Alien
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個性のせいで、たくさん人に野次られたり、いじめられたり、あることないこと言われたり、
心無いことを言われて傷ついてきた経験が同じようにある心操くんと意気投合した。
「ヒーロー科っつーだけで偉そうなのばっかかと思ってたけど、お前みたいなやつもいるんだな…。
確かに色眼鏡で見て偏見持ってた、悪かった」
「確かに巷ではヒーロー科に入学できただけでもステータスだろうしね…。まあ、入学しただけだから何もできないなって実感したけど。
爆豪くん、ただでさえ誤解されやすいとこあるし…。いい意味でも悪い意味でも、周りを気にしすぎないところあるから」
気にしすぎるオレは、羨ましいけどね。
「聞いてもいいか?…敵の襲撃のときの話」
頷く。
「うん…うまく話せるかな、なんかね…ただ怖かった。
自分たちって本当に弱いなって思ったし、オレはこのまま外に出されても誰も助けられないとも思った。
どう動けばいいか、何が正解だったのか今もわからない。
だってさ、自分が動いた方を優先するから、まるでもう片方を見捨ててるみたいになるし…」
うん、と相づちを打つ心操くん。
「オレは複数人クラスメートが固まってたし、皆良い個性でそれなりに対人演習でも動けてたから13号じゃなくて、一人で囮みたいになってくれてたイレイザーヘッドの方を支援しようと向かったんだ。
ほぼ同時に、2人とも深手を負ってさ。こんなに早くプロヒーローがやられちゃうんだって…
じゃあ敵と戦った経験なんかあるわけないオレたちが何ができんの?ここにいる全員が死ぬかもしれないって思って、ずっと怖かった」
怖がってばかりでヒーロー失格だね、と笑うと心操くんがそうか?と異論を唱える。
「そんだけ冷静に状況見てたんだろ。希望と現実の差で怯えてただけだろうし…」
「優しいんだね」
「意外か?」
「ちょっとね。初対面がアレだったから…」
アレって言うなとチョップされる。
「トップで入学したくせに自分ってこんなに足手まといで不甲斐ないなっていうことも痛感したし、プロヒーローってこんな毎日なのかってことも経験した。
確かに怖いけど、でも…見てるだけなのはもう2度と経験したくないなとも思えたからちょっと安心してる。
そこで逃げるような臆病なだけの夢見がちな奴で終わらなくて済むから。」
心操くんに向き合う。
「オレ、A組に心操くん来てほしいな。待ってる」
「やっぱ成績トップで入学した奴はちげーな…すぐ行くよ」
何それ、嫌味?と言うと褒めてる方だって言われた。
新しい友達、切磋琢磨できる友達ができた!とルンルンで帰れば、見たことないくらい機嫌が悪い相澤さん。どうしたんだろう。
「相澤さん、…どうしたんですか?」
「なんでもねェよ」
嘘つけ。フイ、と顔をそらされたので隣に座る。
「何かあったようにしか見えないですけど…オレじゃ解決できないことですか?」
「……子どもには関係ないことだ」
…今日は勘が鋭い。なんとなく分かった。オレに関することだな、コレ。聞かせたくないって優しさでこんな無愛想なんだろう。
「大丈夫ですよ、相澤さん。オレもう傷つかないから」
「……お前が平気でも、俺が嫌なことだってある」
右肩に顔を乗せてくる相澤さん。よしよしと頭を撫でる。
「ほんとに優しいですね、相澤さん。大好きです。…でも苦しまないで」
大丈夫だから、と続けると右肩の重みが増す。何言われたんだろう…敵襲撃で母さんとのことかな…。
どこまで教師の人たちに話いってるか分からないけど、3人の敵の死亡に関することだろうか。
まあ…仕方ないけど、母さんと似たようなことしたんだ。面白おかしく言われてもしょうがない。
「もっと優しく撫でろ」
「ふふ、は〜い」
笑うんじゃねえ、とお小言が飛んでくる。
(今日何食べたいですか?)
(いい…しばらくこうしてろ)
(え〜それはオレがお腹すきます)
(…じゃあ肉じゃが)
(わ、いいですねぇ〜いっぱい作りますね!)
(くましろ、……平気か?)
(はい、隣に相澤さんいるので平気ですよ)
(そうか)