19 旅路
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旅路 1/5
とあるデカイ島に上陸中のこと。俺が事前に上陸した時点では治安は悪くなく、むしろめちゃくちゃいい方だった。だからニアも連れて島に下ろした。
新しい本でも買おうか、本棚も追加で買おうかと話していたところに島の物資を略奪目的の海賊と手を組んだ島の盗賊が一斉に島の人間に襲いかかり、一気に戦場と化した。
「こんな地元の賊との戦いに巻き込まれるなんてたまったもんじゃないよい……ニア!」
呼びかけるとニアはすぐこちらに走ってくるが、向かってる途中で立ち止まる。
「…ニア?早くしねえとこっちにまで賊たちが来るよい!」
住人はパニック状態なので、こんな状態で離れたらひとたまりもないだろう。迷子まっしぐらだ。
「…あっちのご飯屋さんでエースが寝てる、そこに15人くらい向かってる!マルコ…」
「ご飯屋!?…ありすぎて分からねえよい」
「エース起きなくて寝てるから危ないよ、ニア案内するから行こう」
ニアに手を引かれ走る。詳細な場所まで分かるのか。聞こえてる、見えているのと同時にうっすらとでも見えてるのだろうか。ニアの言い分的にはオーラのようなものが分かるみたいだ。こんなにたくさんの人間がいたら混じってしまいそうなものだが、スイスイ進むニアには見えているのだろう。
「あのバカはほんっっっとうにトラブルメーカーだよい…!」
この騒ぎと悲鳴で少しは起きろよい、バカエースが…。
逃げ惑う島民を掻い潜るように道を案内してくれたニアのおかげで飯屋についた。ニアをとりあえず後で回収するから表の植物ばちの裏あたりに隠れるように指示し、中でエースを叩き起こす。ちょうど抵抗する島民と賊たちの戦闘が始まってしまい、賊の複数人が放ったバズーカで凄まじい衝撃が起き店が吹っ飛ぶ。
店の外にいたニアの気配がまったくない。そもそもバズーカなんて単語もなかったから予知しきれてないだろう。店の外には看板やテラス席、隠れるよう指示した鉢植えなんかもあったが全部めちゃくちゃに吹き飛んでいる。吹き飛ばされたのだろうか、早いとこ片付けて探さねえと…!
ニアのことを聞いたエースが大暴れし賊を倒し始めるので、いつどこに転がってるかも分からねえんだから火力を控えろと頭をブン殴る。
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*ニア
「う…」
ズキズキと頭が痛む。なんで頭いたいんだっけ……?
「あ!起きたか…?」
誰かの声と森の中のにおいがする。
「おい、大丈夫か?見えるか?」
「…トナカイ……?」
図鑑や絵本で見たサンタさんのソリを引くトナカイが…帽子とドクターの白衣を着てる。ニアの嫌いなツンとした薬の匂いがして飛び起きる。
「っ、だれ!?」
起き上がってトナカイから離れる。
「おい、無茶して立ち上がるな!危ないぞ!お前、空から吹き飛ばされてきたんだから…俺は医者だ!」
「……何持ってるの、それ」
「え?コレ?コレは…」
ジャキ、と怖い音が鳴る。怖い記憶を思い出す。
「やだっ、やめて…っ!」
「お、お落ち着け!しまった、閉まったぞ!ほら!お前の頭の包帯を切るために使っただけだ!」
「ニア…いたいのやだ…」
「痛いことはしねえ!オレは医者だ、治すだけだ……頭怪我してるんだ、あんまり動くな!」
ベッドをポンポン、と叩くトナカイにゆっくり近づく。ピンク色の何かが見える、この子もマルコたちと同じ、能力者なんだ。
ベッドに座りなおすと、包帯部分を優しく触られる。
「痛くないか?…さっきも言ったけど、お前空から瓦礫とかと一緒に降ってきたんだ。そこまで深くないけど、結構傷口が大きくて…ちょっと血を流してたし…フラフラしたりとかするか?」
「しない…ニア、ケガ治せるからだいじょうぶだよ」
「…治せる…?」
「人の怪我も自分の怪我も、勝手に治るから大丈夫。」
「…凄いな、悪魔の実か?…いや、だとしても!だからって怪我していいことに変わりはねェぞ、だって痛いの嫌なんだろ?」
「うん…痛いのはいやだ…」
じゃあやっぱり動き回るな!と怒られる。
「……きみ、だれ?」
「ハッ、忘れてた…!オレはチョッパー!お前は…さっきニアって言ってたな」
頷く。
「包帯を切るためにさっきのハサミ使うぞ、痛くないからな」
「チョッパーすごいね、ニア……動物のお医者さんなんて初めて」
「そ、そんな褒められても嬉しくねぇぞコノヤロー!」
すっごい嬉しそうに言うチョッパーにつられて笑う。変な動き、というと変じゃねえ!と怒ってる。変なの、面白い。
「おお、ほんとだ。治りが早い!良かった…膿んだりもしてねえな、塗り薬塗るぞ。これも染みたりしないからじっとしてろよ」
「わかった…うう…やなにおい…」
「その分よく効くんだ!」
「チョッパーが作ったの?」
そう聞くと、おう!とチョッパーが答える。薬も自分で作ってるんだ…すごい!
「あ!あとであそこの本貸して?」
「いいけど…お前も医者なのか?」
「ううん、興味があるだけ」
「オレが言えたことじゃねーけど……もっと楽しい本あるぞ?」
「そういえば、ここ島じゃない?どこ?」
「ここはオレの乗る船だ。昨日の出航前にお前が島の方から瓦礫とかと一緒に降ってきたんだ。
戦闘がすごくて置いていけねえってなって、ここにいるんだけど…ゴファン島の生まれか?」
「ううん、違う……」
「わ、おい泣くな!帰る方法はきっとあるから…」
「マルコ、マルコどこぉ…」
知らない船の上にいて、もう島からもはなれてる。どうやってモビーに帰ったらいいのかわからなくて、急に怖くなってきて勝手に涙がポロポロ出てくる。
拭っても拭ってもとまらなくて、チョッパーがタオルをくれる。顔を拭いてると、誰かが下から上がってくるのでチョッパーの後ろに急いで隠れる。
「なんか泣く声聞こえたけど、あの子起きたの……ってあら!!意識ばっちりね。」
ナースのルルみたいなお姉ちゃんと目が合う。
「だれ…?」
「ふ、ふふ…なんか初めて会った時のチョッパーみたいね…!
私はナミ、航海士よ!そろそろ船長来ると思うけど……うるさいけどいいやつだから、怖がらなくて平気よ」
ナミ、としゃがみ込んできたお姉ちゃんと目が合う。
「ナミ、笑うなよ…!こいつはニア、ゴファン島の島民じゃねえって」
(…警戒心マックスって感じね、同じ女同士仲良くしましょ?)
(……お姉ちゃんこわい…)
(えぇなんでよ…?)
(…カミナリの音がする…)
(……それ、どういうこと?)
(やだ、さわらないで!)
(猫みたいねホント…)
