Alien
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「始めようか有精卵共!!!戦闘訓練のお時間だ!!!」
うわあ、みんなのコスチュームもカッコいいなぁ~。
「うわお、お茶子ちゃん攻めたね」
ちょっと宇宙飛行士ぽい。無重力だからかな?
「くましろ君重いってば~!」
出久くんの触覚がほっぺに当たる。
「アゴを置くのに丁度よすぎる」
この触覚、オールマイト寄せか。大好きだもんね出久くん。分かりやすい。オレ並みに。
「先生!ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか!?」
隣から飯田くんが出てくる。動くたびガションガション鳴っててカッコイイ。
「いいや!もう二歩先に踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!!
敵退治は主に屋外で見られるが統計で言えば屋内のほうが凶悪敵出現率は高いんだ」
そうなのか、知らないところで戦ってるんだな…
「監禁・軟禁・裏商売…このヒーロー飽和社会、真に賢しい敵は屋内にひそむ!!
君らにはこれから「敵組」と「ヒーロー組」に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう!!」
「基礎訓練もなしに?」
「その基礎を知る為の実践さ!
ただし今度はブッ壊せばオッケーなロボじゃないのがミソだ」
「勝敗のシステムはどうなります?」
「ブッ飛ばしてもいいんスか」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか………?」
「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか」
「このマントヤバくない?」
「んんん~~聖徳太子ィィ!!!!」
皆がそれぞれに話すから困るオールマイトが面白くて爆笑してしまった、ごめんねオールマイト。しかも1人明らかに関係ないこと聞いててさらに面白い。
とりあえず話をまとめると、敵がアジトに核兵器おいててそれを処理しようとするヒーロー、みたいな構図で訓練をする。
戦ってもいいし捕まえてもいいし、もしくは核兵器を先に回収するか、みたいな。
なるほど、ゲームみたい。入試の時も思ったけどゲームみたいな方式が多い。
「コンビ及び対戦相手は、くじだ!」
くじの箱を持つオールマイトがかわいい。なんだあのポーズ。
「適当なのですか!?」
「プロは他事務所のヒーローと急造チームアップする事が多いし、そういう事じゃないかな…」
さすが出久くん。ツラツラとそういう知識が出てくる。
「そうか…先を見据えた計らい…失礼致しました!」
90度直角のお辞儀をする飯田くん。
「いいよ!!早くやろ!!」
席替えの時みたいなくじを引き、番号がどこに見当たらない。
「……あれ、白紙だ」
「お!君がラッキーボーイか!」
「…余りってことですよね」
「ち、違うよ!君には早く終わったコンビの相手をしてもらうよ!君のコンビはまたくじで決めよう」
…常闇?名前が書かれた紙を見る。どんな子だろう。
「…あぁ君か!…その子は?」
「(その子?)ああ、黒影っていうんだ」
「か、かわいい…!!!撫でてもいい?」
「カワイクナイ!!」
可愛い返事した!常闇くんとは別に意識があるんだ…。尚更可愛いんだけど…。
「超カッコいい!スーパーブラック!!!」
思いついた褒め言葉を投げかけると、黒影ちゃんが踏ん反り返ってる。
「へへへ」
にやり、とドヤ顔してる黒影ちゃん。かわいい。なんていい個性だ、相棒って感じ。
「どこのチームと戦うか分からないし、常闇くん2回もやることになるけど…よろしくね!」
「ああ、」
二人で握手。
出久くんと爆豪がヒーローと敵ペアで当たったんだけど、個人的に恨み?でもあるのか単独行動をしている爆豪くんに派手に吹き飛ばされた出久くん。
「出久くんっ!!!」
「あっ、待つんだくましろ君!」
ボロボロだ、ひどい。
「…ここまで痛めつけるようなこと、」
しなくてもいいじゃないか。出久くんとの関係値は俺には分からない。
音は聞こえないけど口の動きで大体何を言ってるか分かる。自分より下だと舐め腐ってた相手が、急に自分を追い抜くような力を手に入れた・力がなくても対等に、当たり前に追い越していた相手が急に…。
クラスでの振る舞いを見ている限り、爆豪くんは常にどんな状況下でも『1番』でいたいんだ。1番すごくて1番強くて1番かっこいいのが当たり前で居たいんだろう。推測だけど、出久くんはきっと対等に過ごしてきたんだろう。
出久くんの凄いところは人の強み弱みを瞬時に分析するところだ。
賞賛するばかりの周りの中で、〇〇なところが凄いよね!と隣に立ってくる出久くんを、彼はどう思うのだろう。だから「鬱陶しい」って言ってたのかな
気持ちは分からなくはないけど、ここまで傷つける必要もないし、ここまで傷つく必要も出久くんにはない。
入試、体力テスト、そして今日。毎度体の部位を骨折してたら出久くんの体力の限界が先に来てしまう。
「オレが変わってあげれたら…」
出久くん、怪我ばっかり。
「くましろ君、その心意気と優しさは有難いが君の治癒の個性はその怪我が丸々自分に返ってくるんだろう?」
オールマイトに肩を叩かれる。
「…そう、ですけど…。いくらリカバリーガールが居ても毎度これじゃあ、出久くんの体力もたないんじゃないんですか?
体力を使って活性化させてるんですよね?」
オールマイトを問い詰めればうぐ、と言われる。どうやら図星のようだ。
リカバリーガールの手の負えない領域まで怪我が蓄積されればいつか身体を壊す。出久くん自身はそのこと理解しているんだろうか?
「……………」
爆豪くんは無反応、だった。無視でもなんでもない。まるでこちらの声が聞こえてないようだった。