Alien
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1年の準備期間があっという間に感じた、入試の日からもう2週間とちょい、相澤氏不在の家。
家主が居ないってどういうこと?しかもなんやかんやもう1ヶ月くらいずっといないけど?!さすがに人のお金を探すわけにもいかないし、母さんに頼りたくないしでそんなにない貯金を崩してゼリー生活なんだけど!しっかりとしたメシ食いたい!
「…はらへった…にく、肉がくいたい…」
もう肉じゃなくてもいい、白米がたべたい…こんなマスカット味のゼリーで満たされるかよ…大嫌いだ相澤消太…恨んでやる…
「何ブツブツ言ってんだ床に寝て」
「にくがくいたい…相澤消太なんてハゲろ…」
「ハゲるか。じゃあとっとと買いに行くぞ」
「ハゲ………………え?」
振り返る。幻聴じゃない?え、相澤さんが、いる、
「あ、相澤さんだああぁぁぁぁ!!!!」
久々すぎて目が潤む。
「!?なんだよ急に…」
泣くんじゃねえ汚いとか暴言吐かれた。泣くわ。余計に泣くわ、傷つきの涙が流れるわ。
「いや1ヶ月も家空けといて!!!相澤シックだわこちとら!1人のメシの寂しさ分かるんか!」
「…はあ、喧嘩売ってんのか?」
ピキ、と青筋が入る。申し訳ない地雷を踏んでしまった。
「あ、…いや悪気ないです、間違えました」
「長い事留守にしたのは悪かった…がなんだよ、相澤シックって」
わしゃわしゃと犬のように頭を撫でられる。
相澤さんは口や態度は一見すると冷たいけど、こういうところがすごく優しい。寒いから服貸してって言ったら、俺も買う予定だったからなってぽんぽん服買う(買い過ぎでは?と心配になるレベルだった)し、今だって流石に寂しかったって言ったら撫でてくれる。
「ホームシック的なあれです。」
「…意外だな、お前寂しがり屋なのか」
「そりゃ1ヶ月も1人ならね!大変だったんですから、入試!
って話とかもしたかったし……落ち着かないし…!」
ジタバタと主張しているとまあまあ、と頭に手を置かれる。
「ほらこれ」
「あ、合否通知書!……なんで相澤さんが?」
やっと届いた!って思ったのも束の間、毎朝6時にポストを確認するのが日課になってしまった俺が今朝届いていたなら見落とすわけがない、のに。
「そりゃお前、俺は雄英の教師だからな」
は?
「え?……え???…えっ!?まじで…??」
大混乱。雄英の、教師!?ということは、プロヒーローってことだよね?ていうかまず、あの入試の日もしかして居たのか?
「敢えて言ってなかったって言うのもあるが……そんなに驚くか?」
「いや、当たり前でしょ?!…じゃあ俺が、実はマイケル・ジャクソンの生まれ変わりなんですって言ったら驚きますよね!?」
まさかの雄英なのか、そうなのか…知らなかった。いや今年1番の衝撃だよこれきっと…むしろ人生1かもしれない。
「マイケルジャクソンてお前…大きくでたな」
「何ちょっとウケてんすか!!!」
二重でバカにしないでほしいね!気づいてますからね!
「ふっ、…待っててやるから中身さっさと見てこいよ」
そのあと肉でもなんでも買ってやるとのこと。
「ここで見ちゃダメなんスか?」
封を開けようとしたら手を掴まれ制止されるので見上げる。
「…こういうのは1人で見るもんじゃないか?」
そうなのか?じゃあそう言うなら、相澤さんのベッドの上で見てやろう。ロボットいっぱい倒したから全く自信ないわけじゃないし、かといって最後まで意識失わず試験できた訳じゃないから絶対的な自信があるわけでもないし…
もしも、があったら気まずいから部屋で見るように言ったんだろう。
「すご!!ホログラムだ!」
スターウォーズを思い出す。かっちょえ〜!!ただの紙じゃないんだなぁ。どういう仕組なんだろう?
みょん、と映像が映されると共に背景がすごく気になる…なにこれ笑っていいとものセット?
「えっ?」
ぬっ、とカメラ外から入ってきたこの人は…相澤さん??
『…まあ、なんだ。…合格だ。雄英に来い。』
いや短っ!!サプライズとかじゃないのコレ!?それだけ?!??ていうか合格をさらっと言ったね!??
『え?短い…?大丈夫ですよこんくらいで……他の奴らはオールマイトなんですから…』
音声入ってるぞ相澤氏。…やっぱり俺の、ために出てくれたのか。
『あー…内訳としてポイントは42…とレスキューポイントがプラスで40…で、お前がぶっちぎりで1位だ。
1年で仕上げた割に結果は上々。』
1位であること、と並んであの厳しくて全然褒めてなんかくれなかった相澤さんから「上々」、
と最上級の褒め言葉をもらえたことに涙腺が緩む。
『…はい。』
フレームインするよりも早足でフレームアウトしていった相澤さん。
数秒、ぼうっと書面を眺める。書面にも「合格」の2文字。合格……したんだ本当に。
(うぎゃああぁあぁぁぁ!!!相澤しゃん!!!)
(うぐぉっ!!!)
(世界でいちばん大好きですぅう~!!)
(わかった苦しい、苦しい…っ!!)
(あ、すんません。締めるつもりは…)
(殺す気か)
(嬉しくてつい)
(そんでいつまで抱きついてるつもりだ)
(あと4時間くらい余韻浸りたいです)