Alien
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ようやく体が回復してきた。ぼんやり明るい視界がになって、滲んだ程度になってきてだんだんクリアになってきた。 もしかしてさっき顔面ぐちゃぐちゃだった?と飯田くんに聞くと、言いづらそうにそれに近しい感じだったって言われた。
「トラウマになっちゃうね……ごめん」
「いや、いいさ。生きていることが一番だ。それに君の治癒で元に戻ってよかった!」
確かに、そうだね。
プロヒーローが来る前に、生徒を少しでも殺そうとしてくる弔たちとの攻防で出久くんが飛び出していった。
黒霧という男の餌食にならないように抱き寄せると、爆豪くんが横から元気よくやってくる。
「どっけ邪魔だ!!デク!!」
爆豪くんが抑え込んだ隙に、切島くんが黒霧の体を上からさらに押さえつけ轟くんが氷で出入り口を塞ぐ。
やっぱり実体があったか…。
「くっそ!!!いいとこねー!!」
「スカしてんじゃねえぞ モヤモブが!!」
「平和の象徴はてめェら如きに殺られねえよ」
「くましろ君!!…かっちゃん…!皆…!!!」
「出入り口を押さえられた…こりゃあ…ピンチだなあ…」
全くピンチと思ってなさそうな弔の声がする。
「このウッカリヤローめ!やっぱ思った通りだ!
モヤ状のワープゲートになれる箇所は限られてる!そのモヤゲートで実態部分を覆ってたんだろ!?そうだろ!?」
「やっぱりか…」
「全身モヤの物理無効人生なら「危ない」っつー発想は出ねぇもんなあ!!!
っと動くな!!「怪しい動きをした」と、俺が判断したらすぐ爆破する!!」
めちゃくちゃ悪い顔して凄む爆豪くん。
「「ヒーローらしからぬ言動…」」
「ああ!?くましろその成りでよく言えるな!ああ!?」
「悪かったって。なんとか目治ったし…」
「脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入り口の奪還だ」
凍られた体が崩れようと動く脳無。痛みを感じないんだろうか?感情がない…、とか?
体から痛みを奪うな、と言っていた相澤さんを思い出す。
「皆下がれ!なんだ!?ショック吸収の"個性"じゃないのか!?」
「別にそれだけとは言ってないだろう
これは"超再生"だな」
それ「だけ」…?
こんな大きい図体で早く動けること、見た目通りの超筋力、オールマイトのパンチを食らっても怯まないことに加えて、超再生…
「もしかしてこれ…いくつかの人間を…?」
「そうだよ。くましろは賢いね。脳無はお前の100%にも耐えられるように改造された超高性能サンドバッグ人間さ」
「なんてこと…」
ゾッと寒気がする。つまり…何人かを掛け合わせたキメラだ。爆豪くんを狙う脳無を止めようと集中する。
少し遅くはなったけど、まったく個性が使えてる感覚がしない。もしかして治癒の段階で体を酷使しすぎた…?
治癒の個性の制限を止めずに倍速なんてしたから…?
ドゴォン!!!!と爆豪くんがいた場所が殴られる。すごい音と衝撃したけど、平気?
「かっちゃん!!!/爆豪くん!!」
「かっちゃん!!?」
なんと出久くんの隣にいた。よかった…
「避っ避けたの!?すごい…!」
「違えよ、黙れカス」
「よかった、怪我なくて…」
「どう見てもお前の顔のほうが酷ェだろうが、こっち来とけや」
正論を言われ、隣へ移動する。そんなにやばいかな…元通りとまで思ってたんだけど…。
「オールマイトが盾になってくれたんだ」
「加減を知らんのか…」
「仲間を救ける為さ しかたないだろ?さっきだってホラそこの…あー……地味なやつ。あいつが俺に思いっ切り殴りかかろうとしたぜ?
他が為に振るう暴力は美談になるんだ。そうだろ?ヒーロー」
出久くんを指差し弔は言う。
「俺はなオールマイト!怒ってるんだ!同じ暴力がヒーローと敵でカテゴライズされ善し悪しが決まるこの世の中に!!
何が平和の象徴!!所詮、抑圧の為の暴力装置だおまえは!暴力は暴力しか生まないのだとおまえを殺すことで世に知らしめるのさ!
なあ、くましろ?」
「なんでオレに同意を求めるんだよ…弔、そっちへは「連れて行くんだよ、くましろ」…行かないよ」
絶対に。
「めちゃくちゃだな。そういう思想犯の眼は静かに燃ゆるもの。
自分が楽しみたいだけだろ、嘘吐きめ」
「バレるの早…」
「嘘が下手なんだよ」
「3対6だ」
「モヤの弱点はかっちゃんが暴いた…!!」
「とんでもねえ奴らだが、俺らでオールマイトのサポートすりゃ…撃退できる!!」
「だめだ!!!逃げなさい」
制止するオールマイト。先生とはしては正しい選択だ、でも。
「……さっきのは俺がサポート入らなきゃやばかったでしょう」
轟くんがそう言う。正論です。
「オールマイト血……それに時間だってないはずじゃ…!!あ…」
こら出久くん!身内の弱みを言っちゃダメだよ!
「それはそれだ轟少年!!ありがとな!!
しかし大丈夫!!プロの本気を見ていなさい!!」
「脳無、黒霧やれ。俺は子どもをあしらう…あと、くましろ」
オレはついでか?
「クリアして帰ろう!」
(平和の象徴なのだから!!)
(そんな声が聞こえた気がした)
(感じたことない覇気のようなものが体を覆った)
(オールマイト、やっぱすごい…)