色々噺(王国心編等)
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【にくきゅう】
リエは夕食を準備した後、ラクシーヌの飼い猫、ルーデンスのためにご飯をもっていく。
「ルーデ、ごはんですよ…あらっ?」
だが、ルーデは既に「誰か」が用意してくれた山盛りのツナ御飯をもきゅもきゅと食べていた。
「ラクシーヌさんかしら…」
はじめは、飼い主であるラクシーヌが準備してくれたのかと思った。
しかし、後から本人にきいたところ、「違う」という否定の返事をかえってきた。
「一体、誰が用意してくれたのかしら…?」
「心当たりはありますか?」
そういえば…とラクシーヌは思いだしたように呟く。
「デミックスの奴、最近やたらとルーデに構うのよね…。あいつかしら…」
指導者からのペットの所有許可をもらった直後に、リエはルーデの存在を他のメンバーにも教えた。
城の大多数は、ダスクなどの下級ノーバディばかりであるせいか、突如、城に招かれた愛らしい動物が珍しい
…それも理由の一つだろう。
「ロクサスかゼクシオン辺りもありうるわね…」
「意外とルクソードさんやシグバールさんかもしれませんよ」
「もし、ヴィクセンだったら虫唾が走るわ…。
この子を実験に使う目的なら、即効、蜂の巣にしてやる…!」
不愉快そうに眉を顰めて、物騒な言葉を言い放つラクシーヌ。
リエは苦笑いを零しつつ、「まあまあ…」と宥める。
その時…ちょうど、ルーデがご飯を食べ終わった。
すると、リエとラクシーヌは目をキラーンと光らせる。
「ルーデ…ちょっといいかしら」
そう言うと、リエはルーデを両手で抱えて膝に乗せるや、彼の前脚を優しくもちあげる。
ふにふにふにふにふに…
リエは、その足についている「にくきゅう」を指でふにふにと触り始める。
「はぅ~、やわらかい~♪」
リエは、肉球の柔らかい感触にうっとりと感嘆の息を漏らす。
「次は、私の番よ」
艶やかな笑みを浮かべるラクシーヌに、リエは「どうぞ」とルーデを渡す。
リエと同じ様に肉球をぷにぷにと触りながら、「はぁ~」と至福の声をだす。
「やっぱりいいわ~、にくきゅうは…」
「嗅ぐと香ばしい匂いがしますね」
「ほほほっ、さあ、ルーデ…じっくりと堪能させてもらうわよ~♪」
当の本人はというと、糸目になり、鬱陶しげにみるが「二人の飼い主」のスキンシップに慣れてしまったせいか、渋々受け入れているようだ。
リエとラクシーヌのちょっとした楽しみ。
それは、猫の肉球をこよなく堪能する事だった。
その様子を少し開いた扉の隙間から除く一人の影。
「にくきゅう…」
羨ましそうに二人をみる人物の正体とは…?
【つづく】
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