Alien
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脳無と殴り合いを真正面から始めたオールマイト。
その覇気のようなものにびっくりしたのか弔は一旦退いた。
「"ショック吸収"って…さっき自分で言ってたじゃんか」
「そうだな!」
ドドドド!!!と見えないスピードで殴り合いが始まる。
「"無効"ではなく"吸収"ならば!!限度があるんじゃないか!?
私対策!?私の100%を超えるなら!!さらに上からねじふせよう!!!」
「…血、吐いてる…無茶しすぎだ、」
殴り合いをしながら口から血が出てる。相澤さんも体調が良くないって言ってたし、弔の言う通り“弱っている”ことは事実なんだろう。
「ヒーローとは常にピンチをぶち壊していくもの!」
ゾワッと鳥肌が立つ。
「敵よ こんな言葉を知ってるか!!?」
Plus Ultra!!
天井に向かって大きく殴り飛ばされた脳無。
倒した、100%をねじふせた。
欲しかった言葉、欲しかった光景が目の前にある。
「……漫画かよ。ショック吸収をないことにしちまった…究極の脳筋だぜ。
デタラメな力だ…再生も間に合わねえ程のラッシュってことか…」
これが、トップ…。
世界最強のヒーロー、オールマイト…
「やはり衰えた…全盛期なら5発も撃てば充分だったろうに、
300発以上も撃ってしまった」
安心感で涙が出そうだった。
オレがなりたいヒーローは、こうなんだ。
「さてと敵、お互い早めに決着つけたいね」
「チートが…!」
なんか、オールマイトの周り…土埃ではない煙が充満してる…?なんだ…?
出久くんがさっきうっかり漏らした時間がないに関係するのか?
「衰えた?嘘だろ…完全に気圧されたよ。よくも俺の脳無を…チートがぁ…!
全っ然弱ってないじゃないか!!あいつ…俺に嘘教えたのか!?」
あいつ?バックに誰かいる…?学校に忍び込んだり今回の奇襲を企てたり、手を引いてる誰か…さっきのお父さんってやつか?
「どうした?来ないのかな!?クリアとかなんとか言ってたが…
出来るものならしてみろよ!!」
ギロッとオールマイトが弔たちを睨む。
「うぅうぉおおぉおおぉおおぉお…!!」
「さすがだ…俺たちの出る幕じゃねえみたいだな…」
「おい、おぶされ」
「え!?爆豪くん!?」
「緑谷!ここは退いたほうがいいぜ、もう却って人質にされたらヤベェし…」
切島君がもっともなことを言う。だけど、何か違う。危ない気がする。
「…まだ、ここにいた方がいい。弔は子供だけど、…黒霧って方は違う。見てた限り指示を与えたり提案したりしてる、まだ何かしてくるかもしれない。」
オレが言うとしゃがんでくれてた爆豪くんがめちゃくちゃ舌打ちしてきた。誠心誠意謝っとく。
「脳無さえいれば!!奴なら!!何も感じず立ち向かえるのに…!!」
ガリガリと首を掻く弔。癖みたいだな。
「死柄木弔… 落ち着いて下さい。よく見れば脳無に受けたダメージは確実に表れている。
どうやら子どもたちは棒立ちの様子…」
「ほら、オレ達のこと今話してる」
「いや聞こえねーよ!!!!」
「あ、そっか」
一応オレたちと、脳無との戦いで摩耗したオールマイトを狙ってる、今回のそもそもの狙いはオールマイトだと皆に伝えると皆が構え始める。
「死柄木と私で連携すればまだヤレるチャンスは充分にあるかと…」
「………うん…うんうん…そうだな…そうだよ…そうだ…やるっきゃないぜ…目の前にラスボスがいるんだもの…」
速さの能力最大限に、きっと出久くんは飛び込むに決まってる。だったらオレも、体も視力も回復したからオールマイトを助ける為飛び込む。
距離的に考えて黒霧のワープを使ってくるだろう、ワープの中から手だけ出すということも彼の能力なら出来る。
ならそれを止める!
「オールマイトから離れろ!!!」
「二度目はありませんよ!!」
パシッ
「捕まえた」
弔の手首を掴む。何度も同じ戦略には合わないよ。
「くましろ、」
なんでちょっと嬉しそうなの。
ズドッ
「!!!!」
銃弾!?掴んでいた弔の手に銃弾が当たる。
「来たか!!」
「ごめんよ皆 遅くなったね」
来たって、もしかして…?
「すぐ動ける者をかき集めて来た」
振り返ると先生たちがたくさんいる。頼もしすぎて涙が浮かぶ。
「こっちへ来い、くましろ」
振り返ってる間にもう片方の手を出してきた弔の両手にズズッと呑み込まれかける。
オレの体を出久君が引っ張ってくれてるけど、正直どこからそんなパワーを出してるのか?と聞きたいくらい弔の力が強い。片方の手は弾丸入ってるのに…ダメージ2倍じゃないとそんなもんなんだろうか。
「手を離して出久君!ついてくんな!」
「嫌だよ!くましろ君は渡さない!!」
また泣きそうになってしまう。
「1-A クラス委員長 飯田天哉!!ただいま戻りました!!!」
オレの安否を確認してくれたあと、姿がなかった飯田くん。
他のヒーローを呼びに行ってくれたのかな、重ね重ねお礼を言わないと。
そんなこと言ってる場合じゃない、ってくらい引っ張られる。これ、もしかして靄の引力とかもあるのか?
左側の半身がもう飲み込まれかけてて、本当に出久くんまで危ない。
「…まずい本当にのみこまれる、出久君、手、「離すもんか!連れてかせないよ!!」」
イケメンすぎてつらいよちょっと。
オレらが居るのに容赦なく後ろから撃ってくる。いや、腕に自信と技術あるって言われても背後から銃弾飛んできてみ?怒りたくなるからね?
「死柄木…彼らを離さないと危ないです、今回は諦めましょう」
「ぐっ!!!」
銃弾の雨に手を離す弔。反動で出久くんにのしかかる。
オールマイト、煙が出てるときから一歩も動いてない。盾になるように前に出る。
「今回は失敗だったけど…今度は殺すぞ。平和の象徴 オールマイト。
…次こそ連れて帰るからね、くましろ。」
行かないよ、って意思を込めて首を横に振る。霧の出入り口が完全に閉じたのを確認して、座り込む。
「………何も出来なかった……」
出久君がそう呟く。安心感と、すごい疲労感で睡眠薬でも飲んだかのような眠気が襲ってくる。もう体が動かない。
「そんなことはないさ。あの数秒がなければ私はやられていた…!
また救けられちゃったな」
蒸気と共に、オールマイトの体が小さくなっていくのが見える。
「…オールマイト…そうか、相澤さんが言ってたの、そゆこ…と…」
そういうことなんだ、って伝えてる途中で意識が飛ぶ。
「くましろ君!?しっかりして!」
(どどどどどうしようオールマイト!!!!)
(おおおお落ち着くんだ緑谷少年!!!!)
(2人ともまずは落ち着いて下さい。)
(セメントス!壁をありがとう、)
(これはまたボロボロですね…3人とも)