Alien
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「…とまぁそんなことがあって、敵の動きを警戒し毎年使わせて頂いてる合宿先を急遽キャンセル。行き先は当日まで明かさない運びとなった。」
「えーーー!!!」
「もう親に言っちゃってるよ」
瀬呂くんがそう愚痴をこぼす。1週間だから、職場体験先みたいに行き先明かさないのモンペ湧きそうなもんだけど、意外とどこの家庭も理解あるのかな?
「故にですわね…。話がどう誰に伝わっているのか学校が把握できませんもの。」
ヤオモモちゃんがそう言う。
「合宿自体をキャンセルしねえの英断すぎんだろ!」
峰田くんがそう叫ぶ。たしかに…まあ体育祭も決行したし、今更中止にしたら日和ってると思われかねないしなあ…。
「…じゃあ、相澤先生も知らないでバスで向かってドッキリ合宿ってことですか?」
「んな訳ねえだろ、俺は知っててお前らがドッキリ合宿だよ」
「何今のドッキリ合宿って!!!!カワイイ!!」
「お前が言い出したんだろ…爆豪、席につかせろ」
「チッ…座れバカくましろ!!」
すごい勢いで怒鳴られたから急いで座る。怖い。
「つか…てめェ…骨折してでも殺しとけよ」
後ろに居る出久くんに向かってそう言う爆豪くん。オレにも刺さるんだけどナ…。
「ちょっと爆豪、緑谷がどんな状況だったか聞いてなかった!?そもそも公共の場で"個性"は原則禁止だし…」
「知るか、とりあえず骨が折れろ」
「かっちゃん……」
この会話の内容を話を遮られた相澤さんはすごい顔で見てた。から写真撮った。そしたら余計すごい顔になったから笑い堪えられなくて笑った。さすがに怒られた。
休み時間、廊下歩いてると見知った2人の後ろ姿が見えるのでダッシュ。
「ムムッ!!?なんで相澤先生と心操くんが!?ついていきたいです!」
「ダメだ向こう行ってろ」
「また後でな」
しっしっと犬を追い払うように(前マスコミにやってたみたいな冷たい目線付き)する相澤さんとは打って変わって、優しげな心操くん。天と地の差。でも相澤さん好きです。
「…仲間はずれだ。そうやって…そうやって人を差別してくんだ相澤消太は。あんたはそういう人なんだな。
うっ、相澤先生に嫌われたぁぁああああ「分かったから静かにしろ」ふぁい」
捕縛武器で鼻まで塞いで来たから慌てて返事をする。殺されかけない。
「雑談しに行く訳じゃねえし、お前のワーキャー騒ぐ時間も作ってやるから泣きわめくな、廊下で。じたばたするな廊下で。」
廊下でって二回も言われた。
「じゃあどこならいいんですか」
「場所の問題じゃあねえんだよ、分かれバカ」
だって廊下でって強調するから!!!
「プッ、クックッ」
何笑ってるの人使くん。おこなんだけど。
「…30分後に職員室来い。」
「!わーい相澤先生だいすき~~!!!!あいらぶゆー!!!」
「廊下で騒ぐなクソガキ、屋上から吊るすぞ」
「それはやめてくださいマジで」
怖いから。鳥寄ってきそう。餌じゃないのに啄まられたらどうするのさ。
あのあと、話が立て込んだみたいで結局相澤さんは職員室に戻ってこなかった。待ってる間暇だし、とラブレター?応援レター?の続きを適当に読み漁る。
母さんとのことを言及するようなのは今のところなく、ゼンマイと相澤さんが言ってた通り「親子とはいえ全然違うんだね…」みたいなテンションの物が多かった。
特に体育祭が終わってからの時系列が多く、いっぱい見てたんだな〜と実感する。
そんな時、「ウソ!??!」と甲高い悲鳴が聞こえた。
え、何!?ゴキブリ!?オレもびっくりして思わず立ち上がる。何年生かは分からない、女の子2人。
「……アレ、どこかで見たような…」
「くましろくんが、なんでここに…!?」
そりゃいるよ、職員室だもの。二人の手には手紙。……もしかして、ファンクラブの人…?
「……あ!思い出した!薬品かけちゃった……マリアさん?だっけ?」
「あ…ぅ…ヒャイ!!!」
すごい裏返った声で返事された。初めて手紙読んだあの人だ。普通科の優しい手紙をくれた人。通りでぼんやり記憶があるなあと思った。
「て、手紙読んでくれたんですか!?」
声がでかい、ゼンマイがニヤニヤしてるから!!
「…ゼンマイ、ニヤニヤしないでよ!…全部は…さすがに…。相澤先生にこんだけあるぞって教えてもらったとき、適当にガサゴソした初めて読んだ手紙が貴方のだったんです、よ。」
なんか恥ずかしくなって声が小さくなる。
「青春じゃねえの〜!悪ィな、相澤今席外してんだ。ま、渡す相手いるから関係ねーか?…ちなみに嬉しくて泣いてたぜ、コイツ」
ケラケラ笑うゼンマイの手を軽く叩く。
「ちょっと!!!」
「よ、読んで…」
え!?大丈夫!?連れのお友達が座り込んでるけど…!?
「み、ミッドナイト、オレどうしたらいい…!?」
「とりあえず駆け寄ろうとしちゃダメよ、致死ダメージになるから」
そんなに!??
じっとしてなさい、と言われたので直立でじっとしておく。
「今回たまたまいるしってことで、手渡ししたら?」
ミッドナイトがそう言うと、相澤さんにからかわれてるときのオレみたいに顔を真っ赤にしたマリアさんが、震える手でお友達の分も含めて手紙をくれる。
そうか、こういう気持ちなのか。
アングラのイレイザーヘッドに公式ファンクラブなんてものはなく、こんな機会ないから想像するの難しかったけど…。
「あ、ありがとう…!」
目を見てお礼をいう。
「わ!わたし!これで失礼いたします!!ユミ、行くよ!!くましろくん、これからも影から応援してるので!!じゃ!!!」
すさまじいスピードで友人を叩き起こし、台風のように去っていった。
「足はや…」
ゼンマイにそこかよ!と笑われる。
「…くましろちゃん、多分だけどファンクラブの人数爆発的に増えるわよ」
ミッドナイトに肩を叩かれる。
「な、なんで…?とくに何もしてなくない…?」
「職員室で一方的に渡されたラブレターをちゃんと読んでるって、ファンにとってはでかい事実なのよ…しかもあげた子のこと覚えてたでしょ?
たまたまであっても、相手からしたらめちゃくちゃ嬉しいモンなの。あの2人が良い意味で言いふらして、倍増すると思う」
(…ってことがありました、相澤さんが約束破ったあのとき)
(トゲトゲしい言い方すんな、悪かったって謝ったろ)
(ゼンマイにからかわれて大変だったんですから!!!アイスで許します)
(分かった、プリンもつけてやるからそう拗ねるな)
(わーい!やったー!)
(扱いやすくて助かるよ)