Alien
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✳相澤消太
目が覚めてまずクラス全員生きてるということ、緑谷とくましろが無茶のしすぎでケガしたこと、それ以外はケガ人もなく無事なこと、敵はオールマイトにより逃げたことなどを聞かされた。
「それと、その目。…あの子が治癒で丸々代わってくれたおかげか後遺症が軽くなっているね」
病院の担当医から告げられて、呼吸が止まる。
「…くましろにも後遺症がある、ということですか?」
「…現時点では分からないが、もしかしたらその可能性もある。
そもそも、君の目の治癒以降敵に何度も目を殴られていたようで…他の生徒の表現だと目が潰れていた時間があった、と。
あの子自身の治癒で最後の方は元通りになっていたようだが、ここで詳しく検査したら治し方が無理矢理で雑すぎで…何度も殴られてる眼球まわりの骨はぼろぼろだし、治ったとはいえ眼球が一度潰れてる。前のように機能するかは治ってからじゃないと分からないんだ。」
塚内さんが至極言いづらそうに、単語を選んで伝えてくれる。
眼球が潰れたとなれば、それを元通りに修復するなんぞ八百万のように神経に至るまでの構造を知っていないとできない芸当だ。そこまで詳しく、知っているとは思えない。
『本命は俺じゃない…。?…なんで動かないんだ?』
あそこで退けば生徒に標的がいくと踏んで仕掛けに行ったのが間違いだった。
恐らく残党に攻撃を仕掛けられたくましろの集中力が途切れ見えない速さで上を取られた。
その後くましろが俺を「殺さないで」と泣きながら訴え、死柄木に敵側に来ないと殺すと脅されていた。
すぐに決断できないバカに寝返るなと忠告したあと、目が覚めたように脳無とか言った野郎と死柄木を止め、力の制御を"止めず"に殴り飛ばし、
俺を助けようとしたが脳無の早さが上回り、吹き飛ばされたこと。
突然目の痛みが軽くなったこと。
……そこら辺までは、記憶がある。
見舞いに来たオールマイトに事細かに聞き出す。1番知ってるのは緑谷らしい。緑谷に電話して聞き出す。
「まるで尋問だね…」とオールマイトには言われた。
「意識が、戻ったそうだ」
塚内さんに言われ、病室を飛び出す。
ガラッ!
「…ん、誰、すか?」
「おま、え…」
「…?なんか言いました?」
目のところを重点的に包帯が巻かれてる。足も、手も、
「……っの、大バカ野郎!」
渾身の回し蹴りをお見舞いする。腕の骨はくっついていると聞いたので、もちろん肩に当たるように。
「っっぐぁああ!?!?え……何!?相澤さん!?起きたの!?」
「少しゆすられたくらいで揺らいでんじゃねえ!」
「、でも、」
「でももクソもあるか、あのとき俺の意識がなかったらお前ここにいたと断言できるのか?」
顎を掴んで上を向かせる。
「切り札の脳無を出してくる前に止めたら、ちょうど、13号もやられたんです…」
声が震えている。また泣いてんのか。
「まだ、飯田くんが助けを呼ぶ全然前で、13号も、相澤さんもいなくなっちゃうって…
相澤さんの上にいる脳無動かす方法全然、思いつかなくて、ほんとに死んじゃうかもって…怖かったんです」
「あのあとなんて答えたんだ」
「行かないって言いました、…相澤さん殺すならオレも今ここで死ぬからって」
心中するつもりか?馬鹿が。
「で、ご丁寧に自分の弱点明かして目を潰されてオシマイか?」
「あ、相澤さん…」
塚内さんが止めようと入ってくるが制する。
「オールマイトさんの見ただろ。…あの人も俺も、お前も。いつかは死ぬんだよ
ましてやヒーロー職なんて寿命が短いと考えたほうがいい。
あそこに一般人がいたらお前はどうするつもりだった?ピーピー泣いて敵に許しを請うのか?」
「……」
常に死と隣り合わせの職業っつーのは、奇しくも今回の奇襲で痛いほど分かっただろう。
現場慣れしてない自分たちが、どれほど役に立たないのかも。普段相手にしている敵が、どれだけ無慈悲かも。
「すみませんでした…」
「分かればいい、二度とあんな暴走するな。そんで…迷うな」
「…はい、」
泣くな、と包帯から滲み流れてくる涙を拭ってやる。
「緑谷も浅はかだが、お前も浅はかだ。完全にお前らの弱点をあいつは理解しただろ」
「でも、いいです。」
「…あ?何がだ?」
「バレたところで、オレが相澤さんを守りますから。
出久くんも、そう言うと思います。」
包帯があって表情は見えないが、母親そっくりの覚悟を決めた顔で言い切るくましろに目を見開く。
「……ハッ、殺さないで、お願いって泣いてたくせによく言う」
「…自分がどれだけ弱いかなんて、分かってます。相澤さんのことも、出久くんたちが攻撃されそうなときも、見てるだけで精一杯だったので…
もう二度と、あんな思いしたくない」
こんなことで心が折れたらと思ったが、杞憂だったようだ。
「そうだな。…まあ、あのときお前が目を潰されながらも治癒してくれたおかげで蛙吹は助かった。そこだけは褒めてやろう」
「…ていうか、目…オレ最後普通に見えてたんですけど、なんでこんな重装備なんですか?」
今更かよ、とベッドに腰掛ける。
(飯田くんが深刻そうな感じだったのって、それで…)
(治癒のために今後人体の構造しっかり勉強するぞ)
(はい…相澤さん、目大丈夫ですか?)
(誰かさんのおかげでな。その代わり心労がひどい)
(すみません…ひたすら…重ね重ねすみません…)