【16】エクレシア病院日誌
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診断結果は《急性気管支炎》だった。
そのため、投薬や点滴等の治療を中心に施していく事となった。
治療を開始して数日経過すると顔色も良くなり、5日目にはほとんど体調は良好になっていた。
「明後日、退院する事になりましたよ」
「ほんとう!」
病室の子ども達の様子を見に来た担当医師、リエ(主な担当は精神科と小児科)が、ロクサスにそう教えた。
ロクサスは、パァと顔を明るくさせて喜びを露わにする。
「ロクサス、退院するのか!」
「えー、やだ~」
他の同世代や年下の子ども達がブーブーと難色を示す。
「お兄ちゃんはいそがしいの。こーいう時はよろんであげないとダメだよ」
この病院で長期入院しているニーナが、他の子ども達に注意した。
ロクサスは、頬をポリポリ掻く。
「皆ありがとう…また、時間が出来たら此処に来るからさ」
そう言うと、他の子ども達も納得したのか「絶対だぞ」「あんまりムリしちゃメッだよ」と口々に言われた。
「ロクサス君、人気者だね」
「……そうかな~」
フフフッと微笑むリエ。
ロクサスは、少し照れながら謙虚な言葉を返した。
その時…ガチャッと扉を開ける音が響く。
「よっ、久々だな! 相棒」
「こんちはー!」
「あっ、アクセル、デミックス!」
組織の仲間がお見舞いに来た事に、ロクサスは少し目を見開くが、口角が自然と緩んでいた。
他の子ども達も、初めてみるロクサスの知り合いに興味津々に視線が釘付けになる。
「リエ、調子の方はどうなんだ?」
「このまま順調なら、明後日退院しても大丈夫です」
「ほんじゃ、他の奴らにも伝えておくな」
「なんかさー、俺達ってそんなに珍しいのかな、っていーか人気者!?」
子ども達の好奇心旺盛な眼差しに、デミックスは気分良くなる。
「此処の子どもたちは、あまり外出が出来ないので、外部から訪れる人達が珍しいのです」
「…そっか」
その意味を即座に理解したアクセルは、少し真面目な顔で頷く。
「ねーねー、お外の話きかせて」
「なんかお土産ある?」
「えっと…うーん、分かった! この俺、機関一の爽やかミュージシャン、デミックスの武勇伝を聞かせてあげるぜ!」
質問攻めにあい、一瞬だけ戸惑うものの、持ち前のポジティブ思考で乗り切ろうとするデミックス。
アクセルは、面倒くさそうに息を漏らしながら、持ってきたフルーツを小さな棚の上においた。
ロクサスとリエはお互いに笑う。
そして、その病室では、暫くの間笑い声が絶えなく響いたのであった。
【おわり】
◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇
【あとがき】
エクレシアの副業をテーマにした小話です。
一応、ほとんどのエクレシアは医師免許を持っているのです(ソラを除く)。
本業に携わっていない時は、病院で医師業をやっている時もあります。
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