Alien
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友人であり同僚のプレゼント・マイクや、入試の際に早速世話になっていたリカバリーガールを始めとした一部の関係者は、教師陣にも噂でもちきりの小さい同居人のことを知っている。
そもそも、複合個性が両方万能型であること、ぶっちぎりの1位だったこと、筆記も問題ないこと、加えて神代さんの息子となればまあ…噂にもなる。
間違えても俺が預かっているから、等のアイツの努力と能力を疑われたくないので入試の採点には一切関わっていない。
校長にも同居人の子供を預かり、受験することは伝えたが氏名を伝えたのは合格判定に載ってからだ。
全て本人の実力。元々のポテンシャルもあるが、たった1年でろくに鍛えてこなかった「個性」をよくぞここまで引き上げたと思う。
慣れないことにひいひい言いながらも、辞めたいとか向いてないとか弱音を一度も吐かなかったくましろを思い出す。
「オーウ!相澤ァ!お前、随分同居人気に入ってるんじゃねえの?」
マイクがやってくる。先ほど合格者へのビデオレター(本来は俺の仕事ではない。名前とヒーロー志望のいきさつを根津さんに伝えたら、オールマイトさんよりも俺の方がいい!と半ば無理やり撮らされた)がやっとこさ終わり、一息ついていたところだ。
「マイク…声のボリュームを考えろ」
うるせぇ。頭に響く。
「この間の試験の映像も、食い入るように見てたじゃねーか!照れ屋さんめ!Fooo!」
このテンションに何度ため息をついたか分からない。既にため息二回。
「…まあな。手はかかるが、素直に俺のいうことを信じてここまで引っ張ってきたんだ。どんな試験内容かくらいは気になるだろう」
「いやあ、とんだ美人がいると思ったが、まさかあの神代さんとこの子だとはな!
本当に個性ろくに使ったことねーのか?随分モノにしてたんじゃねえの?」
「モノにさせたんだ。叩き込んでな。
…アイツは、天然とかそういう意味ではバカだ。だが、頭は切れる。最初から苦しくてしんどいことだと理解した上で俺と暮らすことを決意した。
…実際、軽く手合わせと個性発動時の様子を見て見込みがあると思った。だから伸ばした、それだけだ」
そう言うとマイクは両手をあげてやれやれ、とでも言いたげな表情を浮かべる。
「素直じゃねーのな…わざわざ無償で他人の子供の面倒見てやる時点で、『見込みがあるから』以上の思い入れがあんだろ?」
「下心があるとでも言いたげだな」
「ノーノー!未来を感じたんだろってことだ。…フラフラしてるのは直ったのか?」
「どうだろうな…快方へと向かっているとは思うが、本質的なものはそう簡単には変わらないんだろう。
…予想はしていたがな、今まで生きてきた年数分、親にまで否定されてきたんだ。仕方がないといえば仕方がない。」
「お前を始めとする雄英がしっかり喰い止めなきゃなあ、」
敵側に堕ちないように。マイクの声が静かに響く。
「分かってる」
「そういや神代さん元気にしてたか?暫く会ってねぇな〜…最近メディアもあんまり出なくなったな」
「……恐らく、で希望的観測だが、息子の受験シーズンで大人しくしてたんじゃないか?…さっき合格したこと連絡したら驚いてたよ。
それと『死人を出したらすまないね』…とのことだ。」
あくまでも希望的観測、だが。この一年ちかく、あの人の『またか…』というニュースや噂は目にしてない。
「シヴィーだな……アンタこそ死人出しまくってんじゃねーか!って言いたいぜ」
「言ってやるな。一応敵だけ伸ばしてるんだ」
(高校生活中も同棲か?)
(本人はそのつもりだ、母親も特にノーコメント)
(バレたら色々マズくねーか?)
(……まあ、マスコミにバレなきゃいいだろ)
(開き直りやがった!!!)
(保護してるようなもんだしな)
(不敵な笑み!!!!流石やってくれるぜイレイザーヘッド!!!)
(声がデケェぞバカマイク)
(お!合否判定手渡ししてやんのか?)
(まあな、毎日LINEがうるせえことうるせえこと…
ノイローゼになりそうだから郵送なんか待ってられない)