Alien
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結局、爆豪くんの隣嫌だ!と騒いだのに爆豪くんと轟くんのサンドイッチ状態で寝ることに。誠に遺憾だけど青筋立ててブチギレてる爆豪くんを鎮めるには、寝相の良し悪しを今夜体験しなくちゃいけないぽい。
「うう…出久くんと轟くんの隣が良かった…」
「まだ言ってんのかテメェ…つーかなんでこんな布団くっつけんだ」
「くっつけてぴったりにしないと気が済まないらしい」
職場体験のときのオレの嘘を信じてる轟くんが3人分の布団をピッタリくっつけてしまった。変な拘り持ってんのな、と爆豪くんにまで言われる。
日課のクロッシーロードをやる轟くんにくっついて結果を見守る。
「あ、ベイマックス使ってんの?」
オレが引いたやつ、と言うとあぁ。と返ってくる。
「なんかすごい間抜けな音するじゃん…空気抜けてる?」
「あぁ。定期的に入れてやらないと萎む」
欠陥品のベイマックスを引いてしまったようだ。
プィ〜みたいな音しながら小さくなってくベイマックスかわいい。
「何やっとんだ」
爆豪くんもオレの隣に寝転んでくる。
「クロッシーロードっていう…なんていうのこのゲーム」
カメラに追いつかれないように進んでくやつ?と伝えオレの画面を見せる。
「……お前、コレ誰かにやってもらっただろ。ここのステージだけ明らかに点が多い」
ギク。爆豪くんに指摘されたステージと、そうじゃないステージを轟くんも一緒に見てる。
「自分でやったもん」
「嘘つけ俺の目ェ見て言ってみろ」
なんでそんな尋問スタイルなの!?轟くんと爆豪くんに顔を近付けられ、後ずさる。あまりにも無言て詰め寄ってくるから、座ったまま背中を倒してイナバウアーみたいな姿勢になった。
「オイ、そろそろ消灯時間だぞ」
助かった…!相澤さんが襖を開けてくれたおかげで歯磨き行く組と寝支度始める組に別れて動き出す。
「何やってんだお前ら…」
ちょっと呆れ笑いしてる相澤さんかっこよすぎてガン見しちゃった、ダウナー日本代表。世界覇者ねらえると思う。
「オレ歯磨きおわってるも〜ん、2人は?」
2人も終わってる、と返ってきた。
「轟、またそのゲームやってんのか…」
「くましろのスコア追い越したくて」
「…あぁ、それ俺とマイクで職員室でやったやつか」
わざとオレに視線をよこしたあと、轟くんの画面を覗き込んでネタばらしする相澤さん。
「ちょ、なんで言っちゃうの!!!」
「ハッ、他のスコア雑魚すぎておかしいと思ったわ…」
雑魚て!!!と爆豪くんを睨むと睨むなボケと頰をつけられる。痛い。
「ズルいぞくましろ、正々堂々勝負しろ」
「最高スコア1400です、爆豪くんつねらないで!!!」
「…くそ、200足りねえ」
「轟、消灯時間だっつったろ」
続きをやろうとする轟くんのケータイを取り上げる相澤さん。流れでオレも取られる。…え、なんで?と見上げると悪い顔してる相澤さん。
「爆豪のスマホのアラームだけで充分だろ。今夜は没収。…ほら、さっさと布団に入れバカ3人」
3人、と入れられてることに納得のいかない爆豪くんがあぁ!?とキレてたけど相澤さん完全にスルー。つよい…。
「ブッ、爆豪まで並んでんのかよ!!」
歯磨きから戻った瀬呂くんたちが爆笑してる。相澤さんの手前、もう起き上がれない爆豪くんは怒りでプルプルしてる。つられて笑ったら近くにいるオレが一番八つ当たりされるやつだ…。
「さむ…」
暑がりな子が多いA組男子の部屋、22度でキンッキン。肩まで布団被って靴下はいてる。寒い…。室内が寒い想定してなくて長袖のシャツ持ってきてない。からできる限りの対策したけどそれでも寒い…。
「爆豪くん、ジャージの長袖持ってない?」
「あ?…あっけど」
「寒いから貸して…」
おらよ、と顔面に投げられる。助かるありがとう〜!と袖を通す。これで布団かぶればちょうどいい。
「よし、これであったかい!」
轟くんの布団に入る。轟くん、手は片方ほんのりあったかい、片方ほんのり冷たいんだけど体温自体は高めなのかすごいあったかい。前回もこれでよく眠れたんだと思う。
「ナチュラルに入ってくるんだな…」
暑かった?と聞くと平気だ、と返ってくる。
その様子を見ていた相澤さんがクーラー上げてもらえばいいだろ…と言ってくるけど、暑がりが多くて討論の末22度に落ち着いたからこれ以上上げるとブーイングくらいかねない、と伝える。
「爆豪くんちの柔軟剤、いい匂いだね〜」
「石鹸みたいな匂いするな」
「嗅ぐんじゃねえやボケ2人!!!」
借りたジャージを二人で匂ってると、褒めてるのに向こう側からキレてる声がする。歯磨き組も布団に入り、相澤さんが電気を消す。ピッて聞こえたからシレッと温度少し上げてくれたんだと思う。
優しい…!!けど、逆に暑がり組が寝苦しくならないといいけど…。
まだ窓も部屋も真っ暗な頃、背後からお腹に手を回されて起きる。その腕の体温がめちゃくちゃ熱かった。
「ん…?」
轟くん?と思って振り返ると爆豪くんだった。轟くんはオレが抱き枕として抱っこしてるから目の前にいる。
「ばくご…?」
「起きんな、寝ろ」
前向け、と言われて頷く。あのあと誰かがまた部屋をキンキンにしたみたいですっごく空気が冷えていた。そんな中半袖で寝てる爆豪くんの体感はどうなってんだろう。
物理的に前後をサンドイッチされて、すっごくあったかい。
「ふ、あったか…」
「寝ろっつってんだろ…」
思わず漏れた一言にも即答される。もしかして寝付けないのかな?意外と神経質そうな一面はある、枕変わったら寝れない…とかじゃなくてもいつも一人で寝てるのに色んな人の呼吸音とか、布団の布擦れの音とかで寝付き浅いとか…?
ゴロン、と寝返りをうって爆豪くんに向き合う。
「ねれない?」
「…寝とる」
返事してるじゃん、と返す。爆豪くんにも布団をかけ直し、頭から耳を覆うようにゆっくり撫でる。
「…ガキ扱いすんなや、くましろ」
「ちがうよ、耳あっためるとすぐ眠れる気がするから…ね、一緒にねよ?」
右手で繰り返し繰り返しゆっくり頭を撫でると、寝息が聞こえてくる。おお、…完全に寝た。やっぱり入眠しにくかったのかな。
部屋にかかってる時計をみると、まだ3時。あと2時間は寝れる。
(おい緑谷も起きてみろよ、コイツら全員こんなくっついて寝てんぞ…!)
(わ、ほんとだ…かっちゃんまで…)
(声小さくしてるとはいえ騒がれて起きねえの珍しいな〜写真撮っとこうぜ!)
(なぜくましろくんは爆豪くんの耳を塞いでいるのだ…?)
(この部屋ちょっと寒ィからな…耳とか血管ある場所あっためっと早く寝れるだろ、それじゃね?)
(すごい…かっちゃんのこんな柔らかい表情、初めて見たかも…!)
(さむ…)
(い゛っ…じっとしろや…)
(ん…)
(さらにくっついた…!つーかエアコンあげよーぜ、俺も寒ィ!)