フロイドに甘やかされる・男主
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生態
*ナマエ・ミョウジ
「マンタちゃん、なんでいつもオレのこと睨むの?」
「え?…いつ睨んでた?」
「さっきもだしぃ、昨日も〜。マンタちゃ〜ん!て声かけるといつもこんな顔すんの。」
こんな顔、と再現されたフロイドの顔を見るとまあ確かに…眉間にシワ寄せて睨みつけてるみたいだ。
「…睨んでない、俺視力悪いんだ。ほとんど見えないんだよ」
「…アルビノってやつだから?」
人間のときまで引き継がなくていいのに、引き継いでしまったせいで視力がとんでもなく弱い。直射日光に弱くて、日差しが強い中だと目がズキズキ痛むから特例措置でバルガス先生に見学と、参加できる季節の常時サングラスを許可されてる。
「睨んでるように見えるか……もしかしてサバナの奴らに絡まれるのそれかな」
「ウミガメちゃんみたいにメガネかけねえの?」
「うーん……落としたら結局一緒じゃん。でも誤解させるくらいなら作ってみようかな…」
無用な争いは生みたくないし、意図してないとはいえ俺きっかけなのも嫌だ。放課後聞きにいってみるか…確かルークさんと同じクラブだからサイエンス部だったよな。
「ルークさん、トレイさん」
「おや、ムシュー・白雪!どうしたのかな?」
真っ白だから白雪らしい。変なあだ名があっちこっちでつけられてる。
「トレイ先輩にメガネ作りのコツを教わりたくて…」
「メガネ?……あぁ、目が悪いのか?」
「多分この学園で一番悪いです。……フロイドに何で毎回睨みつけんの?って言われちゃって…」
「あ〜…分かるよ、見ようとして集中してるんだろ。しかめっ面になっちゃうよな」
「ムシュー・白雪、君はアルビノだろう?視力が低いのではなく弱視なのではないかな?トレイ君のようにメガネをかけてもあんまり変わらないと思うな」
「え…そ、そうなんですか??」
「詳しいな、ルーク」
「フフ、森の中でもたまに白いリスや白いカラス、蛇なんかを見かけるからね…不思議だと思って調べたことがあるんだよ」
白いリス……気になる。俺みたいに真っ白なんだろうか。結局アルビノというものについて教えてもらっただけだ。メガネやコンタクトレンズでの矯正はほぼ意味がなく、光に弱いこと。だから変わらず日焼け止めや人一倍の対策を心がけるようにね、とルークさんに言われる。サンバイザーなんかをくれたのはこれを知っていたからなのか…。
少しだけしょんぼりしてサイエンス部をあとにする。結局しかめっ面にならないように注意する、くらいしか対策方法がない。
「マンタちゃん、そんなんでよく海面近くあがってたね。しんどくねえの?」
「しんどいよ、なんか痛いし。目つぶって食べてた…だから今のほうがお腹いっぱい食べられる」
「だからこんな細えんだ……よしよしマンタちゃん、今日からいっぱい食べなね」
「飢えてるわけじゃねえけど……あのさ、フロイド。これつけて」
「……香水…?マンタちゃんが買ったの?」
「いや、作った。フロイドの声がしても大体の方角とかしかわからなくてさ…あと走ったりしてるときもなんとなくわかるけど、匂いがあればもっと分かりやすくなるから」
「ふは、マーキングってこと…?ん〜いい匂いすんね」
「フロイドっぽい匂いにしたつもりだよ」
毎日つけるね!とフロイドは上機嫌だ。俺からモノあげるなんて初めてだもんな…。機嫌の上げ下げが激しい気分やなフロイドをイメージした少しスパイスのきいたピリッとした香り。時間が立つと少し甘い柔らかい匂いになるように調合した。
「…!フロイド?」
「あはっ、ほんとに気付いた……マンタちゃん、ぎゅ〜っ!」
後ろからふわりと香水の香りがして振り向けばニコニコのフロイド。おお、いいなこれ。いきなり抱きついてくることもあり毎回心臓が縮む思いをしていたから、これならフロイドが近くにいるってすぐわかる。あと我ながらいい匂いの香水作ったと思う。
「オレもマンタちゃんに香水あげよっかなあ〜」
「う、んむ、危ね…フロイド…っ!!!」
人目も憚らずキスをしようとしてくるフロイドの背中をバシバシ叩く。上機嫌だとそれはそれで手につかない。考えものだな…。
「…ご機嫌だな、なんかあった?」
「香水ごと褒められた。マンタちゃんが作ってくれたんだよ〜ってイシダイ先生に自慢してきたぁ」
別にクルーウェルも自分で香水作ってるから羨ましがったりはしないだろうけど…。俺があげた香水がほめられた、ってことが嬉しい…のか?
「ふふ、可愛いな」
「んふふ……」
「重い重い腰折れる!!!!」
今度こそ強めに背中を叩く。逆向きに折れちまう。
「ん…?……は、お前、ジェイド…?!」
「おや……バレてしまいましたか。本当に貴方は鼻が利くんですね」
話し方や表情までフロイドからジェイドに変わった。やばい、ジェイドとベタベタしてたなんて知られたら殴り合いの喧嘩に発展するんじゃ…?
「あ〜!!見つけた!!!マンタちゃんになにしてんのジェイド、事によっちゃ鼻折るけどぉ…」
ブチ切れてるフロイドが校舎の方から駆け寄ってくる。
「フフフ…発端は貴方でしょう、フロイド。交換しようだなんて言い出して」
そうだ…なんかよく分からないけど二人で変装し合って交換してる時がある。1年の頃は分からなくて引っかかった記憶がある……あれも散々フロイドに馬鹿にされたっけな…。
「マンタちゃん、何されたか言って?」
「抱きしめられたくらい…キスは阻止した」
「はぁ゛!???!ジェイドお前マジで……ふっざけんなよ!!!!」
ビュン!とマジカルペンから風の魔法が飛んでいく。
「おい、中庭で喧嘩なんかすんな!色んなやつ巻き込むだろ!!」
止めようとしたけどアドレナリン出てる二人には届かない。殴り合いながら、蹴り合いながら魔法をぶっ放し合って大喧嘩してる。ジェイドは喧嘩中でもニコニコしてんだな…。
「あ゛ぁ゛ぁ゛ウッゼェ!!!!オレの番に手ェ出そうとしてんじゃねえよ」
「フロイドの行動を真似しただけですよ」
ジェイドが光の魔法を出す。思いの外強い魔法で目に鋭い痛みが走る。
「い゛っ……!??」
「マンタちゃん?!ジェイド、それやめろ!」
「いたい、痛い…っ!!」
目に何か刺されたような痛みだ。頭までズキズキする。ほんとに何か刺さったのかもしれない。あんまり目を押すな、とフロイドに手を取られる。
「マンタちゃん、マンタちゃん…目見せて?ジェイド、ブレザーで屋根作って暗くしろ、早く!」
「痛い、ゔ…っ…」
「大丈夫、血とか出てねえから…今暗ぇからゆっくり目ェあけてみ?」
片目でもいいから、と言われる左目をゆっくりあける。痛すぎてぼろぼろ流れる涙が止まらない。
「……見た目はなんともなってねえみたい…まだ痛い?」
「いたい」
「ジェイドのせいだかんな……これハンカチ、目に巻いてあげる。あと…部活で使おうと思ってたタオルと…」
「申し訳ありません、ナマエさん……」
「いいよ…ただこんなとこで喧嘩すんな。まじで巻き添え食らった」
「ごめんね、マンタちゃん…」
タオルをぐるぐると巻かれる。まだ頭も目の奥?もズキズキと痛む。痛すぎて手が震えてる。騒ぎを聞きつけたクルーウェルが怒鳴りながらやってくる。
「……ミョウジか?何があった」
「ジェイドの光魔法見て痛がってる、これ自然に待つしかねえの?」
「……そうか…鎮痛剤を服用すればマシになるだろう。念の為今日一日は目元をそうやって暗くしておけ。…ミョウジとジェイド・リーチが喧嘩したのか?」
「違う、リーチ同士で。止めようとしたら巻き込まれた。」
「ちょ、なんで引き剥がすんだよ!」
ぐい、と引っ張られ多分このモフモフは…クルーウェルのコートだろう。俺と引き剥がされたフロイドは不満げな声を上げるが、そもそも原因だしこんな往来で魔法を使って喧嘩するなと至極真っ当な説教を受ける。反省文のペナルティを言い渡され、フロイドに関しては俺の目が治るまで接触禁止のペナルティ。
「あのな、本来光というのは刺激だ。それを角膜やらがうまいこと保護してくれてるおかげで、お前ら駄犬は光を目に入れることができるんだ。この子犬はその力がない。そんなやつの目に入る距離で光魔法だと?目に刃物を突き刺しているのと同意だ、少しは反省しろ駄犬共が!」
目が完全に見えないからクルーウェルからヴィルさんに話がいき、今日の授業はもう切り上げで寮に戻る。スマホも見れないし、部屋の電気もなるべくつけるなと言われたのでもう寝るしかない。
とんだ喧嘩に巻き込まれたもんだ。あの喧嘩もまあ……じゃれ合いに近いんだろうけど…。じゃれ合いじゃない限りの喧嘩は見過ごすのが得策かもな…。
「入るわよ」
「ヴィルさん…今何時ですか?」
「まだ4時。……困ったわね、本も読めないし暇でしょう。音楽でもかける?」
「ん〜…。あ、オーディオブックとかってあります?このままだと寝るしかなくて」
「災難ね。痛みは?」
「鎮痛剤飲んだからかだんだん収まってきました。あんな痛いとは…」
「エペルも心配してた。すごい痛がり方だったって…今あの子リンゴ切ってるわよ」
「え!やった〜エペルくんのリンゴ美味しいから好き」
そういうと現金ね…と笑われる。なんやかんや心配して見に来てくれるヴィルさんはやっぱり優しい。さすがに授業に関するオーディオブックはなくて、小説のオーディオブックをかける。ナレーション、主人公、その他の人たち…同じ人が読んでるけど読み方が違うおかげで区別しやすくてなかなか面白い。
シャワーを自室で済ませてスキンケアもなんとか終える。そのままベッドに入る。ピロピロと通知がなっているのはもしかしなくてもフロイドだろう。返せないのが申し訳ないけど…。タオルを巻いてる状態でもベッド横のランプの豆電球でさえズキズキと痛む。スマホの画面なんか見たらやばいから返信できない。
「あ…電話…。」
フロイドに電話すればいいんだ、とスマホの中のAIに指示して電話をかける。
「もしもし?ごめん、フロイド。電話すればいいんだって今気づいた」
『マンタちゃん…まだ目ぇ痛い…?』
ものすごいしょげてる……。こんなにしょんぼりしたフロイドの声を聞くのは初めてだ。この先もないんじゃないか?怒られまくった子供のように声色が低い。
「治ってきたよ……ジェイドは?ジェイドも凹んでるの?」
『いまジェイドの名前出さないで!』
「まだ喧嘩中?仲直りしな……フロイド、俺が眠るまで話しててよ」
『それはいいけど仲直りはしない。オレのマンタちゃん傷つけたんだもん』
「二人ともわざとじゃないだろ?治る傷だからいいじゃんか」
『嫌なモンは嫌!』
「やけに声響くとこいんだな……部屋じゃないの?どこいんの、フロイド」
『モストロラウンジ……今日ここで寝んの』
モストロラウンジ、結構寒かったよな…。フロイドのことだ、ブランケットなんか持ち歩いてないだろう。
「…分かった、俺の部屋までおいで。そこじゃ風邪ひく。見えないしちょうどいい…俺の目になって」
『いいの?』
「いいよ、俺は別に怒ってないから。…まあ次回は人いないとこでやってほしいけど」
そう返事をしてるとフロイドが走り出す音が聞こえる。走ってここまで来る気だろうか?ヴィルさんにバレたら怒られるだろうな…俺が。まあでも、いまのしょぼくれたフロイドに歩いてこい!って言ったって無理だろうから聞こえないふりをしておく。
5分もせずやってきたフロイドに抱きしめられる。
「まって、念の為チェック。……うん、フロイドだ」
「目ェ合わないのすげぇやだ…もう二度とやんない。ごめんね、マンタちゃん」
「わかったよ、そう何回も謝んなくていい」
肩から顔をつたっていき頭を撫でる。同じ香水で、おそらく制服も交換していたんだろうけどやっぱりどこかフロイドとジェイドは匂いが違う。部屋に入れてベッドに並んで入る。
元気すぎるとそれはそれで煩いが、元気がないとそれはそれで調子が狂う。静かすぎるフロイドの背中を撫でるようにしていると抱きしめる力がどんどん強まる。
「フロイド、もう寝よう。寝れる?」
「たぶん…」
「明日朝起きていなかったら泣くからな」
「あは、マンタちゃん甘えんぼだもんねえ」
「気のせい」
そう言い合いながら眠る。起きて、一旦真っ暗な部屋な中でタオルを外す。うん…暗闇に慣れすぎてなんにも見えない。ベッド横のランプの灯りを徐々に点ける。目は痛くない。カーテンを開けると目眩のようにチカチカする。これくらいならサングラスでなんとか過ごせそうだ。
「マンタちゃん…ぎゅってしてい?」
「いいけど」
眉が下がったフロイドにお願いされれば、今なら大半のことを許してしまいそうだ。なんだかんだ俺フロイドに甘いんだな…。
「安心した?目も…もともとそんなに見えないけど見えるよ」
「うん……今日オレマンタちゃんと同じ授業受ける…」
「わかった。朝ごはん食べよ」
背中をさすりお互い制服に着替える。ヴィルさんにもちろん軽く怒られたけど、しょげまくってるフロイドを見て軽めに済ませてくれた。
(うぶ……ん…誰?ごめんね、よく見えなくて)
(フロイド先輩、ナマエ先輩…どうかしたんスか?)
(その声はエースくんか。ちょっと目を痛めてて今はフロイドが俺の目なんだ)
(目を痛めて…?つかそれで元気ないんですか?フロイド先輩)
(そう…うお)
(マンタちゃん危なかっしい…オレだっこしていーい?)
(うわ!?急に持ち上げんな、びっくりした…)
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