【3】ふーちゃんといっしょ
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さらに2時間後…ゼクシオンの部屋は賑わっていた。
「ソラは、まだシーソルトアイス食べられないのか?」
「まだ無理だろ~、もうちょい大きくなってからだな」
「ほーれー、こねこちゃーん~、おじちゃんが高い高いしてやるってハナシだ」
「おっさん、この子に加齢臭が移るじゃない! 気をつけなさいよ!」
「ゼクシオン、レシピどおりに作ってきた離乳食だ」
「助かります。……それにしても」
周囲には、ロクサスやアクセル、シグバール、ラクシーヌ、サイクスと…
他のメンバーが代わる代わる部屋に入ってくる。
なんだかんだ言って、他の仲間達もソラの事を気になっていたようだ。
最初は、協力を渋っていたラクシーヌでさえ、今ではソラを可愛がっている。
サイクスお手製の離乳食を、ソラに食べさせながら、その光景にゼクシオンは思わず笑みを零す。
―――この子も、【あの人】と同じように人を引き付ける魅力があるのかもしれませんね。
「なぁなぁ、俺もふーちゃんに食事食べさせていいかな!」
「よさんか、万が一、喉に飯を詰まらせたらどうする…」
「え~、そんなヘマしないよ!」
「すみませんが、デミックス。ザルディンの言う通り、今回は遠慮してください。
…この子の将来を奪いたくありませんので」
「ひどっ!!」
今のデミックスの背景には、ガーンという効果音がつきそうな感じだ。
ソラが離乳食を食べ終え、ちょうど口許を拭いていた時、ルクソードが扉を開けて入ってきた。
「迎えが来たぞ」
その知らせを聴き、この場に居たほとんどの者達は、迎えに来た人物の元へいった。
独りだけ、ゼクシオンはソラを抱きかかえながら寂しげに呟く。
「時間は…意外と早いものですね」
ソラを抱きかかえながら、迎えのいる城の玄関まで歩を進めていた時、向かい側からマールーシャがゆっくりと歩いてきた。
……なぜか、顔面が蒼白になっている。
「マールーシャ…如何なさいましたか、顔色が優れないようですが…?」
「いや…なんでもない。早くその子を連れて行った方がいいぞ」
そのように助言すると、マールーシャはそのまま城の中へと姿を消した。
―――おかしい、リエさんがいらっしゃっているはずなのに…なぜ?
城の玄関先まで到着し、ようやく、彼の様子がおかしかった理由が判明した。
そこには、久方ぶりに姿を見るリエと…
彼女の娘ことウサギ仮面を被ったリーシェが付き添いで居たからだ。
「お久しぶりです。皆さん」
「ああ、久しぶりだな…」
ゼムナスは、複雑そうな表情で意中の相手と会話を交わす。
…どうやら、指導者もまた、リエが単独で来ると思っていたらしい。
「おや、私が居るとご不満ですか? 指導者さん」
「…いや、そういう意味ではない」
リーシェは、仮面をつけていて表情が分からないが、彼女の口調はどこか刺が含まれている。
少なくとも…リエ以外のエクレシア仲間は機関に対して、あまりいい感情を持っていない。
特に娘のリーシェは、ゼムナスとマールーシャに対して嫌悪の念を抱いている。
ゼムナスも、それを承知の上で彼女と接する覚悟を決めている…。
ゼクシオンは、他のメンバー達の表情を眺めてみる。
若干複雑そうな表情を浮かべる者もいるようだ。
「リエさん、リーシェさん、久しぶり!」
「ロクサス君、久しぶりだね♪」
「リーシェ、お前も来てたんだな~」
「アクさん、体調管理怠っていませんか?」
「ああ、大丈夫だぜ」
この場合、ロクサスとアクセルは羨ましいと感じるメンバーは少なくないはずだ。
この二人は、リーシェとも結構仲良く付き合っているのだ。
―――まあ、かくいう僕も、彼女とは普通に話をする間柄ですけれどね。
すると、抱いていたソラが羽を出して、リエとリーシェの元へ飛び出す。
「りったん、ねーたん~」
「ふーちゃん、良かったわ…無事で」
リエは、飛んできたソラを優しく抱擁する。
「ふーちゃん、もう勝手に外に出たらダメだよ~。
今回は保護した人達がまともでよかったからいいけど…あ、一部はそうでないか」
リーシェの毒舌により、ダメージを受けた機関員はどのくらいいるだろうか…。
ゼクシオンは、チラリとこの場に居る機関員たちの様子を観察していた。
「リーシェ、そういう言い方は失礼よ」
「…すみません。言葉が過ぎましたね」
リエの叱責に対し、素直に謝るリーシェ。
正直、あの毒舌な娘を説教して、謝罪させる事が出来るのは彼女の凄い所だ、とゼクシオンは感心していた。
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