Alien
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2日間、プロの医者に任せたほうがいいとのことで治癒禁止令が出されて本ッッッッ当に不便だった。
体力はあるからリカバリーガールにも治してもらって、日曜のお昼ごろに包帯を軽く取ってみた。
なんか、スースーする…。
相澤さんやリカバリーガールが息を呑む様子が丸わかりで、なんかこちらまで緊張してしまう。
「待って、そんなに?目開けるの怖いんですけど、」
「あ〜アレだ。ブラックジャックみたいになってるからびっくりしただけだ」
相澤さんにそう言われるも、塚内さんとかも黙ってるからこの病室の空気が張り詰めすぎて怖い。
ナースさんから手鏡を渡され、とりあえず右目から開ける。
「う、わ…」
ブラックジャック、なるほど…。言い得て妙だ…。
肌の色に違いはないけど、両目の周りと左上の額、右下の頬に傷跡がすごい。
ナースさんによれば傷跡よりも目の動きが大事らしくて、上下左右にぐるぐる動かしたり、簡易的な視力検査と落果物を止めて見て個性が今まで通り私用できるかをテストした。
視力はマックスの2.0から落ちて両目1.5だけど、万々歳。動かしづらさもないし、前と同じ見え方をしている。個性も問題ない。
長時間の使用は今はちょっとわからないけど。
「良かった…!目立つ後遺症なさそうですよ!」
本当に嬉しそうに言うナースさん。
「傷跡も徐々に治っていきますから…よかった…」
お医者さんもホッとしてる。そんなひどかったんだ…。
「眼球まわりの骨は粉々で陥没してるし、眼球の形自体も歪で神経も上手く繋がってなくて、
ほんとに…運ばれた当初は摘出が必要じゃないかと思うくらい状態が悪かったので…ここまで回復してよかったです。我々も安心です。」
相澤さんがお医者さんに深々と頭を下げてて、オレも慌てて下げる。
左目の状態はまだ安定してないらしく、酷使しないようにとのことで眼帯を渡された。
片目が視えなくなるだけでこんなに距離感が掴めないのか、と痛感するくらいには食べ物こぼすし人にぶつかる。思ったより近い。
「相澤さんの、目は?」
相澤さんにも目に傷跡が残っており、めちゃくちゃ痛そう…と呟いたら鏡見てこいと怒られた。
「個性は使える。目も見える。平気だ」
相澤さんがそう言ったところで塚内さんが隠すのは良くないですよ、と遮って教えてくれた。
インターバルが短くなってしまったそうだ。
「う、相澤さんの…大事な目が…」
「失明したみたいなテンションで泣くなよ…短くなっただけだし、よっぽどお前のほうが重症だろうが」
ため息つかれた。ひどい。
「どこぞの誰かが一回治癒したタイミングが良かったみたいでな。
…俺はお前に傷を残しちまったことのほうが心苦しいよ」
「待ってめっちゃカッコいい……」
話聞いてんのかとデコピンされた。相澤さんのデコピンマジで痛いんだよ。まず音からえげつないの。
「そっか、うん、個性使えるんですもんね。うん、いいんだよね…うん…」
頑張って良い方に捉える。元がネガティブ思考だから、どうしてもいいように捉えるのが難しい。
「ふふ、相澤くんに言われたことを早速実践してるんだね。
ここまで素直でいい子だと、面倒見良くなるのも分かりますね?」
塚内さんがからかうように相澤さんに笑みを向ける。
オールマイトにもゼンマイにも言われたけど、相澤さんがここまで面倒を見てくれるのは本当に珍しいことなんだな、と 胸がじんわりあったかくなっていく。
「からかわないでくださいよ…。手がかかって大変なんですから」
「それはほんとにすみません…お揃いですね!それだけは嬉しいです」
傷で喜ぶな、とまたデコピン喰らった。いいように考えたのに!!
月曜日、眼帯をつけたまま学校へ登校。ドアを開けるとめちゃくちゃ囲まれてびっくりした。
「くましろくん!…わ、無事でよかった…!」
お茶子ちゃんが泣き出してしまって慌ててしまう。
「お茶子ちゃん、な、泣かないで…」
「お前も泣いてんだろうが!」
切島くんに笑われる。
「くましろくん、この数日LINE全然返ってこないから…心配だったよ」
出久くんの顔を見てもっと涙腺が緩んでしまう。
「うん…」
「ここまでしおらしいと調子狂うな〜元気出せよ!皆無事なんだし」
上鳴くんに背中を軽めに叩かれる。いい子が多くて涙腺が緩む。
(蛙吹さんも、峰田くんも…飯田くんも!ごめんね、心配かけたしトラウマ級の怪我を見せちゃって…)
(もうあんな思いさせないし、したくないから今日は無理言って登校してきた)
(ケロ、無事で本当に何よりよ。…でも怪我を見たとき、ぶっちゃけもうダメかと思ったの)
(神代も先生もぐったりしてるし、目元は潰れてるしよォ!オイラはマジでこの世の終わりかと思ったぜ!!!)
(傷跡は酷いが…あの状態からここまで回復できたのは奇跡に近いな!心配したぞ、くましろくん!)