Alien
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「緑谷、連れてきたぞ…コイツ迷いやすいから絶対に目と手を離すなよ」
「まるで犬みたいな扱いですね?」
「迷子の前科あるだろ」
背中をぽん、と叩かれる。
「くましろくん!相澤先生、ありがとうございます!」
聞けばくじでペアを決めたらしいけど、出久くんだけいなかったらしくすごい感謝された。
最初はB組が脅かし役をやってるみたいで、決められたルートを通って札を持って帰ってきたらいいらしい。
トイレ行ってきたけどほんとに大丈夫かな…。
「先生、頑張るので頑張れって言ってください」
「まだ言ってんのか…ほら頑張って行って来い、緑谷に迷惑かけんなよ」
俺はマタタビ荘に一旦戻る、と相澤さんが去っていく。
「はい!頑張ります!よし行こう出久くん!」
出久くんの手を握る。
「くましろくん、道こっち!!あとまだ!」
3分に1組スタートするらしくて、次はオレたち。まだかな〜と待っているとマンダレイさんの顔が険しくなっていく。その表情を見て、昨日のとてつもない嫌な予感が強くなる。
「出久くん、どうしよう、……来たかも…」
耳を最大にするとシューって音が聞こえたり、いろんな人の走り回る音が聞こえる。知らない声がいくつもある。
B組の生徒にしては、未成年にしては大人すぎる声がいくつも聞こえる。
「何この……焦げ臭いの……」
「黒煙……」
マンダレイとピクシーボブが呟く。次の瞬間、ピクシーボブは操られているかのようにどこかへ飛ばされていった。
「何で……万前を期したはずじゃあ……!何で……敵がいるんだよぉ!」
峰田くんの声に振り返ると、二人組。
「ご機嫌よろしゅう雄英高校!我ら
「敵連合……!?何でここに……!」
「峰田くん、尾白くんとにかく距離とってこっち側へ!動かないとやられるよ!」
呆気に取られてる2人に声を掛ける。一瞬の迷いが命取りだから。
「この子の頭潰しちゃおうかしらどうかしら?ねぇどう思う?」
いかにも武闘派の見た目の赤髪の男がオネエみたいな口調で話す。潰すって言葉通り、パワータイプ。
「させぬわ このっ……」
虎さんが抵抗しオネエのパワータイプが退く。
「待て待て早まるなマグ姉!生殺与奪は全てステインの仰る主張に沿うか否か!
俺はスピナー……彼の夢を紡ぐ者だ!」
ステインを彷彿させる見た目の男は、ステイン信者か…。大きな刀を持っている。やっぱりこういうやつが集まるか。
「貴様ら……ピクシーボブは最近婚期を気にし始めててなぁ女の幸せ掴もうって……いい歳して頑張ってたんだよ……そんな女の顔キズモノにして男がヘラヘラ語ってんじゃあないよ!」
虎さん、かっこいい…。プリキュアだ…!
驚かす役のB組、先にスタートしていた何組かのペアの安否が気になる。
「虎!指示は出した!他の生徒の安否はラグドールに任せよう!私らは2人でここを押さえる!委員長引率!」
マンダレイさんが飯田くんに指示を出す。そうか、彼女の個性はテレパシー。オレら以外の生徒に呼びかけたんだろう。意思疎通を測れたら尚嬉しいけど…。
「承知しました!行こう、皆!…くましろくん、君もだ!」
出久くんと顔を見合わせる。
「ねえ、あの妖精くんは!?」
「もうすでに敵がここに居るならマタタビ荘にもあの秘密基地にも…」
向かうしかない、そう頷き合うと二人の敵の顔色が変わる。
「いまくましろって言った…?…ハイ坊や、私たちあなたにも用があるのよ」
「!」
早い、
「待てマグ姉!…確認は必要だ、お前……ステインに扶けられた神代 くましろか?」
「たす…うん…はい…」
助けられた…?のかな…。見逃してもらったに近い気がするけど。
「何よ煮えきらない返事ねぇ…ボスがお待ちよ、一緒に来てくれるわよね?抵抗するなら痛ぶるけど」
「ボス……弔のこと?何が目的で合宿来たの?出久くん、後で必ず向かうから妖精さんのこと頼んだよ!」
じりじりと近寄ってくるマグ姉、と言われる相手と距離を取りながら後ろにいる飯田くんたちと出久くんたちにそう言う。走り去る音を聞いてから、敵連合たちと距離を取るのを一旦止める。
「知ったとこでどうすんだ?お前に何もできねえだろ」
「プロヒーローが何人もいるのご存じない?…オレと、誰が目的なの?随分仲間引き連れて…」
知らない声がたくさん聞こえる。
「言ったところでねえ。」
口を割らなそうだ。マンダレイさんと目を合わせて首を振る。
「コラ、君も生徒だぞ。避難しなさい」
構えようとしたら虎さんに怒られた。でもオレが狙いだから…と返すと尚更先生たちのときに戻れと言われる。
「…数秒稼ぐのでお願いします。」
2人を止めて、背を向けて走り出す。出久くんの元へ急がないと。聴力をどんどん上げて、重い音が響き合う方へと走る。
「出久くん!!!と妖精さん!!!」
「くましろくん…!」
もうすでにボロボロの出久くん。
「敵は!?倒した!?この残骸…出久くんだけの力じゃないでしょ、相手もパワー系?」
「そう…たぶん、倒した…」
言いかける出久くんの後ろで見たことあるような光景。
「脳無の再生みたい…複合が当たり前か増やされたか、どっちか…。妖精さん、手を繋いで。絶対離れないで」
「ウソだ…ウソだろ…100%だぞ…!?」
出久くんの個性の持つ力100%をもってしてもこの再生力…。複合型の個性じゃなさそう…。
「お、おぉ…?そっちのは殺すなリストに入ってたやつだな…確か…神代くましろ。」
さっきも言われた…なにが狙いでここに来てるんだこいつら…。殺すなリストってことは、本命は別…。誰だ…?轟くんとか…?
「いたぶる為にきたの?」
「あぁ…?」
「違う、生徒の誘拐だ…かっちゃんと君の…」
「誘拐したところで飼いならせないよ、噛み付かれて死にそう。オレもそっちへ行くつもりはないから諦めなって弔に伝えて」
「ハッ!担任の…イレイザーだったか?イレイザーのそばに居なかったらお前は拉致りやすい、ってな。
ヌケヌケときたからには狙われるぜ…まあ俺には関係ねえがな…!!!」
ナメられたもんだ。下手に暴れると妖精さんが危ない、
「くっ、来るな!」
「やだよ、行くね。俄然」
「妖精さん、…7歩、後ろに離れて?」
小声でそういう。頷いたのを確認して手を離す。
「なっ、な、何がしたいんだよ!敵連合は何が…!!」
「知るかよ、俺ァただ暴れてえだけだ。ハネ伸ばして"個性"ぶっ放せれば何でもいいんだ」
暴れたいだけ…誘拐…。完全に足止め役。拉致する係の個性がきっと他にいるはず。焦げ臭い匂いから火事とほんのり見えるガスで目をくらませるのに2人、拉致は1人だとしても…あとさっきのマグ姉とスピナーを含めてあと5、6人は最低でもいるはず…。
問題はどこに居て、どんな個性を持っているかだ。
(出久くん、敵連合はそんな大した思想を持つ奴らばかりじゃないよ)
(リーダーの弔だってそう、彼が一番子供。そしてコイツも。好き勝手暴れてスッキリしたいだけ。
さっきのやつもステインに憧れて勧善懲悪ごっこしたいだけ)
(意味を考えても仕方ない、この足止めに選ばれた厄介な個性をなんとか2人で…止めよう)
(…!うん、そうだね…)
(飯田くんたちは先生たちと合流してるはず。こいつ倒して、妖精さんを送り届けよう)