未来のフロイドと・男主
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ひょんなことから
*ナマエ・ミョウジ
「おわ……」
「あれぇ…あ゛〜……なに、魔法薬失敗した?」
お前がな、と頷く。クルーウェルも目を見張るこのハンサムな人はおそらく……フロイド、だろう。
少し髪が伸びて顔が大人びてるから確信は持てないけど。
「わあ、学生の頃のマンタちゃんちっちゃくてカワイイ〜、ぎゅーってしたげる」
俺の知ってるフロイドはこんなに優しく抱きしめてこない。いつも無遠慮だ、まあ締められてないからいいけど……ふわっと香った香水の奥にフロイドの香りがする…信じられないけどフロイドなんだ。
「…今何歳なの?」
「27!ちょーど10年後だね……カワイ、食べていい?」
「だめに決まってんだろ……」
鼻先をすでに甘噛みされてるんだけどなんとか止める。10年も経つとフロイドこんなにハンサムな大人に成長するのか…。クルーウェルも意外だったようで黙ってしまっているが俺と目が合うと、思い出したように罰則を言い渡してる。そもそも気分乗らない!って暴れたフロイドの適当な調合でおかしな魔法薬ができてしまったからだ。
「マンタちゃんと一緒ならやる」
「はいはい…なんか身長伸びた?」
「伸びた!ちなみにマンタちゃんは伸びねえよ」
すでに大きいからまあいいけど……あんだけ毎日ごはん食ってたらそりゃ身長も伸びるわな。小レポートの範囲を確認して鍋や器具を片付ける。制服じゃないのもあるけど、いつもとは違う意味でかなり目立ってる。
「ねえ、もうマンタちゃんとオレってえっちした?」
「ブッッ!!!!………しばき倒すぞバカ!!」
思い切り紅茶が気管に入って噎せた。何をあっけらかんと公衆の面前で言い出すんだこのバカは…!
「だって項に噛み跡ねえしさぁ」
「あんまり痛いから頻度落としてってお願いしたんだよ…毎回血が出るまで噛むから」
「あは、ごめぇん…そっかじゃあもう番なんだ……ねえベッド行かない?」
「行かない」
ぞくりとするような瞳のフロイドから目をそらす。ただでさえいつもフロイドに泣かされてるのに、こんなすべてを知ってるような余裕のあるフロイドに抱かれたら間違いなく泣いて終わらないだろう。
「…だめ?」
「…っ……ジェイドいるよ」
「いいじゃん見せつけても……あーでもマンタちゃん恥ずかしがり屋さんだもんねぇ…じゃー…ちゅーして腰抜かさなかったら諦めたげる」
「……嫌だ」
「え〜?…なんで?オレとえっちすんのイヤ?」
こいつ……未来の俺は絶対こうしてお願い事聞かされてるんだろう。この顔には確かに勝てない気がする。
「いつも泣かされるから」
「……へ〜ぇ?…ふふ、断る理由もカワイイねえ…こっちおいで」
人前じゃちゅーしないよ、と続けたフロイドの膝の上に乗ると頭を撫でられる。
「マンタちゃん、いい子いい子…未来で仕事ばっかしてオレに構ってくんなくなるし邪魔しようかなぁ」
「…俺10年後何してんの?」
「え〜?秘密……ちなみに20歳のときに結婚したよぉ…ほら指輪」
「わあ…綺麗じゃん」
なんの仕事かは未来が変わるかもしれないからと教えてくれなかった。フロイドの左手をみると薬指に綺麗なパールのような石の指輪がある。随分大人っぽい石だ、何となくもっとキラキラなのつけそうなのに。
「マンタちゃんぽいでしょ?白くてパンみたいでふわふわそうなの」
「……俺パンじゃねえよ」
おでこを突くとケラケラ笑ってる。小走りで寄ってきたアズールとジェイドに魔法薬学の授業でこうなったことを伝える。
「おや……少しはマシな見た目になってるんですねえ」
「アズールじゃあん、なんか幼いね。ジェイドも赤ちゃんみたい」
「フフ、また背が伸びたのですか?…ということは僕も伸びますね」
「嫌だなぁ、お前らどんどんデカくなって」
チョウザメの鱗のピアスはまだお揃いでつけてるんだろう、耳に下がったピアスを見る。ちょっと傷があるけど綺麗だ…フロイドは意外と物の手入れをするのが好きな一面がある。指輪もこのピアスも、そんでピカピカの靴もよく手入れしてるんだろう。
「マンタちゃんこのあと授業あんの?ないならデートしようよ」
「うわっ……ブレザーシワになるだろ…お前のやらかした小レポート以外はないよ」
「じゃあソレさっさと終わらせよーよ、デート楽しみぃ」
ウキウキなフロイドに横抱きにされて図書館まで連れられ、べったりくっつかれながらレポートをほぼ俺が書き上げた。筆跡でバレると思うけど……まあ楽しそうだからいいか。
「笑い方変わらないんだな……垂れ目」
「なぁに?口説いてる?……ねえ、ナマエちゃん」
ぞくりと背中が粟立つ。いつもマンタちゃん、と呼ばれるから自分の名前を呼ばれるのは抱き潰されてる時だ……スイッチを押されたように情事中のことを思い出してしまって恥ずかしいから、思い切り顔を伏せるとフロイドが静かに笑ってる。
「え〜反応超カワイイ……思い出しちゃった?」
「やめ、ろ……わざとやってんだろ」
耳元に顔を寄せられて慌てて仰け反るとニヤニヤといたずら小僧の顔で笑ってる……くそ、何が余裕のある大人っぽいハンサムだ、全然変わんねえよ…!
「うん、わざと…だってカワイイんだもん。早くソレ出してデート行こ」
麓の街に行くの久々だな…なんやかんや定期的に開かれてる古書市くらいでしか降りたことない。そもそもあんまりお店とかないけど。
もう仕方ないからいい、とクルーウェルにお許しをもらい、ヴィル先輩に外出許可証をもらって麓の街へ。知らない間にカフェとか出来てる、雑貨屋も増えたな……古書市向かって寮まで直帰してたから知らなかった。
「ここのパン美味そうじゃね?お腹空いた〜」
確かに…もうすぐ昼だ。カフェに入ると平日なのもあってか席はほどほど埋まってる。陽が当たる席に案内されメニューを見る。バターのいい香りがする……俺もお腹空いてきた。
「マンタちゃんこれ好きそう、ホワイトソースのクロックマダム」
「気になってた……カロリー見せて」
「なんで気にするわけぇ?マンタちゃんひょろいじゃん」
「言っておくけどひょろくはない。最近肌荒れやすいから気をつけてるだけだよ」
「ほんとぉ?好きなモン好きなだけ食いな」
「じゃあこのパフェも食べる」
「…オレが作るほうが美味しそうだけど」
じゃあモストロラウンジに帰ったら作って、とお願いする。普段はあまり飲まないジュースなんか頼んでクロックマダムを摘む。美味しい…!想像より味が濃すぎなくてちょうどいい。
「夜そっち行っていい?」
「………何する気?」
ニヤニヤとまたいたずらっ子の顔をしているフロイドを睨むとニコニコし出す。
「マンタちゃんと添ーいー寝っ」
「…フロイド身長伸びたんだろ?あのベッド更にキツイんじゃない?」
いつも足首出てるのに。脛辺りまで出ることになるかもな…とプラプラ路地を歩いているとフロイドに引っ張られる。
「何…?」
「しー……なんかコソコソつけ狙ってる奴いるからさァ…また密猟者かな〜って」
「…行くな」
「ふふ、番置いて行くわけねえじゃん……オレすごい魔法使えるようになったんだから…マンタちゃん、オレにギュってして」
思わず声が震えた俺の頭を撫でながらそう言うフロイドはあの日よりも随分と頼もしい。…あの日は本当にフロイドが死ぬかと思ったし、その後の夢見が悪すぎた。今でも凄く稀に見て魘されるときがある…フロイドの部屋に泊まってても一人で居ても。
言われたとおりフロイドに抱きつけばいつの間に大通りに出現していた。
転移魔法…?!そんな高度な魔法を一体…?フロイドを見上げるといかにも褒めてほしそうな顔をしてる。
「…凄い……独学?」
「凄いでしょ?」
頷くと髪の毛がぐちゃぐちゃになるくらい頭を撫でられる。
「マンタちゃんに褒められると気分いー……ッチ、しつけェなぁ人のデート中によ」
ニコニコしていたフロイドが突然ブチ切れた。学園でもよく見る光景だ、なんか大人になっても変わっていなくてちょっと嬉しいような、安心したような気持ちになる。視線の先にはさっきの奴らの仲間らしいやつらが何人かいる。異様な空気に街の人たちはざわめいてる。
「フロイド、だめ。見てる……し誰か警察に電話してる」
「引き渡せるようにぶっ飛ばしたほうがよくねえ?」
「街の人に当たったらどうするの…お前が俺の前から片時でも居なくなるなんて嫌だよ」
「……ふふ、じゃあムカつくけどガッコ戻ろっか」
頷く。あそこには結界みたいなのが張ってあるし解放日でもない限り一般人は入れない。フロイドに肩を組まれて瞬きするともう門の中だ。
「凄い…ありがと、フロイド」
「ご褒美は?チューしたいんだけど」
「……なんか浮気してる気分になるんだけど俺だけ?」
「え〜?10年後のオレじゃん」
「いや、まあそう…なんだけどさ…」
ほんとカタブツ、とかちょっとディスられた。まあ同一人物であることには変わりないんだけどさ……未来の時間軸のフロイドがこっちに来ちゃったと考えると、結局は本人にしろ別人のような気持ちになる。
もだもだして機嫌が悪くなる方が後々めんどくさい、未来の俺のことも考えると受け入れたほうがいい。そう考えて木の影に隠れてフロイドに背伸びをする。まさか背伸びする日が来るとは…。
「ありがと、また夜いっぱいしよーね」
「人前では絶対しないっての」
機嫌が良くなったフロイドにまた横抱きにされながらポムフィオーレ寮に帰る。
「あ〜そうだ、こんな部屋だったね」
ブレザーをハンガーにかけて部屋着に着替える。もしかしたら小さいかもだけどフロイドの部屋着もいくつかある。
「ね、マンタちゃん。キスしよ?」
「フロイ、んっ?!」
覆いかぶさるようにして口を塞がれる。顔もフロイドの手によってかなり上を向かされてるので呼吸が苦しい。
「っは…もっと」
「まっ…ん?!」
全然待ってくれない。のしかかるように俺に迫ってくるフロイドの重さに耐えきれずに後ろへ倒れ込む。
「んふ……かわい」
「まって、しないって」
「確かさァ、この部屋のポムフィオーレ寮生って契約違反してモストロラウンジで働かせてたんだよねぇ」
「……そうなの?」
だからいつもあんなにヘロヘロになって帰ってきてたんだ…。
「さっきジェイドに確認したら今日は遅番って言ってたからさ…結構遅くまで帰ってこないと思うよ?鍵もかけて防音魔法もかけたしぃ…マンタちゃん前匂いも気にしてたからそれも魔法かけたし…いいよね?」
「ぅ………なんでそんな用意周到なの…」
「学生のときのナマエちゃんのこと抱きてぇから」
(拒否権ないし)
(拒否させるワケねーじゃん…ね、おねがい?)
(…提案スタイルで聞くのやめろ、じゃあ…)
(無理やりはやだからさ)
(……泣くほど虐めないでくれるなら)
(ふふ、いっぱいよしよししてあげる)
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