Alien
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マスコミの襲撃?侵入事件から翌日。
あのあと本当に大変だった…どうしても遅れたくなくて、授業受ける!ってリカバリーガールに早めに戻るね、って伝えた瞬間に様子見に来た相澤さんと鉢合わせ。
むしろいいことのはずなのにめちゃくちゃ怒られた。
『だって、遅れたくなくて…』
高校だからひとコマ60分近く。1回休んだだけで次からわからなくなるくらい進むだろうし…
『ヒーロー基礎学なくて座学だけの授業でどう遅れんだ』
『うわ、地で頭いいのさらっと匂わせてくる…』
『お前もだろうが学年1位…なんか分かんねえ科目でもあんのか』
『主に数学…』
『帰ったら俺が教えてやるから、今は寝ろ。いいな?』
有無を言わせずベッドに投げ戻されて、リカバリーガールは大笑いしてた。
「今日のヒーロー基礎学だが…」
うんもうチャイムと同時に始まるのさすがすぎる。
キーンコーンのキの部分で話し始めてるから。時間に厳密すぎる。
「俺とオールマイト、そしてもう一人の3人体制で見ることになった」
なった…特例なのかなあ。まあいいや、相澤さん居るし。楽しみ!
「ハーイ!なにするんですか!?」
瀬呂くんが言う。一応声と顔と名前が合致してきた。
人見知りな部分あるから話しかけには行けてないけど、きっと尾白くんみたいに大半はいい人のはず。
尾白くんとか常闇くんとかはあれ以来仲良し。よくLINEしてるし変顔送ったりしてる。(女子高生かって言われた。相澤さんに。)
「災害水難なんでもござれ、人命救助訓練だ!!!」
え、可愛い無理連写。レスキュー、というカード持ってるのあまりにも可愛すぎない?
前回のオールマイトもそうだし、必ずあれは持って見せる必要があるのかな?
「レスキュー…今回も大変そうだな」
「ねー!」
「バカおめーこれこそヒーローの本分だぜ!?鳴るぜ!!腕が!!」
「水難なら私の独壇場ケロケロ」
皆おのおの会話しだす。
話聞いてもらえなくてカード持ったまま呆然としてる相澤さん、超可愛い。
「おいまだ途中。…あと写真を撮るなお前は」
「ぎゃああぁぁあお願い壊さないでください!!!!」
捕縛武器であっという間に取られたスマホ、すっごい高いところに持ち上げられたので全力でお願いする。
だって可愛かったんだもんあのカード使うの!!!!
「今回はコスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。
訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗ってく。以上準備開始。」
オレの叫びはフルシカトした相澤さんが手短に説明して皆準備を始める。
スマホを手に持ち直したのを確認してからオレも立ち上がる。基本コスチュームは絶対着用しろって相澤さんとの約束があるから。
「オイ、待てバカ」
先生が発したとは思えない悪口のあとに捕縛武器でおでこを後ろから引っ張られる。
カクン、て急に視界が上向きになってびっくりした。
「ひぎゃい!?」
「お前は…すぐ写真を撮る癖やめろ。オールマイトファンの緑谷だってやってねーだろが」
病気の域だぞとか言われた。失礼な…!
「だって先生が可愛いカード持ってキメてるの、超可愛いかったんですもん!!」
「……そんなに砕かれたいかデータが詰まったこのスマホ」
どこからかトンカチ取り出した相澤さんに土下座する。
「嘘です!オレが悪かったですからやめてください!お願いやめて泣く無理本当にやめてバックアップまだだから!!!!」
「分かればいい。早よ着替えろ」
「ふぁい」
「汚いから拭け」
ビュン、とティッシュが顔面に飛んでくる。顔上げたら投げられたので顔面にしっかりヒット。
「いちいちティッシュ投げないでくださいよ!!!」
『(相変わらず痴話喧嘩凄いなぁ…)』
日常化しつつあるオレと相澤さんのやりとりに早くも皆慣れたらしい。適応能力の塊だよね。
着替え終わって外に向かい、バスに乗る途中雄英のジャージ姿の出久くんを見つける。
「あれ、出久君体操服?修理間に合わなかったの?」
「実はね…」
前回派手に暴れた出久くんが苦笑いで答える。替えがないってキツイな〜…
「大変だね…コスチューム、修理間に合わなかったとかシャレにならん…死ぬかも…」
「くましろ君はダメージ2倍…なんだっけ?」
お茶子ちゃんも混じる。
「そう〜、普通の服で訓練なんかやったら、ちょっと高いところから落ちて受け身とっても痛すぎて気絶するかもしれない」
実際入試では岩砕いてその反動の痛みで気絶しちゃったし…。 でも痛覚は倍痛みを感じても、結果として残る怪我はそこまででもなくて…。
痛みだけでいうとあの時は、腕がなんというか、なくなった?もげた?みたいな激痛だったけど、骨折寄りの打撲だったし…
だから家では「大げさの嘘つき体質」って呼んでたら、相澤さんに「お前自身が痛いのはホントなんだから、んな事言うんじゃねえ」と怒られた。
「私の時も叫んでたもんね…本当に痛そう、大丈夫なん?」
な、なんて優しい染み渡る言葉…!
「やさしい…天使…いちいちティッシュ箱投げてくるどこかの誰かとは違う…」
相澤さん、優しさのベクトルが一回転してるから最後はティッシュくれたりするけどその前に一度罵倒が入るんだもん…
「くましろ君、先生すごい見てるよ」
出久君に抱きついたまま後ろに隠れる。アンタのことだからな!!
そうこうしていると、昨日マスコミ侵入の際に大活躍して(見たかった)委員長に選任された飯田くんがやってくる。
「バスの席順でスムーズにいくよう番号順に二列で並ぼう」
ピッピッとどこから出したか分からない笛で指揮を取る飯田君。
「飯田くんフルスロットル……!」
「ぶっ、あっはっは!!!飯田君て本当におもしろ…!」
バカにしてるわけは1ミリもないが、おかしくて笑ってしまう。
「あ、飯田くん。オレ最後に乗る〜。バス酔いするから後ろの席に乗るよ」
後ろの席ってだいたい横長シートじゃん?スペースがもし余ってたら横になろうかなって思って…。
「大丈夫なん?ダメージ2倍で、それって…」
お茶子ちゃんが天使すぎる。すべての物事に対してダメージを受けるって考えたほうがよさそう。
乗り物酔いし易いのは前からだけど、なんとなく大丈夫だった飛行機と船ももうダメだろうな…と察している。
「さっき酔い止め飲んだしきっと大丈夫!」
「こういうタイプだったくそう!!!」
2列の遠足行くときのあるあるバスかと思ったら違くて落ち込む飯田君を少し遠目に相澤さんの隣を陣取る。
「さも当たり前かのように座ってくるなお前…」
「え?ダメでした?」
「…腹立つ」
「なんで!?」
確認したのに!?ていうかお家で隣に座ってもそんなこと言わないのに!!!理不尽だ!!!
「…あ〜、ちょっと寝ます、酔いそう」
「ああ。静かになるから寝とけ。」
なんでちょっと悪口言うのさ!
「やっぱ起き「寝ろ」ハイ」
すごい圧を感じたので目をつむる。予想通り後ろの横長シートはスペース余ってたから靴脱いで完全に横になれた。
ちょっとだけ楽かも。
✳相澤消太
コイツ乗り物酔いしやすいのか…初耳だ。
個性を本格的に鍛え始めた時期からのものか聞きそびれた。他にもなんかないか帰ったら聞いておこう。
中3になる学年で拾い上げ、個性を鍛え始めた年の夏頃から平日休日問わず起きにくくなったくましろ。
一度病院に検査しに行ったら自律神経がまともに機能している状態ではないとのこと。
個性にのるダメージハンデの影響なのか、たまたま被ったのか…断定はしていないが、このままだと制限になりかねない。
「相澤先生とくましろ君て仲良いわね」
蛙吹がこちらを見ながら言ってくる。
「……なんだお前ら」
こういう時は一致団結か…いつも騒がしいのに。あの爆豪でさえ静かにこちらを見ている。
「コイツは熱心すぎて鬱陶しい自称「厄介ファン」だ、見てりゃ分かるだろう」
「確かに、いつも相澤先生のこと激写してるもんなー」
盗撮の間違いだ、と訂正しておく。
「部屋もポスターとフィギュアすごいよ、前写真見せてもらったけど」
くましろと仲のいい尾白がそう言うとへぇ、といった声が上がる。…家でも外でもこんなに煩わしいのに人見知りらしい。まだ喋ったこともない奴もチラホラいると言っていた。
「前にどこがそんなに好きなんだと聞いたら30分話された」
常闇、心底同情する。
あいつの個性も「アノハナシモウイヤ!」と少しキレてた。
「…何がそんなにいいんだかな…あとでオールマイトさんに対処法でも聞いとくよ」
「え〜?何がって神代にとって先生が1番カッケェヒーローってだけじゃねえの?」
切島がそう言う。
「ね、私もオールマイトとか勿論かっこいいと思うけど…私個人のイチオシはスペースヒーロー13号だし!」
麗日も頷きながら続く。
13号が好きなのか、このあと発狂しないか心配だが…いや、厄介オタクなんてモンそうそういないから大丈夫か。
「そういうモンなのか…?よく分かんねえな」
「ケロ、そんなふうに言ったら先生のどこがいいか熱弁されるわよ」
蛙吹がケタケタ笑いながら言う。面白がってるなこいつら…
(からかうのはコイツだけにしろ)
(てか、先生鬱陶しいって言う割に好きにさせてるじゃん。意外とそうでもないとか?)
(切島…話聞いてたか?…ヒーローをどの程度まで好こうが、こちら側がどうにかしていいもんじゃないだろ。ストーカーとかじゃない限り)
(うわ、カッケェ!!!!)
(ていうかストーカー判定まではしてないんだ…)
(俺が仮眠室で寝てたり、職員室にいるとき、気付いていない時は絶対撮らないからな。
あくまで目の前に完全に対峙してるときに勝手に撮ってくるだけだから注意程度で済ませてはいる)