Alien
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✳相澤消太
目の前のくましろの頭に顎を置く。静かだから寝たんだろうか、早いな。
昼休み駆け上がるように放送室に来て俺にはゆっくり時間取ってくれたが、自分の分は俺のゼリー並みの速さで掻き込み(喉に詰まらせて死にかけてたが)急いで出て行ったと思ったら、たいやきとのパフォーマンス。
峰田と上鳴の策略に騙され、また放送室に駆け込んできて嘘だと知りくじ引きのために急いで戻ってまた来た。
こいつ…じっとしてられねぇのか。
「…はっや!もう寝てんのかよ」
マイクが振り返りそう笑う。大人しいと思ったらやはり寝ていたか。
「今日どの生徒よりも動いてんじゃねーの?」
色々な意味で。とマイクが言う。確かにその通りかもしれない。寝かせて正解だった。
「じっとできねえんだよ…隠し事下手だし」
撫でてやれない両手を恨めしく思う。起きたらたいやき2人が優勝しろとうるさかったと伝えなきゃな…。
お昼のパフォーマンスを思い返す。
何をどうとっても俺に対してのものだろう。マイクもグルになってたようで、ひたすらニヤニヤしてこちらを見ていた。
これを企んでいたのか、と体育祭が近づくに連れ体が引き締まりソワソワしていたくましろを思い出す。
体が前から柔らかいと思っていたが、踊る姿を見て納得した。あの柔軟性はダンスで培ったもんだったか。
表現力といい、表情といい、いっぱしのモデルなんぞ蹴散らすようなパフォーマンスだった。午後の勝ち抜き戦の結果以前にマスコミが放っておかねえだろうな…と思う。
たいやきも話すとあんなんだが、素人目でも実力が高いのは伺えた。最初3人とも変装して始まった時はお昼時で人がまばらだったのに、昼休みに何かをするのがそもそも始めてなのもあってかくましろのソロが始まる頃には人がぎっしり戻ってきていたし拍手もすごかった。
家に帰ったら感想言ってやるか。考えてると眠気がやってくるので目を瞑る。
「おーい、イレイザー。そろそろレクリエーション終わるぜ」
間延びした声が少し遠くから聞こえてきた。椅子に座って話してるんだろう。
そろそろくましろを起こさないと…。
「…何分寝てた」
マイクに聞く。
「んー、大体50分とかそこらか?」
体が少し軽い。マイクがチャックを開けてくれたので起き上がる。
「くましろ、起きろ」
「……、」
家じゃないこともあり、すぐに反応が返ってくる。
早く起きそうだな今回は。
「そろそろ体起こして動かしとけ」
「ん、…」
俺を引っ張るようにして腹に顔を埋めてくる。グリグリと頭をこすりつけてくる。ネコみてえだ。
倒れそうになるのをなんとか堪える。その体制のまま二度寝しようとするので心を鬼にして起こす。
「………もうじかんですか、」
「そろそろだ。起きとけ」
「ふぁい…」
寝起きは静かだ。たまに不機嫌な時もあるから低血圧なんだろう。寝ぼけてるのと不機嫌なので蹴られたこともある。(泣いて謝られた)
(くぁ、よく寝た…)
(どこ行くんだ)
(せんめんじょ…)
(家じゃねえぞ)
(………あれ本当だ)
(大丈夫かお前)
(寝ぼけてました…)
(神代寝言で相澤のこと呼んでたぜ)
(相澤さんがはちゃめちゃに迷子になってる夢見てました)