Alien
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「…くましろ…泣いてるの?」
「…触んないで」
睨みつける。
「…コイツ、くましろの好きな人なの?」
「だったら何…?帰って、弔。皆を傷つけないで」
まだゴロツキも何人かいる、弔の背後には出久くん、蛙吹さん、峰田くんが隠れるようにこちらを見ている。
「くましろが俺のとこに来てくれるなら何もしないで帰ってあげる。今日…オールマイトいないし…。
ただ、来ないならイレイザーヘッドはここで殺す」
左手を掴まれる。
「は…?」
「くましろくん、ダメだ!行っちゃダメだよ!」
出久くんが叫ぶ。バレちまうだろ!と怖がる峰田くんの声も聞こえた。
ごめん、ここからでもしっかり見えてるからバレてるとは思うよ…!
「早く答えて、俺待たされるの嫌いなんだよね」
チラ、と弔が目配せするとまた相澤さんの腕を折ったのか、
相澤さんの悲鳴と痛そうな音が響く。そんな、小枝を折るように…。このままじゃ相澤さんどころかオレらも数分足らずで全身ボキボキにされる。こんなに体格差あるからあっという間だろう。
「待ってよ、」
「死んじゃってもいいの…?オールマイト専用の脳無のパワーすごいから、ただでさえ細いイレイザーなんてすぐ死んじゃうよ?…やれ脳無」
「……寝返んなよ」
相澤さんの声が聞こえて体が勝手に動く。
脳無の異様さにビビって距離があるゴロツキは3人に任せるとして、
弔と脳無の動きを止める。
「へぇ、これがくましろの"個性"か…」
俺の捕縛武器を相澤さんに巻き付け、力を最大限に。
オールマイトの力を超える力を右手に止めずに放出…。イメージしっかりしろ、
ドシュッと重たい音が響く。
脳無の体が浮き、相澤さんから離れるので捕縛武器を手繰り寄せて左手で相澤さんを抱えようとするよりも早く、脳無に吹き飛ばされる。
こいつ、超人的なパワーの個性も持ってるだろうに、光速かなんかも持ってんのか!?
右手の感覚がなくて焦ったけど、見たら一応ついてた。よかった、相澤さんに多分怒られずに済む。
「くましろ君!」
「おま、腕、腕がっ!!」
出久くんと峰田くんの声が少し遠い。
3人も脳無と近いから、気がかりではある。
「~~~~っ!ぁあぁあ!!!!」
気絶しそうなくらい痛いけど、どうにか顔を動かして相澤さんを確認する。
「そんなにイレイザーヘッドが大事?」
早すぎて奪還できなかった。相澤さんを見ると、まだ、呼吸はある、生きてる。
脳無の下に下敷きになっている。
「くましろ、おいで。殺したくないんでしょ?」
弔が上に馬乗りになってくる。手は首元にある。
どんな脅し方だよ。
「…死んでほしくないよ…けど、そっちには行けない。あの人が死ぬなら、オレも今ここで一緒に死ぬ」
死んでほしくないに決まってる。ずっと暗くて悲しい人生の中で、初めて出会った光のような人だから。
でもここでオレが弔についていったら、優しい相澤さんはオレを責めはせず止められなかった自分を一生責めて生きていくと思う。
そんな思いはさせたくない。
「死柄木 弔」
そうこうしてると靄がやってくる。
「黒霧、13号はやったのか」
黒霧っていうのか。
「行動不能には出来たものの散らし損ねた生徒がおりまして……
一名逃げられました」
…誰か、助けを呼びに行ってくれたんだ。
じゃあ、もう大丈夫だ。ぶっつけ本番の止めずに治癒を倍速で進め、骨がくっついてきた感覚がある。
動けるようになったので、相澤さんの目の治療を開始。倍速だから早く治るといいけど…
「………は?
はーーー…。はあーーーー。黒霧おまえ……おまえがワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ……
さすがに何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだ、ああ…
今回はゲームオーバーだ
くましろは手に入れたし…帰ろっか」
だから同意してないっつの。
自分の右腕の治療にに比べたら痛くはないけど…、やっぱり痛い。無理。死ぬ。声にならない。
「けどもその前に、」
ふわ、と体の上から重みが消える。
「3人とも逃げろ!来るぞ!!!!」
「平和の象徴としての矜持を少しでも
へし折って帰ろう!」
蛙吹さんに向かった弔を止めようとするけど、相澤さんの怪我返って来ててマトモに見えない。
ぴた、と弔の動きが止まる。
「……本っ当かっこいいぜ、イレイザーヘッド」
脳無の下敷きになりながらも末梢個性を発動してくれたおかげで助かった。
出久くんが弔に殴りかかるが脳無が盾になる。
本当に早い……まるでオールマイトだ。
止めないと、と使い物にならない目をなんとか細めて止めようとしていると、弔にくみ敷かれている。
「!離せ弔、殺すぞ」
「…口が悪くなったねくましろ、あれ…?あぁ…イレイザーヘッドの目、治したのくましろなんだ。
へえ、素敵な個性だね。回復役いないし助かるよ。もう一個の個性は?何?」
やっと見えるようになってきた目を殴られ、手のひらに別の痛みが生じる。
相澤先生が肘に受けてたやつだ、皮膚がぼろぼろになってたし、マスコミが学園に侵入した日のセキュリティゲートが崩れ落ちていた個性、弔だったのか。
「っ、いた、…!!」
いろんなところが激痛で意識を飛ばしてしまいそうだけど、ダメージ2倍は悟られないようにしないと。
「一緒に帰ろう。約束通り、イレイザーヘッドは殺さないであげる」
(おおぉ、オイ!!神代を離せよぉ!!!)
(てか神代!お前ぐったりしてるけど生きてるよなあ!??!)
(なんとか…ありがと峰田くん…)