Alien
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2日間で合計3時間、熱中症で動けなくなったのと、頑張る理由が分からなくなって迷って損失した時間。
あ~~勿体無い、ほんと負のループ。大切な時間の時にどうして無駄になるようなことしちゃうんだろう。
経験だけで言えばほぼ毎回敵に遭遇してる分の経験値は皆より高いのかもしれないけど、そもそも職場体験だってほぼ入院してた。ちゃんと訓練できたのは数日…いや、数時間だけ。
基礎の基礎部分をもっと伸ばさなきゃいけないのに、と気持ちが焦る。
昨日と同じようにご飯を皆で作り、できた後でも爆豪くんの隣に強制的に指定され、完食するまで無言で睨まれ続けるという拷問に近い時間を過ごした。
絶対相澤先生に何か言われたんだと思う。そうとしか思えない。お腹いっぱいで、箸を置こうとした瞬間に隣から「あ?」って聞こえる恐怖。
「う~ぐるじい……戻しそう」
「やめろ汚ねぇなアホ」
隣にいて脅してくるから無理やり入れたのに…!じろ、と爆豪くんを睨むと何睨んどんだボケ!と頬をつねられる。
「お腹痛い……部屋で寝そべってくる…胃薬も飲む…」
「くましろ、行きの酔い止めからずっと薬漬けじゃない?」
尾白くんが心配してくれるけど、これは自然に治るの待つより薬に頼りたい…。
「くましろくん、肝試しは?」
出久くんも加わってくる。忘れてた、このあと肝試しか…。林間合宿前日のときに相澤さんが言ってた通り、補習組は補習らしい。
「出久くん知らない?オレ実は補習なの」
「無理があるよくましろくん…治ったら来てね、僕2回目でもペア組むよ!」
なんて優しい、、、ハグしておく。
キンキンじゃない寝室がちょっと新鮮に感じる。床にゴロン、と寝転がり胃薬を飲む。これで早くこの食べ過ぎによるもたれと苦しさから解放されるといいけど…。
治って動けるようになったら自主練してもバレないかな…いやでも相手いないと成り立たないしなあ、かき回してくれる相手がいないと集中できてしまう。
時間と精度伸ばす自主練してようかな…。
「…何やってんだ」
「っあ〜〜!!!びっくりしたもう気配消してこないでくださいよ……!」
いきなり声かけられて本気でびっくりした。こんなことしてくるの相澤さんだけだ。心臓がバクバクしてる。
「…寝てるのかと思って。…肝試しは?」
「やると思ってんですか…。爆豪くんに監視するように言ったでしょ……吐きそうなくらい食べて動けないです」
気絶ならまだ笑えるけど、マジで失禁とかしそうだもん。しちゃったらどうするの?どんな顔してクラスメイトに会えばいいの?留年しかなくない?尊厳の問題だよ、人権問題。
「…なんだお前、拗ねてんのか?」
首を横に振る。
「そうか?…俺には拗ねてるようにしか見えねえけどな」
「自分に怒ってるんです。時間無駄にしたから…職場体験のときだって怪我して皆より遅れてるのに…」
「…おいで、くましろ」
「…なんか優しすぎる…ほんとに相澤さんですか?」
じと、とした目で見ると相澤さんの眉毛がピク、と動いた。
「お前…吊るして外に干すぞ」
すぐ捕縛武器で吊るそうとするのは紛れもなく相澤さんだ。バフ、と埋もれるように倒れる。
「せっかく割り振られた担当が俺なのに、とか思ってんだろ」
「…はい。」
他の生徒と比べても、贔屓目に見てもらえる機会は多いと思う。その分厳しいけど…。時間は有限、相澤さんの口癖。
「ただ量をこなすより、少ない中でも考えながらやることも大事だろ。忘れんなよ。」
「も〜……ほんとずるい30歳…」
「そこは関係ねえだろ、それに弟子が泣いてちゃ師匠も悲しくなる」
「……あんまり優しくしないでください」
「ただでさえ自分を甘やかさない不器用な弟子を甘やかすのも師匠の務めだからな…それは無理な相談だ」
好き度が増す。こんなんだから世界一かっこよくて優しいって言ってるのに、伝えても本人ピンと来ないんだもんなあ。
「緑谷が探し回ってたぞ……学生の時にしかできないんだから、参加してこい」
「嫌です、失禁したらどうするんですか。もう二度と外歩けない…」
「お前、失禁するほどビビりではないだろ…つーか失禁するほど怖いもんが早々出てこないだろ」
「分からないじゃないですか、なんか異様なものとか出てくるかもしれないし…!」
「脅かす側も学生の肝試しでどんな異様なモン出てくんだよ…」
ちょっと笑ってる相澤さんの口をムニ、と摘む。ポケモンのコダックみたいな顔してる、かわいい。
「はほふな」
遊ぶな、といってるぽい相澤さんの口から手を離す。
「補修受けるんじゃだめですか?」
「まだ諦めてねえのか、ダメに決まってんだろ」
全科目100点が何を補習することあんだ、と小突かれる。仕方ない…行くか…。
見てないかもしれないけど、出久くんに今から向かうねと連絡送る。
「今はブラドが補修担当だ。俺も肝試しのスタート地点にいてやるからさっさと行ってこい。」
「はあい…」
どんだけ嫌なんだよ、と笑われる。
(相澤さんと出久くんがどうしても言っていうからやるくらいには嫌です…)
(はいはいご協力どうも。思い出つくりしてこい少しは)
(え〜?肝試しじゃなくてもいくつか思い出はありますよ…ほら、この写真とか)
(……こんなひっついて寝たのか)
(朝方すっっごい寒くて。多分全員無意識です)
(…なんで爆豪の耳抑えてんだ?)
(入眠しにくかった?みたいで…耳温めて頭撫でたら寝たので、多分そのまま…)
(驚きだ、お前が寝かしつける側になるとはな)
(どういう意味ですかソレ…)