Alien
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ついに体育祭本番がやってきた。
準備はしてきたつもりだし、サプライズもある。
…なんとなーーーく相澤さん気付いてそうなのが怖いけど。
『群がれマスメディア!今年もおまえらが大好きな高校生たちの青春暴れ馬…雄英体育祭が始まディエビバディアァユウレディ!!??』
「ゼンマイテンションたっかいなあ」
なんだよ始まディエビバディって。語呂良すぎかよ。
オレたちはいま控え室に詰められてる。高校生の体育祭に控え室あるのもすごい。
「皆準備は出来てるか!?もうじき入場だ!!」
飯田君の確認に誰も答えないの可哀想すぎたからオレが返事しとく。
「もう、くましろ君重いよ~」
「そんなこと言うともっと太っちゃうぞ~」
出久君にのしかかる。
「コスチューム着たかったなー」
「公平を期す為着用不可なんだよ」
尾白くんと芦戸さんの会話に深くうなづく。
オレなんて、ダメージ2倍だからね?コスチューム着て皆と同じになれるのに今回それ取り上げられたんだよ?不利にもほどがある。大丈夫かなあ今日。
「緑谷」
「轟くん……何?」
なんか深刻そうな顔してる。…あ、オレ離れたほうがいいのかな?後ろから出久くんに回していた手を解く。
「おまえも居ろ、神代。」
「あ、はい」
なんだろう?
「客観的に見ても、実力は俺のほうが上だと思う」
「へ!?うっ、うん…」
「おまえオールマイトに目ぇかけられてるよな。
別にそこ詮索するつもりはねえが…おまえには勝つぞ」
「おお!?クラス最強候補が宣戦布告!!?」
上鳴君が言う。この子は場を和ませるというか、悪く言うとちゃかす。
「急にケンカ腰でどうした!?直前にやめろって…」
切島君も止めようとしている。
見た目的に喧嘩しそうなツートップが止めに来るこのクラス、すごいと思う。
「仲良しごっこじゃねえんだ。何だって良いだろ」
「轟くんがなにを思って僕に勝つって言ってんのか…は、わかんないけど…
そりゃ君のほうが上だよ…。実力なんて、大半の人に敵わないと思う…客観的に見ても…」
自虐に聞こえるがこれは事実、そして事実として受け入れてること、それを自分で分かってるから出久君は強いんだ。
「緑谷もそーゆーネガティブな事言わねえ方が…」
「でも…!!皆…他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ。
僕だって…遅れを取るわけにはいかないんだ。僕も本気で獲りに行く!」
勝つって言わないところが出久君らしい。
「………おお」
「で、オレにもなんかあるの?」
出久君を撫で回しながら聞く。
「お前…ほんと空気壊すの得意だよな」
「上鳴くんそれちょっとどういうこと」
初耳なんですけど。上鳴くんに言われるの嫌なんだけど。
「…ああ、一度おまえに負けてるからな。今回は負けねえ、勝ち上がって来い。」
「…うん!あとできれば名字じゃなくて名前の方が良い」
切磋琢磨、だよね?これ。ちょっと嬉しくてニヤける。
分かった、と轟くんは頷いて満足そうだった。
「一年ステージ!生徒の入場だ!!」
「出久君待ってよ~」
「くましろ君、早く!B組だよそっち!」
あわわわわ、と走る。広すぎてまじで迷う、この建物。
退院してからやっと、顔の傷跡が治ってきた。左目も完全復活したから、治癒解禁してようやく。
雨の日は皮膚が突っ張ってちょっと痛かったから助かる。
健康体が1番、と痛感した。
『雄英体育祭!!ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!!
どうせてめーらアレだろ、こいつらだろ!!?
敵の襲撃を受けたのにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!
ヒーロー科!!1年!!!A組だろぉぉ!!?』
ゼンマイのテンションが行方不明だ。どこいった。大丈夫か?
ていうか会場もすごい。うおおお!!!!て言ってる。
「ねえ見てオールマイトの看板!」
「本当だ~、くましろ君緊張とかしないん?」
私もうバクバク~、とお茶子ちゃんに言われる。
してももう意味ないかなって…。
「めっちゃ持ち上げられてんな…なんか緊張すんな…!なァ爆豪!」
切島君がソワソワしてる。
分かる。オレもこのあと大役待ってるからソワソワしてる。
「しねえよただただアガるわ」
さすが…!プレッシャーには見るからに強そう。
「ねえねえ、スピーチ2人でやんでしょ?言う順番とかどーする?」
「今頃かよテメェ…適当でいいだろ」
適当なんだ…。
「じゃあ爆豪くん最初に言ってね、オレ多分噛むから!」
クラスが続々と続き整列する。
「あ、心操くん!おはよう!ゔっ!?お腹いた…」
「忙しいな、大丈夫かよ」
笑われる。ひどい、心配してよ。
「き、緊張で…この後大役待ってるし…噛まないように頑張らないと…」
お腹をさする。痛い。
「あぁ、選手宣誓だっけ?頑張れよ」
「!頑張る!!!」
「(なんつー単純さ…)」
なんかちょっと馬鹿にされてる気がするけど、流しておこう。
「あ~、ミッドナイトだ~!!」
「ハーイくましろちゃん!頑張ってね今日!」
ウインクされる。峰田君にすごい顔された。
ミッドナイト今日ムチ持ってる…気合い入ってるなあ。
「選手宣誓!!」
ミッドナイト主審だもんなぁ、頑張らないと。
「18禁なのに高校にいてもいいのか」
常闇君が呟く。
「そんなでもないよ?優しいし」
「いい。そして神代その話あとで詳しく話せ」
峰田君、ちょっと目が据わりすぎてて怖いんだけど。
「静かにしなさい!!選手宣誓!!
1-A 爆豪勝己!! 同じく1-A 神代くましろ!!」
「え~~かっちゃんとくましろくんなの!?」
出久君すごい驚いてる。
「聞いたぜ、くましろが練習で噛みまくって話にならないから急遽入れられたんだろ?」
瀬呂君何で知ってるの???泣きたい。しかも言いふらされた。もう帰りたい。
「せんせー」
ちょっと置いてかないでよ、と爆豪くんの隣に立つ。
「俺が一位になる」
「絶対やると思った!!」
「ぶっ、くっくっ…ふふふ、」
あまりに爆豪くんらしくて笑ってしまう。首根っこ掴まれてるけど。
選手宣誓の意味知ってるのか??
「調子のんなよA組オラァ!」
「なぜ品位を貶めるようなことをするんだ!!」
「ヘドロヤロー!!」
「トップ1人でいいだろーがよ!!」
「せめて跳ねの良い踏み台になってくれ」
親指で首を切る動作をする勝己。
「次、テメェだろ。さっさと言えよ、噛まねえうちに」
ポンと肩に手を置かれる。
爆豪くん、練習でさえまともに言えなかったオレの姿を知ってるからちょっと優しい。散々馬鹿にされたけど。
「う、あ、えーと…」
何でシーンとなるの!?!?やめて!?!!?ザワザワしてていいよ!?
「…じゃあオレも、一位になりまーす」
手をまっすぐ挙げて、そういうとまたブーイングが起きる。
「何?…負けに来てんの?」
ピタッとブーイングが止む。
「どんだけ自信過剰だよ!!この俺が潰したるわ!!」
さっきそんな声が聞こえた。
いやあ、自分のこと追い込んでるんだと思うけどなあ。
「正々堂々、全力出して戦うことを誓いまーす…えーと?」
「代表1-A 爆豪勝己」
ありがとう助かった!
「同じく1-A神代くましろ」
台を降りる。は〜緊張したあ〜
「助かったぁ、ありがとう~」
「言うだけだろ、礼言われるようなことでもねえ」
(めちゃくちゃ見られて緊張した…)
(さっきから峰田がすげえ悔しがってるよ)
(え?なんで??)
(お前が話した瞬間から後ろの客席がザワついてんだよ!)
(……なんで?それオレ関係ある?)
(か〜っ!!!これだからイケメンはよ!無自覚で腹立つ!)
(爆豪くんとオレ2人とも生意気なこと言ったからじゃないの?)
(それでいいよもう!何も気にするなお前は!)