Alien
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「おーう何か大変だったな悪人面!!」
「悪人面、っふふ、」
「組み合わせの妙とはいえ、とんでもないヒールっぷりだったわ爆豪ちゃん」
「うぅるっせえんだよ黙れ!!!笑うなくましろ!!」
ピンポイントで名指しされて背筋が伸びる。オレ以外だって笑ってたのに…!
「いびゃい!ごめん!!!」
ほっぺた両方をちぎれるくらいに引っ張られる。痛みのあまり泣いたから黒影ちゃんがさすさすしてくれた。優しくてより泣いた。
「まァー、しかしか弱い女の子によくあんな思い切りの良い爆破出来るな」
ドカッと隣に座ってくる爆豪くん。
「俺はもーつい遠慮しちまって…」
「「完封されてたよね/わ上鳴くん/ちゃん」」
「…あのな…梅雨ちゃん…くましろ…」
「どこがか弱ェんだよ」
「一回戦突破おめでとう〜」
「撫でるな!」
ええ、機嫌悪いな。まだ手負いのクマのこと根に持ってるんだろうか。
「くましろイジメルナ!!」
黒影ちゃんがそう言うと舌打ちする爆豪くん。いじめられてないから大丈夫だよ〜と言っておく。
「…てか、くましろ」
「ん?」
「ブーイング、不自然に止めたのテメェだろ」
「え、な、なにが?」
「嘘下手かクソが!!!」
「だっていたぶってんなとか失礼にもほどがあったから!!!」
ガシッと頭をつかまれたので慌てて弁解する。
「…よ」
ゴニョゴニョ、としてて聞き取れなかった。
「ん??なんて言った?」
「ありがとよっつったんだよボケが!!一回で聞き取れ!!!」
「声小さかったんだもん!!!どういたしまして!!!」
そうこうしてるとお茶子ちゃんが合流する。
「二人まだ始まっとらん?」
「うら…」
「見ねば」
「お、お茶子ちゃん、目大丈夫?」
腫れぼったい。
「目を潰されたのか!!!早くリカバリーガールのもとへ!!」
飯田くん、泣いてたって気付かないのか。笑ってしまう。
ちなみに今は左に常闇くん、右に爆豪くんが座ってる。
「行ったよ、コレはアレ。違う」
「違うのか!それはそうと悔しかったな…」
多分通じてないけど奇跡的に会話が成り立ってる。
「今は悔恨よりこの戦いを己の糧とすべきだ」
常闇くんがそう言う。黒影ちゃんはオレの太ももでスピスピ寝てるよ。可愛くて写真を撮ってある。
「うん、あの氷結デクくんどうするんだ…?」
「今回の体育祭 両者トップクラスの成績!!まさしく両雄並び立ち今!!
緑谷 対 轟!!
START!!!」
あの怪力スマッシュを好きに撃たせるのは危ないし、ここはきっと轟くんの氷結が来るだろう。
それを読んでいたのか、出久くんはデコピンのミニスマッシュで対抗している。
『おオオオ!!破ったあああ!!』
轟くんの一瞬で終わる戦いにどう対抗するんだろう、出久くん。指は10本しかないし…。
「ゲッ、始まってんじゃん!」
あ、切島くん。鉄哲徹鐡くんに腕相撲で先ほど勝利していた。
「お!切島二回戦人やったな!」
「そうよ、次おめーとだ爆豪!」
「ぶっ殺す」
「ハッハッハやってみな!」
なんて危ない会話…、敵かよ。
「…とか言っておめーも轟も強烈な範囲攻撃ポンポン出してくるからなー」
「ポンポンじゃねぇよナメんな」
「筋肉酷使すりゃ筋繊維が切れるし走りつづけりゃ息切れる
"個性"だって身体機能だ。奴にもなんらかの"限度"はあるハズだろ」
平気そうに出してるから怖いんだけどね、あなたたち…。
「…右手の指、全滅したかな?」
「コワッ!!!お前突然そういうこと呟くなよ!!!」
切島くんに怒られたけど誠に遺憾。
『轟、緑谷のパワーに怯むことなく近接へ!!』
階段状に作る氷の上を轟くんが歩き、出久くんがミニスマを撃つ。
上からやってくる轟くんを見て思う、判断力応用力機動力…自分の個性を活かしつつのその能力が強い。
小さい頃から鍛えられてたんだろうなあ、と思う。
さっきより高威力のスマッシュをくらいつつも後ろに氷の壁作って出ないようにしてる轟くん、冷静だ。
耳を最大にしてみよう、
「守って逃げるだけでボロボロじゃねえか。悪かったな、ありがとう緑谷。おかげで…奴の顔が曇った」
す、と視線を上にそらす轟くん。
「その両手じゃもう戦いにならねえだろ。終わりにしよう」
『圧倒的に攻め続けた轟!!止めの氷結をー…』
「どこ見てるんだ…!」
「!」
壊れた指で、再度スマッシュを撃つ出久くん。
「何でそこまで、「震えてるよ、轟くん」!」
「"個性"だって身体機能の一つだ君自身冷気に耐えられる限度があるんだろう…!?…で、それって左側の熱を使えば解決出来るもんなんじゃないのか……?
……っ!!皆…本気でやってる」
「出久くん、無理しすぎだ。骨が折れてる、」
「…こっから見えんのか?」
爆豪くんに発言を拾われる。
「折れる音が聞こえる」
「勝って…目標に近づく為に…っ、一番になる為に!半分の力で勝つ!?
まだ僕は君に、傷一つ付けられちゃいないぞ!全力でかかって来い!!!!」
彼の中の正義が、轟くんを救おうとしてるのだろう。
「何の…つもりだ。全力…?クソ親父に金でも握らされたか…?イラつくな………!」
「轟くんの…動きが鈍い。体凍ってきたのかも」
出久くんの言う通りなら、体に霜が降りてて動きが鈍くなってるのかもしれない。
モロに出久くんのスマッシュをくらった轟くん。たぶんオレだったら痛みで失神してると思う。超痛そう…
『モロだぁーーー!!!生々しいの入ったあ!!』
「氷の勢いも弱まってる」
確かに、スピードも勢いも。弱まってる。限度だ。
再度ミニスマを撃つ出久くん。もう握ってデコピンの動作すらできないのか口に引っ掛けてスマッシュを撃っていた。
「何でそこまで…」
「期待に応えたいんだ…!笑って応えられるようなかっこいい人に……なりたいんだ!だから全力で!やってんだ皆!」
ゴン!と頭突きをして轟くんを退かせる出久くん。
「君の境遇も、君の決心も僕なんかに計り知れるもんじゃない…でも……全力も出さないで一番になって完全否定だなんて、フザけるなって今は思ってる!」
「うるせえ…」
距離を詰める出久くん。
「だから…僕が勝つ!君を超えてっ!!」
スマッシュがもう一度モロに入る。
「親父をーーーーー…「君の!力じゃないか!!!」!!」
『戦闘に於いて熱は絶対使わねえ』
「熱の個性を使った…!!!」
熱がここでも届く。出久くん焼け焦げてるんじゃない?大丈夫?すごく暑いよここでも。
「勝ちてえくせに………ちくしょう……敵に塩送るなんてどっちがフザけてるって話だ…俺だってヒーローに…!!」
お互い笑いあってる2人。
「焦凍ォオオオ!!!」
いきなりの叫び声にびっくりする。耳いった、、、急いで戻す。
「やっと己を受け入れたか!!そうだ!!良いぞ!!ここからがお前の始まり!!俺の血をもって俺を超えて行き…俺の野望をお前が果たせ!!」
まるで一切反応しない轟くん、聞こえてないのかもしれない。やっぱりアレか、自分じゃ無理だから子供に夢を継がせようとしてるのか…。
「うーん、やっぱエンデヴァー苦手だな…」
バッ、と合図をしたように2人が攻撃を繰り出す。
轟くんは氷を、出久くんは全力のスマッシュを撃つつもりなのか、全身にスマッシュを撃つ前の模様が浮き出ている。
轟くん、親離れできたのかなあ。耳を最大にしてみる。
「緑谷、ありがとな」
「っ!!!」
足元にひかれた氷の上を熱が纏い、出久くんの攻撃もかさなりすごい爆風というか、衝撃が客席までくる。
『何今の…おまえのクラス何なの…』
『散々冷やされた空気が瞬間的に熱され膨張したんだ』
ぐう、相澤さん見えない!!!
『それでこの爆風でどんだけ高熱だよ!ったく何も見えねー
オイこれ勝負はどうなって…』
やっと煙がはれてきて様子が見える。壁に叩きつけられたのだろう。しかも高いところにずり落ちた跡が見える。
「出久くんっ!!!!」
「待て馬鹿!!!!」
爆豪くんに抑えられる。
「緑谷くん…場外。轟くん三回戦進出!!」
「ちょっと、離してよ!」
「まず座れボケ!!!殺すぞ!!」
「すぐ殺すって言わないで!最近マネしてる人いるから!!」
深刻な問題なのそれ!!!
「リカバリーガールがいるだろ、落ち着けこのクソチビ!!!!」
「え!?言っとくけどオレの方が1センチでかいからね!?」
「たった1センチでそんなドヤ顔してんじゃねえぞ!!!!」
チビって先に言ったのそっちでしょーが!!!
「待て待ておまえら、喧嘩すんなよ!」
(だって爆豪くんが!!!)
(まず、神代は治癒したらまるまる戻ってくるんだろ?)
(ゔ…はい)
(爆豪も、心配してるならしてるで身長の話とか持ちかけて喧嘩するなよ)
(…っせえよ)
(ごめんね、)
(うるせえ)
(…ごめんってばぁ、許してよぉ~!!!)
(だあぁ~!うるせえ!丸顔とかは行ったぞテメェも行ってこいよ!!!)
(爆豪くんありがとう!すぐ戻る!)
(おまえすぐ試合だろが)