【11】世界で一番優しい歌声
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
やはり疲労には勝てなかった…。
アクセルは地べたに座りながら、近くの木に背中を預けると…両目を閉じて寝てしまった。
「ありゃりゃ」と言いながら、熟睡する先輩に顔を近づけるデミックス。
つんつんと頬を突いても、全然起きる兆しはない。
「うん、やっぱり眠たかったんだ…休ませてあげよう」
ロクサスはそう言いながら、自らの着ているコートを脱いで、布団代りにアクセルにかけてあげた。
デミックスも「うん、そうだよな」と呟きながら、既に食べきったコンソメ味のポテチの袋をリュックにしまい込み、新しい菓子袋を取り出す。
次に封を開けたのは、野菜を入れ込んだスティック状のスナック菓子だ。
「ロクサスもどう? これ美味いぜ」
「ああ…それじゃもらうよ」
ロクサスは先輩からの差し入れを有り難く頂戴する事にした。
ぽりぽりと菓子を歯で噛む音が、静かな森に響く。
暫く二人は、座ったまま腹ごしらえをしていると…徐々に雲行きが怪しくなってきた。
さっきまでは、太陽が降り注ぐ穏やかな小春日和だったのが、徐々に灰色の雲が辺りを覆っていく。
「あ~、もしかして…雨降るかな」
デミックスは、顔を歪めてその天候を心底嫌がる様に見つめる。
―――彼の予感は、少しだけあたった。
幸い、雨は降らなかった…しかし白い靄が所々に出現してくる。
「あ……霧だ!?」
「うわっ、マジで勘弁してくれよ~」
霧は森一体を白い膜で包むように、徐々に視界を遮っていく。
「まっ白で何も見えないな…」
ロクサスが立ちあがり、キョロキョロと辺りを見回して、片足ずつ一歩一歩前に進める…。
その時、ぐにゅっと地面とは異なる感触が足に伝わった。
「いってぇ! おい、誰だよ…俺の足を踏んだ奴は!」
「あっ…アクセル、ごめん」
寝ていたアクセルの足元を踏んでしまい、起こしてしまったようだ。
「なんだ。ロクサスか…って、おいおい! なんだよ、この霧は!」
「アクセルが寝て暫くしてから、辺りにでてきたんだ」
只でさえ、休日返上でボスの手伝いをさせられる上に、厄介な自然現象に遭遇する羽目になるとは…アクセルは面倒くさそうに息を吐く。
すると…また足の上に硬い物が落ちた時の痛みが生じた。
「っ…いてッ!」
「あっ、その声、もしかしなくてもアクセルか? ごめーん。足踏んだ~」
その瞬間、ぷちりと糸が途切れる音が聞こえた。
―――バシッ、ベシッ、ガコッ!
その結果―――数分たたない内に、デミックスの頭にぽこりとたんこぶが複数できた。
「ひどいよ~、俺、ちゃんとあやまったじゃん!」
「その軽気な、反省のない態度に腹たったからだ…」
アクセルは青筋を立てながら、一つ下の№の後輩に怒りを露わにする。
すると…また足を誰かが踏んだ。
「…イテッ、おい、デミックス!」
「ギャ――、ちがうちがうちがう! 俺、踏んでないってばッ!」
アクセルが、デミックスの胸ぐらをつかんで、拳で殴ろうとした…その時だった。
「ごめん、おにいちゃん」
と少女らしき声が耳元に聞こえてきた。
・
