Alien
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読みは当たっていたようで土が波のようにえぐれ始める。セメントス先生の自然バージョンか…ていうか待って、行けばいい場所聞いてない。ガードレールにしがみついておく。
「振り落とすの待って!!質問に答えてくださいキャッツさん!!!」
「おーおーずいぶん反射神経いいんだねぇ〜残ってるなんて…で、何?」
「山のふもとってどの辺りですか!?あの、なるべく詳しく指差してください!!!」
「こいつ方向音痴なんで言っても無駄だと思いますけど一応お願いします」
方向教えてくれないほうが迷うでしょうが!!
「あららん、まぁいつまで経っても来なかったら迎えに行ってあげるから心配しないでね。ちなみにあそこらへんよ」
「あそこらへん!???!え、どこ!??!ちょっと待ってまだ分かんない落とさないでぇぇぇ!!!」
「まあ夜になっても来なかったら、迎え行くからがんばれ」
相澤さんにも念を押された、これは頑張るしかない…。
崖から落ちてそのままじゃあ衝撃で死ぬから、とりあえず空に背を向ける。着地ちゃんとしないと。
「今から3時間!!自分の足で施設までおいでませ!
この…"魔獣の森"を抜けて!!」
3時間かかるのか、3時間のタイムリミットなのか…。
「よっしょ、と、…魔獣の森…?」
なにその某海賊漫画に出てきそうな森。
「なんだそのドラクエめいた名称は…」
やっぱみんな思うよね、うんうん。
「もう早速あそこらへんっていう方向がわかんないわ…このままじゃ餓死しそう」
「くましろくん逸れないようにね!なるべく僕と一緒に行こう」
「出久くん…もしかして、天使?」
そんな会話してる最中でも峰田くんはトイレに相当行きたかったらしくて駆け出した。
あれ?寝てたからわかんないけど、1時間後くらいにトイレ休憩寄るって言ってなかった?ここがその1時間後の場所なんだろうか??
峰田くん駆け出した先には…なんていうか…
ドラクエよりはモンハンに出てきそうなビジュアルの魔獣。
大きなトカゲみたいなイメージ。恐竜みたいでちょっとかっこいい。
「「マジュウだーー!!?」」
上鳴くんと瀬呂くんがハモる。綺麗な絶叫だった。
「すごーいファンタジー!!!ハリーポッターだったら仲良くなって空飛べるよこれ!」
「くましろくん違くない!?」
「静まりなさい獣よ、下がるのです」
口田くんが個性を使って魔獣を操ろうとするも、土くれだから意味なし。
ほんとの生物じゃないとダメなんだね、ふむふむ。
「土ってことは乾燥させたり、濡らせばなんとかなるのかな?」
とりあえず口田くんを襲おうとしてる魔獣の右手を蹴り飛ばす。地面の土使っていくらでも湧いてきてる。まじでセメントス先生の自然バージョンだな…。コンクリートジャングルとまじのジャングルで相性の良い個性だ…。
「っの、いいとこ持ってってんじゃねえくましろ!」
「わぎゃっ!?」
爆豪くんにデコピンされた。なんでデコピンするのって聞いたら、目立つなって言われた。なんて理不尽…。
無限に湧いて出てくるし、こちら側が攻撃しようと生命体じゃないから痛覚もない。無限湧きで向こうはある意味体力も無限、相手にするだけ分が悪い。
「くましろくん、相手にするだけ分が悪い!」
「出久くん、施設の方角とか聞いた?」
「北の方にあるってことしか…」
北か…。
「どこか、ちょっと影指すような空間ないかな?方角調べたい」
うん、と出久くんと一緒に走り回る。雨水でできた細い川辺のような場所にきた。木々の隙間が良い感じに開いてて、ここなら調べられそう。
「調べるってどうやって?」
「ほら、太陽は東から上って南通って西に沈んでいくでしょ?今が南の頂点くらいだと思うんだよね。昼間だし。
そういうときに棒をおいて、影が一番短い方向が北だって聞いたことある…
あ!出久くん、時計してるじゃん。貸して?」
「くましろくん、詳しいんだね…はい、どうぞ」
「方向音痴どうにかしろって言われて調べたの、実践は初めてなんだけど…。
え〜と…?まず腕時計の12時の方向と、現在の短針の方向を二分する方向に、現在の太陽の位置を合わせる…もうちょいそっちだね。この方向が、おおよその南…うん、棒立てた影とも一致する!こっちが北…の…はず!!!」
移動しながら腕時計を水平に移動させておおよその方角を調べる。合ってるかはつくかつかないかで分かる。
「よし、じゃあ向こうだね!行こうか」
頷く。水とか入ってるバッグもスマホも全部バスの中だ…。空き地から下ろされる前の山あい的に、電波通ってなさそうだけど…。
何回かアナログ時計とその場にある棒で方角を修正しつつ、おおよその北である方へ走る。途中土くれにやられて派手にころんだ。顎から下がドロドロで泣いた。
「うう、お風呂入りたい…汗臭いしベトベト…」
「大丈夫僕も臭いから!あともう少し!!」
夕方になる前には着きたいね、と話していたけどだんだん日が暮れてくる。
もしかして、全然違う方向かってた…?出久くんを巻き込んで…?といろんな不安が襲ってくる。
「…!そうだ、木の上から見下ろしてみる?」
「着地がね…擦り傷だらけになりそう…」
確かに…。
「大丈夫、なんとかなるよ!僕もこっちで合ってる気がする!だってこの土のモンスターがさっきより明らかに増えてる。多分ラストスパートで配置してるだろうし、合ってるんじゃないかな」
(……)
((つ、ついたぁあ〜!!!!!!))
(やったよ出久くん!!!ついたついた!!)
(すごいねくましろくん!!合ってたよ!)
(ドロドロだなお前ら…)
(1回派手にこけた)
(ぬかるんでたから見た目がすごいことになったよね…)
(おお、着いたのか)
(相澤先生〜!オレ頑張りました!サバイバル動画見たのが役に立った!)
(くましろちゃんが案内役だったの?)
(太陽と時計とか、影の角度で方角割り出してくれたんだ)
(緑谷、よくコイツ信じたな)
(まって相澤先生、しれっと酷くない??)