Alien
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✳相澤消太
朝の5時半から、12時の今まで軽く休憩を挟みつつも、個性を限界以上にフル稼働させ動きっぱなし。入学前はとにかく個性発動のオンオフと使うときの強弱の強化と体力特化で鍛えていたので、こんな訓練は本人もしたことない。
暑さにただでさえ弱くて、周りをよく見ている分集中力も切れやすい。
「ほらここ、また反応が遅い」
捕縛武器を使って引き寄せる。個性を抹消しているので止めることもできないくましろは踏ん張る力も残ってないようで、抵抗なく引き寄せられてくる。
「…っ!」
「……やるじゃねえの」
手首を結んだ捕縛武器を手繰り寄せようとした右手の前腕部分を恐らくわざと軽めに噛まれる。
個性が使えず、体術も絶望的であっても反抗するくましろの目はギラギラしている。ただ、汗っかきなのとこの暑さが相まって脱水起こしてるのか、体がふらついてる。
「…体は?」
「平気です、けど…なんか…目が…」
ガク、と足から力が抜けるくましろを支える。体がやけに熱い。これは熱中症か、それともさっきのダメージプラマイ0の方なのか、判断がつきにくい。
「おい、おい…こっち見ろ、聞こえるか?」
頬を軽く叩いて注意を向けようとしても目が合わない。
目が…と言ってたので、目眩か?なんにせよ日陰に連れていき座らせる。クーラーボックスから凍らせておいたタオルとスポーツドリンクを取り出し渡す。
タオルは首と頭に巻くようにし、ドリンクを飲むよう指示するがボーッとしている。
「くましろ、飲め。」
「う、はい…」
蓋を開けて渡すとようやく飲み始める。追加で冷やしたタオルを手首やおでこに当てる。
「…ぐるぐるする…」
「おそらく熱中症だ、少し安静にしてろ」
嫌だ、というように首を横に振るくましろ。
「このままやったら救急搬送か最悪死ぬ。…水分とって少し休め、楽になってきたら治癒しろ」
分かったな、と念押しする。うー、とかあー…てうめき声が聞こえる。マンダレイさんたちに他の生徒の様子を確認すると、同じようにバテ始めているのが数人。
まあ、朝からぶっ通しだしな…今年の夏は異常気象と言われ、ここ数年で一番暑くなると予報も出ていた。
予定より少し早いが、休憩を多めに取るようマンダレイさんからプッシーキャッツの皆さんに連絡してもらい、食堂へ集合させる。
「くましろ、…起きれるか?」
「再開…?」
「昼休憩だ、少し休め。」
立ち上がるように左手を軽く引っ張るが、だらんとしたままで動かない。まだ動けねえか…顔が真っかだ。クーラーが効いたところでしばらく休ませたほうがいいな…
「移動する前にもう少し飲め」
だんだんマシになってきたのか、頷いて飲んだのを確認し膝下と背中に手を入れ、抱える。
体は締まってきたものの、それこそ緑谷や爆豪みたいなのと比べると細いくましろは簡単に持ち上がる。
「汗ついちゃう…」
「いい、気にすんな。…うどん食えるか?」
たぶん、と返ってくる。昨日も心配してたが意外と食べきっていたので安心したが、今日はどうだか…。
「くましろくん、大丈夫ですか…?」
外で虎さんと個性伸ばしを行い、同じくらい顔が赤い緑谷がぐったりしたくましろを見つけ近寄ってくる。
「…微妙だ、意識がもうろうとしてる。」
食堂に入ると、ほぼ原因が机に突っ伏して伸びていた。あまりの光景に苦笑し、声を掛ける。
「思ってる2倍は水を飲め、そんで塩なめろ。休憩時間伸ばしてやるからしっかり飯食って休め。…体調やべえやついるか?」
「なんとか…」
「暑いだけで…」
「私は酔いが…うぷ…」
とんでもなくキツイって前に忠告したからな、このくらいは乗り越えてもらわないと困る。
「くましろちゃん、生きてる…?」
芦戸がやってくるので、熱中症だと返す。
座敷の畳にくましろをおろし、もうすっかりぬるくなったタオルで汗を拭く。適当に出した新しいタオルで背中や腹、手足の汗を拭き冷えピタを貼る。
ラグドールさんにも診てもらい、軽度だから大丈夫と判断いだいたので、とりあえず冷やして水分を取らせる。
バケツに氷水を用意し手足をそこに突っ込む。
「つめ…」
「引っ込めんな、…起きれそうか?」
意識が覚醒してきたのかくましろが話し出す。問いかけにも答えられているので平気そうだ。心配そうに虎さんがアイシングをくれたので、頭の上に置く。
「……あれ…出久くん…」
「くましろくん、大丈夫?しっかり休憩してね」
頷くくましろ。
「……もう12時なんですね…」
時計を確認したくましろがそう言う。1時間と20分休憩だ、と返す。
飯田から俺とくましろの分を受取り、机に並べる。
「ゔゔ…」
思い切り顔をしかめるくましろについ笑う。固形物はまだ無理そうな顔をしていたので、とりあえずレモンを口に突っ込ませる。
「レモンうま…」
「少しでも食え、午後もたねえぞ」
そう言うと起き上がり、箸を持つくましろ。いつもより3倍くらい遅いが一応食べている。
「…治癒使ったらマシになってきました、うま」
よかったなと返す。と、くましろがもたれかかってくる。
「おい、行儀が悪い」
「5分休んだら起きます…」
横になればいいのに。顔色はさっきよりかはだいぶいい。アイシングを取り頭に乗せておく。すぐ寝始めるくましろに驚きつつ、5分じゃとても起きなさそうなので完全に横にさせる。
(…そろそろ30分だ、起きろ)
(…はい…)
(伸びてるけど食えるか?)
(だいぶマシになりました…相澤先生ありがとうございます)
(はい。さっさと食え)
(いただきまーす)
(午後は1時半から開始だ、ギリギリまで手首とか頭冷やしておけよ)
(はい!)