【17】頼まれ事
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【頼まれ事】
普賢真人は、数年前から故郷である仙人界へ戻っていた。
エクレシアにとって避ける事の出来ない封印期間【眠りの時期】に入っていたのだ。
故郷の世界にある【果樹園】の一角…大きな桃の木の所で眠っていた。
付近に浅緑色の鉱石が散らばっている…。
これは、エクレシアの力の一部が外部に漏れてしまい、その力が具現化した結晶石でもある。
普賢は、桃の木の根元にある巨大な結晶石の中にいた。
瞼が徐々に開いていき、その目が完全に開いた瞬間…結晶石がパリンッと割れた…。
眠りから覚めた普賢はうーんと両腕をあげながら、上半身を起こす。
「起きたか? 普賢」
初めに出迎えてくれたのは、同期の太公望だった。
数年ぶりに目にする親友の姿に、普賢は柔和な笑みを浮かべる。
「おはよう、望ちゃん」
そう言うと、身体を起こそうとした…だが、長く眠っていた事により、筋肉が弱っているのか…ふらりとよろけてしまう。
背中からこけそうになった普賢を太公望は慌てて支える。
「無茶するな。ほれ、ワシの肩に掴まれ」
「ん、ありがとう」
思わず苦笑しつつも、親友の好意を有り難く受け入れる事にした。
それから、2週間後…リハビリがてら散歩していた普賢のもとに手紙が届いた。
手紙の主は―――現在の勤め先のトップであるレナスからだった。
封を切り、手紙を読んでいくと…後日、ヴァルハラへ帰還するようにとの通達だった。
「望ちゃん、ちょっと出かけてくるね」
「向こうでも、あまり夜更かしするでないぞ」
若干、心配しながらも友を送る太公望。
普賢は、薄い檸檬色の光翼を広げると、移送方陣でヴァルハラへと移動した。
◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇
数年ぶりのヴァルハラ…壮大で美しい風景は変わりない。
白い鈴蘭の園を歩きながら、城へ続く橋を渡る普賢。
巨大な門の前で佇むのは…男女の槍闘士二人。
そのうちの男性が…声をかけてきた。
「ヴァルハラへようこそ」
「お久しぶりですね、ロウファさん」
普賢は朗らかに笑いながら会釈する。
その金髪の美男子―――ロウファもまた、礼儀正しく一礼する。
「レナスは、玉座の間で待っているよ。さっさと行ってあげな」
もう一人の女性槍闘士、エイミが親指でクイッと宮殿の方を指す。
普賢は「はい」と頷くと扉をくぐり、宮殿内へと入って行った。
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