【4】温泉騒動記
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二人が持ち帰った地図をもとに、男性陣は闇の回廊を利用して、目的の場所へと赴く。
「此処が《ユウマンジュ》か」
「まさに秘境の温泉地ってところだな」
砂利敷きした石組を大海原に見立てた庭…。
森林に囲まれ、どこか神秘性を帯びている佇まい。
和風造りの旅館の暖簾を潜り抜けると…
彼らを待ち受けていたのは―――意外な人物だった。
「いらっしゃいませ」
彼らを迎え入れたのは…普段とは異なる衣装を身に纏う【リエ】だった。
「リエさん!」
「あら、ロクサス君…皆さんも」
「なんで、お前が従業員になってんだよ」
アクセルは訝しげに尋ねると、リエはニコリと微笑みながら説明する。
「こちらの旅館の諸事情を見兼ねまして、お手伝いしています」
どうやら、一足先に到着したリエたちだったが、やはり旅館の方はてんてこ舞いの忙しさで…。
新入社員もあと数日はこれない状況らしく、リエはまた助っ人として働く羽目になったらしい。
当の本人は、それほど苦にしておらず、むしろ生き生きとした表情で働いているが…。
「人助けであろうと、御人好しも大概にしろ…」
サイクスは呆れ交じりで注意した。
「すみません」と苦笑しながらリエは謝る。
「まあまあ、その位にしておけよ」
「アクセル…お前は甘すぎるんだ」
幼馴染二人が会話する一方、他の面々は興味津々に旅館の中を眺める。
「見事だ…」
「【和】を彷彿される庭造りと旅館の構造がいいですね」
レクセウスとゼクシオンは、この旅館に好印象を受けたようだ。
「それにしても…嬢ちゃん、色っぽいな~」
「いや、【艶やかな】と表現した方が適切だぞ」
いつもとは異なるリエの雰囲気に、年長組は感想を言う。
長い亜麻色の髪を後ろ手に上品にまとめており、普段は、余計なものをつけない素顔にほんのりと化粧を施している。化粧した事により、大人の女性の表情へと変化した。
前髪を手でよける仕草や、着物で見え隠れする白い項部分が艶っぽく…大人の男性陣の目の保養になる。
変身したリエの姿を目の当たりにして、ゼムナスは息を飲み込み、無言状態になっていた。
「ゼムナス…どうしたんだ?」
指導者の様子に、ロクサスはきょとんして尋ねるが…「いや、なんでもない」と呟き、靴を脱ぐ。
「お部屋へご案内いたします」
そう言うと、リエは男性陣を部屋へと案内していく。
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