残るんだ。
「…目はちゃんと見えるから」
目元の傷を見てオレがしょぼくれたから、考えてること丸わかりの相澤さんに撫でられる。
「…でも、…痛そうです。」
「でもじゃない。お前のせいでも、誰のせいでもない。それに、今は痛くない。」
相性が悪かったんだと言われる。
「……」
「泣き止めよくましろ。」
ティッシュを押し付けられる。相澤さんの後遺症は、オレに一生つきまとう。
きれいな宝石に、大きな傷がついたような感覚。もう戻らない。戒めのようにあの苦い経験は覚えておかないと。
「おはよー」
今日は雨がすごくてくせっ毛が爆発してる。
「あらくましろちゃん。もう元気なの?」
蛙吹さんが声をかけてくれる。蛙吹さんってなんだかんだ気にかけてくれるしまじ優しい。
「うん。もう元気100倍!」
「そう、ならよかったわ」
表彰式のV見て目茶苦茶恥ずかしかったよね。1位拘束されてて、3位爆睡してんの歴代になさすぎて恥ずかしい。
「くましろちゃーん!今日道のりどうだった!?」
芦戸さんが元気に駆け寄ってくる。
「おはよ〜、雨で道がぬかるんでて気分最悪だった!」
「あーごめん、聞きたかったのそれじゃない!」
切島くんが腹抱えて爆笑してたからなんだ?と思ったら、マスコミに会ったかどうかを聞きたかったらしい。
普通に勘違いして恥ずかしい。
「一人も会わなかったよ…雨だからかな?門前にもいなかったよ」
うわ、尾白くんの尻尾ブンブンしてるんだけど。犬か。
「お、尾白くん…」
「あ、くましろ。おはよう。体は大丈夫?」
まだブンブンしてる。
「うん、もうすっかり元気」
「………その目…尻尾触りたいの?」
ばれた。障子くんに笑われたんだけど。ひどくない?
「触りたい。ブンブンしてるから触りたい」
「テンションと共にたまに動いちゃうんだよね」
な、なるほど…やはり犬っぽい…。尾白くんは犬に例えるなら優しくて温厚なでもとても賢いレトリバーだと思う。
「ああ~~もふもふ……!!ふふ、」
ストレス減る…
チャイム鳴ってたの気づかなくて尾白くんの尻尾なでなでしてたら、入ってきた相澤さんになぜか携帯を没収された。なんで?
「ほら早よ座れバカ」
「とんだ暴言、バカって言った方がバカなんです~だ」
「………」
「ウワアアアアアア待ってやめて携帯だけは!!まだバックアップしてないお宝たちが!というか相澤さんたちが中にまだ居るんです!!やめて!!全財産!!!!」
スッと携帯を持ち上げた相澤さんに土下座する。やめて。それだけはやめて。
「分かったから早よ座れ、バカ」
バカを強調された。訴えてやる、根津さんに。
「相澤先生、包帯取れたのね。良かったわ」
蛙吹さんがそう言う。うん、まあ…目はアレなんだけど。
「婆さんの処置が大ゲサなんだよ。…でお前はまたべそべそ泣くな。
んなもんより今日の"ヒーロー情報学"ちょっと特別だぞ」
教室を回るわけでもないのにワザワザこっち来て頭撫でてくれた。
「『コードネーム』…ヒーロー名の考案だ」
「「「胸ふくらむヤツきたああああ!!」」」
すごい、台風で学校お休みですって聞いた生徒たちみたいなテンションになってる。
名前かあ~~どうしようなあ…。
「というのも先日話した「プロからのドラフト指名」に関係してくる。
指名が本格化するのは経験を積み即戦力として判断される2、3年から…
つまり今回来た"指名"は将来性に対する"興味"に近い。
卒業までにその興味が削がれたら一方的にキャンセルなんてことはよくある」
…結構勝手だなあ。
「大人は勝手だ!」
峰田くんも同じことを思ってたらしく呟いてた。
「頂いた指名がそんまま自身へのハードルになるんですね!」
前にいる葉隠ちゃんが言う。
「そ、でその指名の集計結果がこうだ」
おお、、、すんごい偏ってるな。
1番あるのは轟くん。2番目は爆豪くん。3番目は…あ、オレだ。4番目は同じ3位だった飯田くん。続いて上鳴くん、ヤオモモ、切島くん、お茶子ちゃん、瀬呂くんだった。
「例年はもっとバラけるんだが、上位3人に注目が偏った。」
オレと爆豪くんと轟くんはみんなと圧倒的な差がある。だって4桁だもん。は~~、選ぶのも大変だわこりゃ…4桁か…
「だーーー白黒ついた!!」
「見る目ないよねプロ」
え、青山くんの怒り方めちゃくちゃ可愛い。プンプンって感じ。
「1位2位逆転してんじゃん」
「表彰台で拘束された奴とかビビるもんな…」
切島くんと瀬呂くんがそう言う。ビデオ見たけど、確かにもう…。獣扱いだった爆豪くんに大爆笑してしまった。
飯田くんはお兄さんが敵にやられたらしく、帰ってて表彰台には居なかった。後でどうだったか聞いてみようかな。
「ビビってんじゃねーよプロが!!!」
この爆豪くんのツッコミでくつくつ笑ってたら頭鷲掴みにされた。もちろん後ろの席の爆豪くんだ。見なくてもわかる。
「なァ~に笑ってんだよクソくましろ!!!!」
「クソつけないでよ~いいじゃん、オレも気絶してたし。同じだよ」
「違ェわ!!!!」
「ほんとにツッコミ能力著しく高いよね、笑っちゃう」
「バカにしてんのか」
「すんごい褒めてるんだけどな」
ほっぺつままないで。
「これを踏まえ…指名の有無関係なく、いわゆる職場体験ってのに行ってもらう」
「え!!?しょ、たい、え!?何日!?!??」
びっくりしすぎてたちあがってしまったし、ため息つかれた。ひどい。
「テメーは少し黙ってろ後でまた話すから」
ぐぬぬぬぬぬ、、、今話してよ!!!
「おまえらは既に一足先に経験してしまったが、プロの活動を実際に体験してより実りのある訓練をしようってこった」
なるほど、それでヒーロー名か…
「まァ仮ではあるが適当なもんは…「付けたら地獄を見ちゃうよ!!」」
ん、この声は!!
「この時の名が!世に認知されそのままプロ名になってる人多いからね!!」
「ミッドナイト…!」
「ハァーイ、くましろちゃん。体はもう元気?」
「うん!元気100倍!」
「…すんごい可愛い!抱きしめていい?「ミッドナイドさん、今授業中だ」授業終わったらチョコあげる!」
うん!と返事するとキャー!ってミッドナイトがときめく後ろで相澤さんはため息ついてた。つきすぎじゃない?
「まァそういうことだ。その辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう。俺はそういうのできん。
将来自分がどうなるのか、名をつけることでイメージが固まりそこに近づいてく。それが「名は体を表す」ってことだ
"オールマイト"とかな。」
なるほど…。
確かゼンマイが言ってたけど相澤さんのヒーローネームはゼンマイが付けたんだよな…。相澤さんってそんなにネーミングセンスないのかな…。ちょっと不安になる…。
ホワイトボードが配られたので受け取って相澤さんの隣に行く。
寝袋はかぶってるけど寝っ転がってない。ミッドナイトが居るからだと思う。
(…お前な、皆机で書いてるだろが)
(先生、一緒に考えて)
(……ハア…)
(ダメよくましろちゃん!!この人ほんとにネーミングセンスないから!!!)
(じゃあ…五郎でいいだろ)
(分かった、それにします!!!)
(ダメよ!!許さないわよ五郎なんて!!!ちょっと、相澤先生!ちゃんと考えて!)
(本来は個人で考えるもんでしょうよ…)
(あなたのフォロワーなんだからいいじゃない、本人にしてみれば一緒に考えて欲しいはずよ。手伝い程度でいいから)
(…ハア…なんか候補はねえのか)
(うーん…苗字が神代で名前がくましろだから…)