嚴白虎

◇ ◇ 効野 ◇ ◇

広陵王:嚴白虎、もし私がどうしても玉璽を持っていくと言ったら?

嚴白虎:俺を追い詰めるな。お前と孫策を兄弟のように見ているんだ。兄弟を殺すことはできない。
どうしても行くというなら、足を折ってでも広陵に連れて帰るしかない。

広陵王:孫策はすでに袁術に約束している。明日の辰の時までに、必ず玉璽を南陽の拠点に届けることになっている!
時間があまりない。もし遅れれば、袁術は孫策の忠誠心を疑うだろう……

暗雲が月を隠し、時間はゆっくりと過ぎていく。彼の部下たちは山道を封鎖し、全く通す気配がない。

広陵王:厳白虎、私はただ事実を孫策に伝えるしかない。彼は覇王だから、必ず軍を率いて来るだろう。

山賊(甲):お頭、孫策が兵を率いてきたら俺たちには止められない。

嚴白虎:クソっ、そこが孫策の悪いところだ。何かあるとすぐに兵を連れてくる……
じゃあお前がアイツに伝えてくれ。一騎打ちに賭けようって。

広陵王:彼と一対一で戦うつもりなの?

嚴白虎:そうだ!もしアイツが勝てば、玉璽を返そう。
負ければ……袁術の擁立を放棄してもらおう。小細工はするなよ。さもないと玉璽を壊す!


◇ ◇ 山道 ◇ ◇


待ち時間が長かったが、嚴白虎は巻物を取り出して絵を描いていた。

広陵王:貴方は本を読むだけじゃなく、書くこともするの?

嚴白虎:へへ……ほら、このかっこいいのがおれ様だ。

嚴白虎は頭の上に"王"と書かれ、虎の耳がついた別の小人を筆で指した。

嚴白虎:これは孫策。


― ― ― ― ― ― ― ―
【かっこいいね】

広陵王:それっぽく描けてるね……腕を見て、よく描けてる……ちゃんと腕のようだよ。

嚴白虎:どうだ?アンタのことも描いてやろうか?

広陵王:いいね、早く描いて!

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【ひどい絵だ!】

広陵王:なんて不細工な!

嚴白虎:俺の絵は評判いいんだぞ。お前は見る目がないな。

山賊(甲):お頭の絵は本当に実物そっくりだぜ!

広陵王:……どこが?

山賊(甲):両腕、両足だね。

― ― ― ― ― ― ― ―

彼は絵を描き続け、二人の絵を使って戦局をシミュレートし、孫策の戦い方を分析してくれた。

嚴白虎:まず横から殴ってやつの足元をぐらつかせる。それから肘打ちを……

孫策:あぁ、鋭いね。でも俺は膝を使うこともできるよ。

嚴白虎:すでに対策はしているさ、孫策が膝を使ってきたら……って孫策?!

いつの間にか孫策が来ていて、私たちの背後から一緒に絵を見ていた。
嚴白虎は巻物を隠し、虎視眈々としている。


嚴白虎:情報を覗き見るとはな!よし、じゃあさっさとやるぞ!
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