ふたつのステラ 第3.5部 目覚める星と反旗の暗殺者(アサッシーノ)
「ありがとうございます」
ソルベに担がれて、一階に降りる事ができた。
ソファーに座らせてもらい、フィンは顔を下げて御礼を言った。
ソルベはどういたしまして、と一笑する。
「脚の筋力が弱ってたんだな…じゃ、暫く二階にいくのはやめといた方がいい。一階に空き部屋あるからさ」
後でリーダーに伝えとく、とジェラードが気遣ってくれる。
二人とも、暗殺チームに所属している身であるのに、意外と人柄は悪くないようだ。
「俺はジェラード。よろしく」
「ソルベだ。今日、ジェラードとアジトの見張り番をしている」
「改めまして…フィン・スィエル・クレシミエントと言います」
二人が自己紹介してくれたので、フィンも自らの名前を名乗る。
「あの、お尋ねしたい事があるんですが…」
「ん?」
「リゾットさんは…今お出かけ中ですか?」
このアジトに連れてきた張本人が不在か否かを確認しておきたかった。
リゾットとは、まだ契約の件で“決着がついていない”
「リーダーは任務。今回は久々の大物だからな…帰宅するまで時間がかかるかな」
ジェラードから、情報を教えてもらうと…フィンは「そうですか…」と微妙な顔で頷く。
「ふぃんちゃん、ふぃんちゃん」
くいっくいっ、とワンピースの裾が引っ張られる。
ソファーの下をみると、ソラがじっと見上げていた。
「ふーちゃん?」
「うー、ぼーぼー」
ソラは、ソファーの下にまで軽く届いているフィンの髪の毛を触って、不思議そうに観察している。
「あっ…」と声を漏らして思い出した。
9年の月日を経て長くなったこの髪を、結晶石から解放されたら、真っ先に切る予定だった。
横髪をくいっと掴んでみる…こんなに長くなったのは小学生の頃以来だ。
前髪の何本かが目に入りそうで鬱陶しい。
「あの、すみません…」
「ん?」「どうした?」
「ハサミを…貸していただけますか?」
◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇
SPW財団のアメリカ支部にて、承太郎と花京院はある人物と面会していた。
黒いコートを纏う二名の人物…茶髪の10代前半の少年と同年代の黒髪の少女だ。
「はじめまして、俺はロクサス」
「急病のアクセルとデミックスの代わりにきました。あたしはシオンです」
承太郎と花京院は驚きを隠せなかった。
ソラとフィンの件で、13機関から有力情報をもらうために早速交渉を取る事にした。
承太郎と花京院が支部に着いた時、幸運な事に彼等の行動を先読みしたのか、SPW財団が連絡役の科学者にコンタクトをとっていた。
そして、待つ事1時間…扉を開けて現れたのが、少年少女だった。
「アクセルから、貴方達の事いつも聞いている。俺とシオンは戦闘はそれなりに経験してきたし、この世界にはない術を使える」
「ふーちゃんとも面識はあるから、怖がらせずにつれてくる事もできるよ」
二人を納得させようとしているのか、ロクサスとシオンは順々に喋っていく。
すると…ジッと彼らを見つめていた承太郎が沈黙を破った。
「君達の好意は嬉しい。だが、実際に行動するのは俺とこいつ…花京院だ」
「「えっ…?」」
「戦闘になれている、と言うのは…君達を見ていればよく解る。だが…今回の件は俺達に任せてくれないだろうか?」
遠回しに『ソラとフィンを奪還する作戦には直接参加するな』と言った。
「俺達じゃ力不足だっていいたいのか…?」
「あたし達、スタンド見る事できます」
「そうじゃないんだ…スタンドは普通の物質をすり抜けてしまう。つまり通常の攻撃じゃ効かないんだ」
承太郎に続いて、花京院が補足説明を始める。
「スタンドには『スタンド』で対応しないと、確実に仕留められない。君達がスタンドを可視できても、スタンドに直接攻撃を加えられない」
「だから、君達はこちらが手配した宿泊施設で待機しててくれ。提供してくれる情報から、俺と花京院で救出作戦を行う」
「でも…」
「待って、ロクサス」
不満そうなロクサスを、シオンが止めた。
『◇◇@***>*、*>M:*P`*P+?』
『+P`><‘****……*+<MM』
シオンがこちらには解らない別の言語で喋りだした。
すると、ロクサスも彼女と同じ言語で話し出して、暫く考え込むが…「…分かった」と呟いた。
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