Alien
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元気な皆を見て朝から泣いてしまったけど席につく。
「皆ーーー!!朝のHRが始まる席につけーー!!!」
「ついてるよ。ついてねーのおめーだけだ」
瀬呂くんの華麗すぎるツッコミにくつくつ笑う。
笑うと爆豪くんに頭を軽めに鷲掴みにされる。いつまで怒ってんのこの子。
せっかくおぶさって避難させようとしてくれたのに、断って結果大事になってたことに不満タラタラだった。
から、好意を無下にしてごめんねと謝っておいた。
相澤さん、無理するなって言ったのに無理に来るらしい。
全く…でもオレが治癒なんかしたら殺されかねないから、何もできないという歯がゆさもある。
それに「どう見たってお前のほうが重症だろうが」の一点張りだった。
顔だけ見たらそうかもしれないけど、相澤さん両手折られてるのに…。
チャイムと同時にボロボロの相澤さんが入ってくる。
「お早う」
「「「相澤先生復帰早えええ!!!!プロすぎる!!」」」
痛いはずなのに、そう病室でぶーたれてたらお前もだろ。と言われた。
「先生、無事だったのですね!!」
発言するのにいちいち手を挙手する飯田くん。いやもうその一言には要らないと思う。どんだけ真面目なんだ彼は。
「無事言うんかなぁアレ……」
「本当だよねお茶子ちゃん。」
「…神代、お前には言われたかねえぞ。で…俺の安否はどうでも良い。「いや絶対良くないから。先生そういうとこおバカだよね」誰に向かってバカって言ってやがる。…何よりまだ戦いは終わってねぇ」
ふーんだ。外見ててやる。
「戦い?」
「まさか…」
「まだ敵が~~!!?」
クラスの皆がざわめく。
「雄英体育祭が迫ってる!」
「「「クソ学校っぽいの来たあああ!!」」」
「待って待って!敵に侵入されたばっかなのに大丈夫なんですか!?」
もっともな声が上がる。まあ、でもあれ以来めちゃくちゃセキュリティはあがってる。
今朝も入口前にマスコミの応対用ではないくらいの教員が目を光らせていた。
「逆に開催することで雄英の危機管理体制が磐石だと示す…って考えらしい。
警備は例年の5倍に強化するそうだ。何より雄英の体育祭は……最大のチャンス。
敵ごときで中止していい催しじゃねえ」
チャンス…確かに。進路決まるようなもんだしね。
「ウチの体育祭は日本のビックイベントの一つ!
かつてはオリンピックがスポーツの祭典と呼ばれ全国が熱狂した。今は知っての通り規模も人口も縮小し形骸化した…
そして日本に於いて今「かつてのオリンピック」に代わるのが雄英体育祭だ!!」
おお、熱弁してる。相澤さんの方に向き直る。写真撮っとこ。ミイラみたい。
嫌味ったらしくネタにしてやろう。
「…当然名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値と話題性も高くなる。
時間は有限、プロに見込まれればその場で将来が拓けるわけだ
年に一回…計三回だけのチャンス。ヒーロー志すなら絶対に外せないイベントだ!
あとお前は写真を撮るな、バレてねぇつもりなのか。」
「やめてやめてやめてやめて!!!全財産!!!!」
「懲りないね〜アンタも」
耳郎ちゃんに笑われる。
「だって、この世で一番好きなヒーローが担任なんだよ?
多少は写真に収めたいじゃん!」
捕縛武器で取られてるから変なとこ押したのか、音楽が大音量でなる。
「も~何やってんスか!」
手が使えない相澤さんに代わり、音を止める。
「俺のせいか」
座学を済ませ、お昼に。
「あれ、くましろ君、お昼は?」
「あ、えと…携帯!返してもらおうと思って…適当に済ませちゃうから今日はいいや!」
出久くんに適当に答えておく。本当は、両手が使えない相澤さんの補助のため職員室に行く。
「デクくん、飯田くん、くましろ君…頑張ろうね体育祭」
「顔がアレだよ麗日さん!?」
出久君が思わずツッコむ。悪人ヅラみたいな顔してたのだ、あのお茶子ちゃんが。
「お金欲しいからヒーローに!?」
「へぇ、そうなんだ」
「究極的に言えば」
照れたように頭をかくお茶子ちゃん。
「なんかごめんね不純で…!!飯田くんとか立派な動機なのに私恥ずかしい」
「何故!?生活のために目標を掲げる事の何が立派じゃないんだ?」
動きが本当に面白い飯田くん。狙ってやってるわけじゃないし、さらに面白い。
「ぶっ、ふっふ、飯田君手の動き…あっはっはっ!!
ふぃ~、そうだよお茶子ちゃん。世の中にはお茶子ちゃんの10倍不純な動機でヒーローになってるゴミ野郎もいるよ、
それにお茶子ちゃんのその理由は決して不純ではないと思う」
「「「(ご、ゴミ野郎…)」」」
聞けばお茶子ちゃんの家は建設会社だけど、スカンピンらしく。だからヒーローになってお父さんお母さんを楽にさせたい、と力強い目で訴えるお茶子ちゃん。十分立派だ。
「…お茶子ちゃん、立派だね」
「ありがとう~、あ、そういえばくましろ君の動機聞いたことないや!良ければ教えてよ!」
「む、確かにそうだな…ちなみに俺は兄がカッコいいヒーローだから、憧れてヒーローになりたいと思ったんだ」
飯田くんらしい返答が返ってくる。
「うん、インゲニウムでしょ?かっこいいよね〜!…まあ相澤さんには勝てないけど?」
「なっ!!!」
くすくすと笑う。
「オレは…進路迷ってて、フラフラしてるときにたまたま相澤先生に「お前は絶対にヒーローになれる。俺が面倒見てやる」って言われたからなんだ。
…それまでは、ぶっちゃけ諦めてたんだ。散々言われてきたから、他の人に"お前はヒーローになれない"って。
信じて導いてくれる相澤先生のためにも…この間みたいな不甲斐ない気持ちを二度と味わいたくないし、誇れるようなヒーローになりたいって思ったんだ。一番弟子だしね」
ニカ、と笑う。
「「「(思った以上に忠犬だ…)」」」
(そうなんだ、相澤先生に…)
(うん、でもその時はイレイザーヘッドって知らなくて。
なんでこんな親身に面倒見てくれるんだろう?って思ってはいた)
(だから個性把握テストで泣き崩れてたんだ!)
(動機は実は飯田くんと似たようなもんなんだよね。)