Alien
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朝5時15分ごろ。オレの起きれなさに慣れてる轟くんが根気強く起こしてくれて、ギリギリ起床時間に間に合う。
あ〜よく寝た…とあくびをしていると視線を感じる。
「…何?どうかした?」
轟くんと爆豪くん以外の全員がオレ等を見ている。轟くんと??と首を傾げあってると、爆豪くんが後ろでキレた。
「クソが誰だ撮ったのコロス…!!!!」
なになに?と轟くんと2人で覗き込むと、今朝の5時前くらいに撮られたらしい写真。3人でギュウギュウになって寝てる。
よく見ると爆豪くん口開けて寝てるから、あのあとちゃんと眠れたんだと一安心した。
「わ!いい写真だねえ、爆豪くんちゃんと寝れた?」
「良くねーわ快眠だクソ!!!」
快眠かあ、よかったよかった。顔洗って戻って来る。クーラーの温度を下げよう主張していた砂糖くんたちが冷やしすぎた、と謝罪してくれた。
「山中なのもあって朝寒かっただろ?悪かったな…下げすぎた」
「いいよいいよ、ジャージとか借りてあったかかったし!」
「爆豪って意外と繊細なのなー」
「意外って何だコラ」
切島くんとやっかみあってる爆豪くんのもとへ寄る。
「耳あっためると寝れたでしょ?」
「……冷えてんじゃねえかよ」
右手を爆豪くんにとられる。これから動くだろうし平気平気!と返す。よく伸びしてストレッチして布団畳んで、外に集合。
合宿2日目。気合い入れて挑みたいけど、5時半起床はきつい。寝たけどまだ全然眠い。
「お早う諸君」
「朝イチでハンサム…」
茶化すな、と怒られる。本気ですが??
「…本日から本格的に強化合宿を始める。今合宿の目的は、全員の強化及びそれによる"仮免"の取得。」
仮免…免許!?
「具体的になりつつある敵意に立ち向かう為の準備だ。心して臨むように。」
仮免、つまり町中で個性を使用しても免許持たない人に比べて制限が少し緩まるってことだ。対処しやすくなるし助かる。
「というわけで爆轟、こいつを投げてみろ。」
懐かしいボールを懐から出した相澤さんが爆豪くんにボールを渡す。
「これ…体力テストの…」
「個性自体が伸びてるか見る感じかな…」
「前回の…入学直後の記録は705.2m…。どれだけ伸びてるかな」
伸びてる「かな」だって!!可愛い…!と顔を両手で覆ってるとちゃんと見ろと引き剥がされた。無意識下で可愛いのずるい。
「おお!成長具合か!」
「この3ヶ月色々濃かったからな!1kmとかいくんじゃねえの!?」
それ、人間の記録としてアリなの?お茶子ちゃんみたいなの除いて人間が出していい記録じゃなくない?
「いったれバクゴー!」
おお、みんなの後押しもあって爆豪くんすごいやる気だ。ブンブン腕振り回してる。
「んじゃよっこら…くたばれ!!!」
相変わらず投げる時とか気合い入れるときの掛け声が物騒で笑う。でも少し、マイルドになったね!て出久くんに言ったらそうかな…?て返された。個性把握テストのとき確か死ねだったよね?
「真ん中の山…?」
「バカ言え超えたわ」
あれ、そうなの。遠くなりすぎると目立つわけでもないボールだから分からなかった。
「709.6m」
相澤さんがそう告げる。クラスのみんなも思ったより…ってザワッとしている。
伸びてないわけじゃないんだけど…劇的な変化ではない。
「約3ヶ月間、様々な経験を経て確かに君らは成長している。…だがそれはあくまでも精神面や技術面、あとは多少の体力的な成長がメインで…"個性"そのものは今まで通りでそこまで成長していない。
だから…今日から君らの"個性"を伸ばす。死ぬ程キツイがくれぐれも…死なないように…」
人差し指をピッとあげてニヤっとしてる相澤さん。かっこよくて撮りたかったのに昨日没収されたんだった。
まさか、これを見越して…!?
個性の種類や鍛え方によってやり方や場所などが違うため、各々分けられる。
例えば個性を使いすぎると酔うお茶子ちゃん、お腹壊す青山くん、エネルギー切れてアホの子になっちゃう上鳴くんはひたすら耐えて使い続けろ、って鬼のような事言われてた。
しっかり皆「えっ?」って青ざめてた。
オレは、というと。
轟くんと同じ複合個性だけど半冷半焼で相殺しながらとかの鍛え方ができないので、ひたすら相澤さんと組手をしてフル稼働で止めることに集中する。もともとじっとしてた場合なら多数ある中の複数個体だけ止める、とか時間とか全体を止めることはできる。一対一なら相手をオレが思うタイミングで止めることはほぼ可能。
多対一になると、集中力が削られてくるとどうしても難しくて、持ち前の運動神経でどうにかしてた。
から、後半の日はプッシーキャッツの虎さんと合同と言われた。
いつもの訓練にやってることは近いけど、今回は温存しながら戦うとかじゃなくて限界値を越していくことが訓練なので、もうへとへと。
少しするとB組が混ざってきたけど、色んなところから叫び声やうめき声しか聞こえない地獄のような空間に全員顔が引き攣ってた。
「コラ、休むな」
「あっ、」
げしょっ。
音はあれだけどもう、受け身取りすぎて全身骨折したんじゃないかってくらい痛い。
集中力の持続と効果上限の上昇のために、抹消の個性の相澤さんと永遠に戦いあって早3時間。
轟くんは五右衛門風呂に浸かりながら氷出したりとか、ヤオモモは脂質が創造のエネルギーになるから食べながら永遠と物を出したりとか、お茶子ちゃんも永遠に吐き気を我慢しながら浮いてたりしてるからオレだけがキツイなんて文句はないけど…(ていうかマジでここ地獄では?)
「ったぁ……」
まじで鎖骨あたり折れたんじゃ…?痛みのあまりガクガクする手をもう片方の手で抑えつける。
折れてなくても痛みはそのくらいだから体も勝手に錯覚するとか…勘違い大馬鹿の脳みそって感じ。
「…やめるか?」
「やめないです…!相澤さんにいじめられるの好きなんで」
「育て方を間違えたな…いくぞ」
なんか嬉しそうな相澤さん。立ち上がってもう一度、個性フル稼働で動き出す。
「ッカハ…ッ!!!!」
何度目か分からない相澤さんの多分軽めの右の蹴りが鳩尾に入ってきたとき、血が出てきた。
血をふっかけられた相澤さんもめっちゃびっくりした顔してる。おれもびっくりしてる。
「……オレ大丈夫で「喋るな、ラグドールさん」」
大丈夫です、と言おうとしたらすごい勢いで制された。怖い。ラグドールさんが小走りでやってくる。
「…はいはーい!あらあらアララ…?…内臓は大丈夫、気道からの出血だね。でもちょっと殴られすぎかな?」
すごいコメント。殴られすぎかな?って。一生で一度聞くだけでもすごいパワーワード。
「…内容を変更だ、治癒しながら受け身とってなおかつ個性を使え」
「劇的に難しくなってるんですけど…」
やること増えてしまった。痛みはもう通り越して痺れに近い。ジンジンと全身が熱を持っているのが分かる。持久走とかを走りきったあとに近い。
ある程度を超えたら逆に動きやすくなる…?
「相澤さん、なんか体……変、かも。」
「…?」
「ちょっと軽く抓ってください」
「……痛くねえのか?」
いつもなら痛いって騒ぐ痛さだぞ、と言われる。触られてることは分かるんだけど、痛くないってことに衝撃をうけつつ、普段こんな優しく抓ってくれてるの!?という感動も受けた。じゃあ爆豪くんのデコピンとかも思った以上に優しいんだろうな…。
「痛くはないです…いただだだだ!!!なんで強めるんですか!」
「今のが常人が痛いって思うレベルだ、今くましろの体はプラマイ0ってこった」
「………ん〜、条件がわからない…」
痛みをある程度受けたから?無意識下でオレが止めてるだけ…?と呟くと分析はあとだ、と上から声が降ってくる。
「Plus Urtlaだ…俺のサイドキックになるんだろ?続き、やるぞ。ちゃんと治癒は使えよ」
「やります!!PlusUrtla!」
「扱いやすくて結構なこった…いくぞ」
だって例のニヤっとした顔で言われたらやるしかないじゃん…!
目指せサイドキック…!!!
(どうした、もう限界か?)
(まだまだ…っ!)
(いつも訓練してる相手だろう、きちんと動きを読め。推察が甘い、受け身も雑になってきてる。そんでまた血ぃ吐いたら有無を言わさずストップだ。)
(そこをなんとか…)
(ダメだ。これは他の生徒にも言える、出血はアウト。
時間は有限、活かしきれ)
(はい!)