【4】温泉騒動記
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「アクセル…俺達、温泉にいけないのか?」
寂しそうに眉を下げるロクサス。
親友が語った「温泉」の醍醐味に少なからず期待していたようだ。
アクセルは、「あー」と申し訳なさそうに声を漏らしながら親友の頭をポンポンと撫でる。
「すまねえ…ロクサス」
「いいよ、アクセルの所為じゃないだろ」
「でもさ…本音はどうなんだよ、二人は…」
床にしゃがみ込んで、人差し指で「の」の字をかくデミックスが慰め合う二人にかけた言葉…。
音楽青年の言葉は、ロクサスの胸中を刺激したのか、しゃがみこむ。
アクセルも同様に地べたに座り込んで、悔しそうに呟く。
「いきたい…」
「あー、くそっ! いきてぇえええ!!」
本音をカミングアウトしてもやはりスッキリしない。
ズーンと暗い雰囲気に包まれる三人。
「女々しい奴らだ。たかが温泉如きで…」
「ザルちゃんは、温泉の楽しみよりも、汗くさーい鍛錬を好むのかよ~」
同僚からの茶化しに「フン」と鼻で笑うザルディン。
ザルディンは、休日は観光に行くよりも城で鍛錬に励みたいようだ。
どちらかと言えば、サイクスとレクセウスも外出よりも城で寛ぎたい。
温泉ツアー企画が蜃気楼の如く消えかかり、もはや全員が諦めモードに突入しかかっていたその時だった…。
ロビーの扉をかいくぐり、指導者がやってきた。
意気消沈気味の部下達の雰囲気を疑問に思い、尋ねてきた。
「何があった…」
サイクスがこれまでの経緯を伝えたところ、ゼムナスはふむ…唇に曲げた人差し指と押し当てて思考に入る。
口元に弧を描くと、メンバー一同に声をかける。
「諸君、日頃の功績をたたえて、その旅行費用とやら私が負担してあげようか」
指導者のその言葉は、その場にいた全員に衝撃を与えた。
「しかし…一人5万ガルドだ。俺達12人だと軽く60万ガルドは超えるぞ」
ザルディンが若干不安そうな視線を混ぜて、指導者に送る
指導者は、フッと不敵な笑みをつくると懐からある物を取り出した。
「安心しろ、60万ガルドくらい平気だ」
人差し指と中指で挟んで取り出したそれは…【ブラックカード】だった。
それを目にした者達は、興奮のあまり歓声があがる。
「おおー、ボス、やるやるやるってハナシだ!」
「わーい、ゼムナス様、さいこーう!!」
「さすがはゼムナス殿だ…!」
騒ぐ一部の者達を遠目で見ながら、他の面々は口々に呟く。
「アクセル…あのカードってそんなに凄いのか?」
「ああ…つーか、ゼムナスの野郎、どうやってあのカードを手に入れたんだ…」
「噂によると、副業でかなり稼いでいるようです」
「やれやれ…結局、行く羽目になるのか」
こうして、ゼムナスの助力により、男性陣は温泉旅行へ行けるようになった。
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