Alien
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「さーてそれじゃあ早速第一種目行きましょう!」
やる気満々のミッドナイトが司会進行していく。
「雄英って何でも早速だね」
お茶子ちゃんがそう呟く。確かに…思い当たる節たくさんあるぞ…
「いわゆる予選よ!毎年ここで多くの者がティアドリンク!!さて運命の第一種目!!今年は………コレ!!!」
電光板には障害物競走の文字。
「計11クラスでの総当たりレースよ!
コースはこのスタジアムの外周約4km!我が校は自由さが売り文句!ウフフフ…コースさえ守れば何をしたって構わないわ!」
うーん、轟君なんとなく凍らしてきそう…足だけ温度上げとくか。
さらにそれに生じて爆豪くんが爆発とかしなきゃいいけど…テロでも起きた?って絵面になるよ。
「さあさあ位置につきまくりなさい…」
『スターーーーーーーート!!』
合図とともに周りの人たちの足元がカチコチになってる。
やっぱりね。
「ていうか解説ミイラマンって…イレイザーヘッド?!?」
オレの周りにいるカメラに向かっていうとスピーカーでゼンマイが返事してくれる。
『オーオー愛のある声援が聞こえてくるぜ!』
『集中しろ神代。怪我しても知らねえぞ』
ウソ、相澤さん見てくれてるの!??!めちゃくちゃ嬉しい!!
『何で後ろ向いてるのにあんな早いんだ…?さあ、始まってそうそう波乱の展開だ!
お茶の間の皆、目を離すなよな!』
仕事モードに入った2人の声を背に走り出す。
「うわ~!お久しぶりだ」
入試の時の仮想敵ロボたち。
『さぁいきなり障害物だ!!まずは手始め…第一関門 ロボ・インフェルノ!!』
丁度いい、この2週間鬼のように鍛えた無重力が使えそう!
轟君が凍らした敵が崩れ落ちる風力を使って一気に前に向かう。
『なんてこった!!1-A 轟の妨害を活かして、同じく1-Aの神代が躍り出た!!浮いてるぞ!!』
ゼンマイに手を振っとく。
『第一種目は障害物競走!!この特設スタジアムの外周を一周してゴールだぜ!!』
『おい』
あ、相澤さんの声!耳をダンボにする。
『ルールはコースアウトさえしなけりゃ何でもアリの残虐チキンレースだ!!各所に設置されたカメラロボが興奮をお届けするぜ!』
『俺いらないだろ』
「何言ってるんですか、要りますよ!!」
カメラを両手で捕まえてそう言うとため息交じりで相澤さんが返事をする。
『お前は前を見ろ、カメラ鷲掴むな高いんだから』
「ハーイ!!」
『オイオイ第一関門チョロいってよ!!んじゃ第二はどうさ!?落ちればアウト!!それが嫌なら這いずりな!!
ザ・フォーーール!!!』
「うわうわうわうわ無理!!!!」
鳥肌がブワァっと立つ。
『…おっと??現在5位以内に入る1-A神代が急に立ち止まった!!どうしたんだぁ!?』
『…高所恐怖症』
相澤さんの声が静かにマイクに響く。
『マジかよ!!意外な弱点!!!底も見えない穴のこのフォールをどう切り抜け…てアレ!?泣いてね!?』
「っ、ないてないから…、ちょっと見ないで!」
顔を覗き込むようにしてきたカメラを軽く叩きしっし、と追いやる。ガクガク震える足をなんとか動かし進む。なんとか上位に入らないと。
そうだよ、最悪重力操れるんだから。ヘーキヘーキ、落ち着いて。
いやまじ怖いこれ落ちたら生きて帰れるの?怖すぎまじで吐き気してきた、
「っぷ、」
『ストーップ!お茶の間に見せてはいけないものが放映されちまう、神代ストップだ!!頑張れ堪えろ!!!』
鬼かあの人。吐き気堪えるってどうやってだよ。
なんとか第二関門を越え、げっそりしながら向かったのはだだっ広い校庭のような場所。
『そして早くも最終関門!!かくしてその実態はーーー…
一面地雷原!!怒りのアフガンだ!!地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ!!目と脚酷使しろ!!
ちなみに地雷!威力は大したことねえが音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!』
地雷って…ダメージ2倍のオレは1発でも食らったら終わる。
わざと走るスピードを落とす。誰かの地雷の引っ掛かりをアテにしないと死んじまう、ただの体操服だし。
『ここで先頭が変わったーー!!喜べマスメディア!!お前ら好みの展開だああ!!』
おそらく爆豪くんだろう、隣をチラッと見ると飯田君。飯田君ごめんよ、ちょっと利用させてもらうね。
ボウンボウン!!!と地雷が爆発する風に任せて浮く。
よかった、無重力がいい感じに働いてる。
軌道修正しながら進んでいると、後ろでまさかの大爆発。え、うそ、10個くらい起動した音聞こえたんだけど!!?ていうかめちゃくちゃに加速しちゃったんだけど!?!??
着地の体制を整えるより前に、間髪入れずに出久君が後続妨害したおかげで前に居るオレももっと加速して飛ぶ。
せっかく体制や軌道整えたのにこれじゃなんの意味ない!!なるべく痛くない場所で受け身とれるようにしないと…
よし、今!
ドッ!!!!
「っぐぁっ!??」
いった!!!!これ絶対予定より痛くなってる!!!恨むぞ出久君…。
『イレイザーヘッドおまえのクラスすげえな!!どういう教育してんだ!』
『俺は何もしてねえよ、奴らが勝手に火ィ付け合ってんだろう』
その通りです…はい…。ハア、と呼吸を整えて立ち上がる。背中から着地したかったんだけど、最後不意の爆発があって肩から落ちてしまった。
浮くのは簡単になったけど、着地は下手くそだな〜…歩くのもやっとだ。
でも、なんとか2位になった。
『2位は同じく爆風を利用していた神代!!緑谷の大爆発には驚いた顔を見せて…っておい!大丈夫か!?』
ゴールとともに倒れこんだオレを見てゼンマイが立ち上がった音がした。ガタって聞こえた。
「もう、無茶して!!!でも大丈夫そうね…着地が痛かったんでしょ?」
ミッドナイトが駆け寄ってくる。
「はい、あとちょっと酔ってます、うぷ、」
「ちょちょ待って!!!ここで吐かないで!!!」
一旦保健室に連れて行かれる。リカバリーガールによって治癒してもらって元気になる。自分の治癒も使う。
「あ~出久君の爆発超びっくりした…うまく着地できなかったな…」
「予想外だね、いろいろと…おや」
ガチャとドアが開いて振り向いたことを後悔した。
なぜかって?蹴りが顔面に向かって飛んできたからだ。振り向かなければ後頭部だった。
「…っっ、!!!???!?」
もう痛すぎて声も出ない。酷い。こんなことするの三十路のあのオッサンしか居ない。
「…お前はもうすこし計画的にとかできねえのか?」
「見てたよね!?!??」
鼻血出たんだけど!?
「着地の時に自分の体止めるとかできただろーが」
「…浮きすぎて酔っちゃって、」
止まる余裕がなかった。
「…無駄な心配かけさせるんじゃねぇ、アホが。」
「心配してくれたんですか!?…超嬉しい…」
「高所恐怖症で泣きながら綱渡りする奴、見たことねえよ」
だから上げてから落とさないでってば何度も言ってるのに、すぐ落としてくる。
「頑張ったね、でよくないですか!?」
(次の種目始まるぞ)
(はーい)
(あとお前は前を見ろ、危なかっしい)
(だって相澤さんが公式で喋ってるからつい嬉しくて…)
(アホか……もう怪我すんなよ)
(はい!)
(何ヘラヘラしてんだ)
(嬉しくて!頑張ります!)
(うるせえし暑苦しいから離れろ)