Alien
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控え室まで運んでくれた爆豪くんにお礼を言いかけて、そりゃもう爆睡してた。
いつまで経っても登場しないオレを呼びに来た爆豪くんが怖かった。殺されるかと思った。
『…オイくましろ…テメェは何呑気に寝てんだ…』
静かなのマジ怖い。
起きたら静かに切れてる爆豪くんってなに。心臓止まるかと思ったよ。
「ごめんなさいでした、本当に」
『待ちくたびれたぜ!?さあ準決勝だ!!
ねぼすけなヒーロー科 神代 くましろ!対…同じくヒーロー科爆豪勝己!!』
不名誉な呼ばれ方だ…。
寝ぼけた頭を振る。殺されかねないぞ~…。
ストレッチよくして行かないと。なるべく彼の攻撃には当たらないようにしたい。しっかりしろよ死神!と野次が飛んできたけど、オレ以上に野次が飛んできた方向を睨む爆豪くんをどうどう、と宥める。
ふう、冴えてきた。きっと勝っても負けても、帰ったら相澤さんに殺される。寝坊ってなんだお前ナメてんのかって言いながらギプスでチョップされる図が見えてる。
『んじゃ準備整ったようだし…いくぜ!START!!!!』
すの時点で吹っ飛んできた爆豪くん。早。なんとか避ける。
「なァに逃げてんだくましろ…」
「そんな早くやられちゃ楽しくないでしょ?」
簡潔に言うと、爆豪くんとの試合内容は攻防。ジリジリじわじわ。そんな感じ。
観客もよくも飽きずに見てると思う。感心。
「ハッ、考え事なんてヨユーだなぁ!!?」
「う、わっ!?」
爆発音が響く。おまけに煙幕効果だ。最悪だ。最大に聞こえるようにして耳をすます。
ジャリ…ッ
後ろか!
「オラァァァァ!!!!」
あっぶない。おいてたジャージに引っかかった爆豪くんが思い切りまた爆発かました。受けてたら痛みでショック死してたかもしれない。怖。
待って、あの威力逆に殺しに来てない??
「チッ…」
『煙幕ばっかだなー…どうなってるんだ?』
ゼンマイの声が聞こえる
大丈夫、当事者のオレもよく分かってないし。
煙幕が晴れる。
うわ、地面とんでもない事になってんですけど…。
やっぱ仕留めに来てるじゃん…。
まあ30分いくかいかないか。
結論から言うとそれくらいで勝負はついた。
『両者1歩も退かねえ!!!熱い!!これぞガチンコ!!!』
『…疲れてきてんのか攻撃がお互い単調だな』
「気をつけますね!!!!」
放送席にいる相澤さんに応える。
「チッ…」
『逆にお互いにやる気注いじまったみてェだぞ、イレイザー…』
殴り合いとかじゃあ、普通に分が悪い。まず腕の太さから違うから。それを分かってて個性使いっぱでズカズカ攻撃にやってくる。
ガソリン切れみたいなのないのかなぁ。汗をかけばかくほど威力が増してくのはタチが悪い。
攻撃を避けた時だった。急に方向転換する爆豪くん。
「…っ、こっちだよなァ…!?」
「!?」
読まれた…?
ガッと右腕を掴まれて背負い投げされる。背中から遠心力付きで着地だ。起き上がれない。視界がチカチカする。
「…出てるぜ、お前のクセ…」
あー!!!相澤さんに注意されたやつだ…!!出てたのかよ…腹立つな…。
ヨロヨロと起き上がるオレに対して走り込みながら手をバチバチさせてる。
やば、あんなのモロ喰らったら死ぬ。体育祭で死ぬとか無理。
『間合いに一気に攻め込む爆豪!!対して神代は動けねェ様子!!個性使って止めるか!?』
「できねーよ、集中してねェと無理だもんなァ!!?」
止めることが無理なら止めなきゃいい、ヨロヨロしてた体に鞭を打って全速力で左に避ける。
「チッ…しぶてぇな…」
「仮にもクラスメートでしょ、もっと優しい言い方してよ…」
凹むわ。なんでそんなゴキブリみたいな扱いなの???スプレーかけたのに、のたうちまわって意外と元気なゴキブリ見つめるような顔しないでくれる?
「フー…よし、いくぞ」
「上等」
殴りかかってきた爆豪くんの間合いの中へ入り込む。足でもすくえればいいんだけどなあ。
「っ、」
しまった、これ誘いか…!爆豪くんの間合いに近づき、わざと足を掴まされたんだと気づく。
「バァカ」
それはそれはもう至極楽しそうな顔で言われました。
「!!!ちょ、」
オレが掴んだ手を支柱に背中側に行った爆豪くんを振り返って視界にとらえた時はもう手はゼロ距離で背中につけられてた。
あぁ…絶対死ぬ。呪ってやるからな…
「俺の…勝ちだ!!!!」
『凄まじい爆音が響いたが神代は無事なのかーー!?!?』
無理です死んでる
あれ!?生きてる!!!!生きてました!!!
ご察しの通りゼロ距離で爆発させられました、どこまで彼はSなんでしょうか!!!
右手で背中にやられたんだけど左手は胸に添えられてたから地面に抉るほど倒れることはなかった。爆豪くん、受けとめてくれてたみたい。逆に逃げられないってことでもあるけど…まあ彼の優しさだと受け取っておこう。
「くぎゅう…」
「何語だお前ソレ」
爆豪くんにもたれかかるように倒れてるとミッドナイトとセメントス先生がすっ飛んで来た。から生きてるとだけ伝えておいた。
「…がんば、てね」
「当たり前ェだろ、俺が負けると思ってんのかクソ」
「おもってないからほっぺいたい」
抓らないで全身が痛いから!!!!
タンカロボによって運ばれてたら、もう、この世にある言葉では言い表せないくらいの相澤さんと目があって全力で逸らしたけど遅かった
「…殺すぞ」
「やめて痛いから今本当に痛いからやめて」
なんでよりによって爆豪くんと同じ場所つねるの、、本当に痛いからやめて
「うう、もう背負い投げから死んでた痛すぎ…」
「クソが」
「アンタの語彙力どこ行ったんだ」
ほんとに爆豪くんの移ってないか???
「こら、心配だからってあんまりいじめるんじゃないよ!!
見てて分かってるんだろう?背負い投げの時点で相当苦しかったはずだよ。
…相澤先生に300倍頑張る発言したからあんな無茶して頑張ったんだろう?
褒めておやりよ」
リカバリーガールって…………もしかしなくても神か???
そうリカバリーガールが言うとはぁ、って大きなため息ついてからガッシャガッシャと撫でられた。
「頑張ればケガしていい訳じゃねえぞ」
「……え、それ相澤さんにだけは言われたくないんですけど」
「前言撤回だぶっ殺してやる」
「リカバリーガール助けて!!!!正論言ったら切れた!!!」
ケタケタと笑ってるリカバリーガール。助けて殺される。
「だって相澤さんだってケガしてるじゃな、いだい!!!」
「俺とお前じゃ同じケガでも意味が大きく違うんだバカ」
「一緒です~!!!相澤さんだって頑張ればケガしていい訳じゃないです!!バーカ!!!」
「リカバリーガール、このクソガキ殺していいですか」
「ダメに決まってるさね!!くましろちゃんも怒らせるようなことわざわざ言わないの!」
大きく上げた右腕のギプスで頭ゴツン!てされるかと思いきや、撫でるような手の動きされて相澤さんの顔を見る。
「野次、よく耐えたな」
「…耐えたんですかね、アレ…言い返しちゃった」
「耐えた耐えた、くましろちゃんが言い返したのはアレは一線越えすぎよ」
リカバリーガールにも言われる。そっか、アレは言い返してよかったんだ。
(平気か?)
(平気です、お茶子ちゃんたちも助けてくれたし…)
(……もう試合終わって誰もいない、弱音はいてもいいんだぞ)
(なんでそんな優しくするんですか…)
(可愛い弟子があんな野次飛ばされたら心配するだろ)
(……)
(素直に泣いとけ、もう少し大人に甘えろ)
(…でも、耐えれるようにならないと…)
(徐々にでいいっつってんだろ)
(うう…相澤さん好き…)