ふたつのステラ 第1部 【ファントムブラッド】(1)


(悩んでんな…)


藪から棒な質問だとは思った。

けれども、アクセルは今しか訊く機会がないと判断して、敢えて少年にそれをぶつけてみた。


差別や偏見―――それはエクレシアのみならず、この世界のどこかに必ず存在するもの。

生まれや地位、民族、国、戦争が引き起こした過去の傷跡…

…様々な事が原因で、それらは引き起こる。

己の優位に立つために、生死に関わる環境で生き抜くために、自らの居場所を獲得するために

…負の感情を宿してしまうのだ。


ジョナサンに、ソラの事情を一部(細かい所は語らず)語った。

普通の人間とは違う彼女を、ジョナサンはどう受け止めるのか…。

もし、拒絶するなら、ソラと彼等を引き離すきっかけになるだろう。

彼は所詮、その程度の人物だった。それだけの事で済ませられる。

だが、アクセルは微かに信じていた。


(もし、ジョナサンが父親同様に博愛の精神があるなら…)


この少年は、ソラの真の意味での友人になれるだろう。

すると、暫く沈黙していたジョナサンが口を開いた。

果たして…少年はどちらの回答をするのか?





【見定める『踊る火の風』】





「ステラは…僕の友達、いや親友です!」

「ジョジョ、お前…」


「ステラは僕やエリナとは違うのかもしれない。でも…ステラは『ステラ』だ!

僕の大事な親友で、大切な家族の一人に変わりありません!」



ジョナサンは言い切った。

ソラの事を…大切な家族の一人であると。

ソラのありのままを受け入れる選択をしたのだ。


ジョナサンがそう言った直後、アクセルが彼の頭をガシッと掴んだ。

一瞬、何か気に障る事を言ったのか、と目を反射的に瞑るジョナサン。

すると、頭をワシャワシャと撫でられる。

あれ…と恐る恐る目を開けてみると―――


「なかなか言うじゃねえか。気に行ったぜ…ジョジョ」


アクセルは二カッと笑みを浮かべて、自らの愛称を口にしてくれたのだ。


「…ま、これからもフーの事、時間がある時でいいから遊んでやってくれよ」

「……はい!」



―――“年上の男性から、友人との付き合いを認められた”

ジョナサンは、そんな気がして胸にある種の高揚感を覚えた。





【To Be Continued… ⇒】

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