【14】夏は事件がいっぱい!
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あれは、8月の中旬だった。
ソラはアクセルと一緒に、ある異世界を訪れていた。
そこは、ソラが大きく成長するきっかけをつくったところ。
星を背負う一族と100年を生きる吸血鬼DIOとの因縁があった世界だ。
「久々に来たけど、あんま変わってねえな」
「うん!」
アクセルと一緒にトコトコと歩くソラは大きく頷く。
彼等がきた場所は、日本のM県S市杜王町(もりおうちょう)。
昔、DIOとの戦いを共にした空条承太郎という男性に連れてこられたのが始まりだった。
そもそも、この街にきた理由は、承太郎の祖父であるジョセフ・ジョースターが浮気をしてできた隠し子の捜索のためだった。
…というのもあるが、凶悪犯の捜索も兼ねていた。
後に、DIOが残した負の遺産により、幽波紋(スタンド)使いが増えていき、最終的に杜王町に潜む…身の毛もよだつ大量殺人鬼との対決に至った。
あの一連の事件が、ソラのスタンドの成長にも大きく影響を与えたのだが…これは別の話で語りたい。
「あくたん、はよいこー」
「…ん? ああ~…そうだな。早く仗助達にあって飯食いに行こうぜ」
ソラの一声が、回想していたアクセルの意識を呼び覚ました。
さっさと、懐かしい友人達に顔を合わせて目的地であるイタリア料理店【トラサルディー】へ向かおうとしていた。
*** ****** ***
「今更だが、気づいた事がある。アクセル…この三番目の話で、ようやくお前が登場人物として出てきたな」
「あっ、そういえば…」
「既に語ってくれた二つの話では、ストーリーテラーで、アクセル自身は影も形も登場していませんでしたね」
ゼムナスの指摘に、シオン、ゼクシオン…他の面々もハッとその事に気づいた。
「前の二つの話…アクセルは実際にそこにいたのか?」
「一応な。でも、俺は傍観者の立場が強かったし…加える必要はねえと思って省いたんだ」
ロクサスの疑問に、アクセルは自らを話の登場人物に含めなかった理由を語る。
「わざわざご丁寧なサービスだな~」
「いれたら、話がスムーズにいかねえと思ったからだよ。ダラダラ話してもつまんねーだろ」
シグバールが茶化すと、アクセルは眉根を寄せて言い返す。
「…てか、アクセル! ふーちゃんと一緒にイタリア料理店いったのか。羨ましい~!」
「フーを連れて行ったって事は、子連れでいけるカジュアルな店なの?」
「テーブルは少ない小さな店だが、そこの店主であるトニオが出す料理は超一流の味だ」
俺も行きたかったーと羨ましがるデミックスと、単純にどういうスタイルの店なのか尋ねてきたラクシーヌに対し、アクセルは簡潔に答える。
まあ、トニオもスタンド使いで、自らのスタンドを料理に混ぜて客の体調をコントロールできるけどな…という部分はあえて省略した。
言ったら言ったで、また指導者や、研究者二名、詮索好きな眼帯男の質問攻めにあうと推測したからだ。
「そんじゃ、さっさと話を再開するぜー」
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それから、アクセルとソラは杜王町に住むかつての仲間達に会いに行った。
「おっ、ステラ、アクセルじゃねえか!」
「しゅけしゃーん!」
「仗助、久しぶりだなー」
今時珍しい黒髪のリーゼントヘアーの男性…東方仗助は、二人の顔を見るや驚き、そして喜びを露わにした。
「ステラ、ちょ~と大きくなったっスね」
「しゅけしゃん、ぐりぇーと~(グレート)」
仗助に抱っこされて、ソラは仗助の整えたリーゼントヘアーを触りながら、彼の髪型を褒めた。
おおー、この髪の良さが解るんだな~。
さっすが、ステラだ! と仗助は上機嫌にソラをたかいたかいする。
(相変わらずだな。こいつ…)
そんな二人の様子を見ながら、アクセルはハハハ、と笑った。
東方仗助は、先程説明したジョセフ・ジョースターの隠し子だ。
初めてあった時はまだ高校一年生だったが、もう20代後半になった。
外見は大人びたが…本質は変わってないみたいで安心した。
「ところで、何の用事で杜王町に?」
「ちょっと久々に観光がてら遊びに来た。あと…トニオさんとこで料理を食いに行く予定だ」
「それじゃあ、他の奴らにも会っていけよ。俺が案内してやるからさ!」
仗助が、気を利かせてくれたのが良かった。
杜王町に来たのは、この世界の時間軸から計算して大凡10年ぶりだ。
街のあちこちに、見た事のない建物も立ったりしていて、外観が変わっていたので、道案内役がほしかったところだ。
「あれから色々あってよ…でも、億泰や康一達も元気にしてるぜ」
「そっか…」
仗助は最初寂しげに言っていたが、すぐにそれを払しょくするように笑って近況を説明してくれた。
仗助は、警察官だった祖父の遺志を継いで、現在、ボランティアで街のパトロールを行っている。
母親の朋子も健在で、今でも教師を続けているそうだ。
承太郎とも定期的に連絡を取っており、時々彼の要請で外国へ行く事もあるらしい。
「俺が今、どんな職についてると思う?」
「えっ?」
「しゅけしゃんの~?」
面白そうに質問を投げかけてきた仗助。
アクセルが「警備員とかか?」と言うと、彼は「ううーん、残念!」と不正解だと答えた。
「じゃあ、答えは何だ?」
「これから案内してやるよ」
そう言う仗助の背中を見ながら、アクセルは「?」と後頭部を掻き、ソラはまってーとトコトコと後をついていった。
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