Alien
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毎朝の起床問題はありがたいことに相澤さんが起こしてくれている。相澤さんは先生だから、生徒の俺らより早く学校に到着してなきゃいけないから、その早めの時間に起こしてくれるとすごく丁度よく覚醒できる。
ヒーローって体力使うし体つくりが資本だ!とかいいつつ自分はゼリーで済ませようとするので、早く起きれた場合は自分と相澤さんの分のお弁当を作るのを提案、というか約束した。(本当は教えてくれてたら去年から作ったんだけどね…)
相澤さんが仮眠室として使うロッカーに入れとくのがお弁当作った日の約束。
あのオールマイトが雄英の教師になったということもあり、マスコミが凄い数いる。今日もいっぱいいるなぁ…確か今日は水曜だから非番なんだよね?
あ、相澤さんだ。マスコミの応対をしてる。
「おはようございます、先生」
マスコミの前ではきちっと。さすが優等生。褒めて欲しい。
「…あぁ、」
ちょっと驚いた顔の相澤さん。なんだ、名前を言わないとかそのくらい気を遣えるぞ。目線でやり取りしてると、制服を着ている俺と「先生」と呼ばれた相澤さんめがけて1人のマスコミが近寄ってくる。
「オール…小汚っ!!なんですかあなた!?」
ピキッ
「は?小汚い…!?なんて言いました、今?」
相澤さんに対して、なんて言い草なんだ…!振り返ろうとすると相澤さんに手を掴まれ引き寄せられる。
「やめろホラ、彼は今日非番です。授業の妨げになるんでお引き取り下さい。」
パッパッ、と犬にあっち行けってやるみたいに手を払う相澤さん。
「…仮にも人にものを尋ねる態度や言葉じゃないですよね、本当にあなた達大人ですか?」
ジ、と睨むとまさか生徒からも言われると思ってなかったのか、少し黙るマスコミの人達。
「コラ、喧嘩腰に言うな。すみません、…ホラ行くぞ」
首元を引っ張られて歩く。歩いてると尚もオールマイトはいないんですか!?とか、どこかで見たことあるような…という声が聞こえてくる。
オールマイトってすごいな、こんな中仕事してるのか…。ニコニコとインタビューしていた動画を思い出す。
雄英のゲートをくぐってマスコミから離れたのを確認してから相澤さんに念押しする。
「全っ然小汚くないですからね!」
「分かった」
「相澤さんはめっちゃカッコいいのに!!」
「あぁ分かった、からお前は喧嘩を売るようなことをするな」
目をつけられるだろうがと言われる。
「相澤さんの名誉が毀損されて黙ってられるほど大人じゃありません!フン!!!」
「威張るなバカ」
頭を撫でられる。
「?なに笑ってるんですか!?全然笑い事じゃないんですよ!ムカつく!マスコミ嫌い!!」
「分かった、静かにしろ」
職員室と教室で別れるまで頭を撫でられてた。
教室についてからもムカムカしてプンスコしてたら、出久くんがオロオロしてた。
「…ど、どうしたのくましろ君、顔凄い怖いけど…」
「出久くん聞いてよ!!あのね…」
今朝のやりとりを報告。
「…あぁ、マスコミの人達かぁ。凄いよね。」
僕も聞かれたよ、見境ないよねと出久くん。
「相澤さんのこと、小汚いって!!!酷くない?ちょっとキレた」
「…キレた!?ケガとかさせてないよね?」
え、待って。出久くん俺がキレたら怪我人が続出すると思ってんの?なに、やっぱりオレゴジラみたいな印象を抱かれてるの?
「…人にものを尋ねる態度や言葉じゃないですよね?とは言った。」
じとり、と見てくる出久くんの視線から逃げつつも答える。
「もう、ネットとかで取り上げられちゃうよそんなこと言ったら!確かに正論だけど…」
「正論なら大丈夫!」
そう言うと出久くんはまあ、そうだねとニコニコ笑ってた。可愛い。
「…でもね、なんか…ちょっと嫌な予感がするんだ」
マスコミなんて関係者知らない。俺の母親はヒーローでも繋がりあるなんて知ってる人はソコソコ居ない。顔も、名前も明かしてないから。
だけどマスコミの中…?から、視線みたいなのを感じたような気がした。
雄英の生徒だから、オールマイトのことを聞こうっていう視線の中で、オレだけを見てたかのような…気のせいだと思いたいんだけど。
ホームルームが始まり、相澤さんが入ってくる。…あ!!!お弁当ロッカーに入れるの忘れてた…!
顔見たら思い出した。
「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見させてもらった」
「爆豪、おまえもうガキみてえなマネするな。能力あるんだから」
後ろで勝己が反応するのがわかる。「わかってる。」って返事していた。
一旦区切りがついたんたんだろうか。昨日あのあと、一度も姿を見かけなかった。
「で、緑谷はまた腕ブッ壊して一件落着か。"個性"の制御…いつまでも「出来ないから仕方ない」じゃ通させねえぞ」
昨日相澤さんに釘を刺されたのに、オレのことも見てくる相澤さん。
「俺は同じ事言うのが嫌いだ。それさえクリアすればやれることは多い。焦れよ緑谷。
そんで神代も…。酸を出せて体にある程度耐性がある芦戸じゃあるめえし、下手したら死ぬかもしれねえことをサラッとやるな。」
「っはい!」「はあい」
出久くんの返事と重なる。はいだろバカ野郎、と追加で怒られた。
「さてHRの本題だ…急で悪いが今日は君らに…」
「またテスト?」
「遮るな。学級委員長を決めてもらう。」
痛い。聞いただけなのに捕縛武器でおでこ叩かれた。
「「「学校っぽいの来たーーー!!!」」」
俺と同じ疑問を抱いてピリッとしていた皆がホッとしたのが分かる。
学級委員長か〜俺はパス。導くより従うタイプだし。めちゃくちゃ盛り上がってる。やる気あるなあ。
「静粛にしたまえ!!」
飯田くんの声が響く。
「"多"をけん引する責任重大な仕事だぞ…!「やりたい者」がやれるモノではないだろう!!
周囲からの信頼あってこそ務まる聖務…!民主主義に則り真のリーダーを皆で決めるというなら…
これは投票で決めるべき議案!!!」
とか言う飯田くんの右手の真っ直ぐさには爆笑するしかなかった。
「そびえ立ってんじゃねーか!!何故発案した!!!」
しっかり突っ込まれてる。
「あっはっはっはっ!!!」
笑いすぎて腹が痛い。飯田くん真面目すぎて面白い。