Brand new page(関連話)


※外伝連載【Brand new page】の番外編

※『七つの大罪』のある勢力の物語(3)

※女神エリザベス視点で話が進みます。



*** ***** ***



夢渡りができるようになり、私はミスティリア…ミスティと友達になれた。

その日も、私は夢の領域でミスティといっしょに遊んでいた。


「ミスティ、お花がいっぱいね!」

「今日は、ぽかぽかヨーキでおひるねにグッドな場所にしてみましたー」


その日の領域の景色は、四季折々の花々が咲き乱れる花畑。

花を摘んで冠にして、ミスティの頭に載せてあげると、「ありがとー」ってふんわり笑ってくれた。


「じゃあ、うたいまーす」


ミスティはお花の冠の御礼にと、私に歌を贈ってくれた。



  ~♪♪♪ ~♪♪♪



ミスティは歌う事が大好きな子。

聞いた事のない歌や、おかしなリズムのものもあるけれど、とても綺麗な声で奏でてくれる。


「ふんふん、ふんふん、ふふふん、ふーふんふーん♪」


ミスティが歌う際に使う言葉は、幼かった当時の私には分からなかった。

独特な言語だけど、ミスティが歌うとすごく素敵に聞こえてしまう。

だから、私はハミングをしてミスティの真似をしていた。


「このうたはね、ある世界にクラシてるまほーつかいの女の子が出てくるおハナシをイメージしてつくられたんだよ」

「まほう使い?」

「そう、あるイダイなまほーつかいさんがつくったカードでね…キセキをおこすの」


ミスティはそう説明しながら、くるくる回って踊りだす。


「そのお話…きいてもいい?」

「いーよ。エリーちゃんに特別にかたりましょー」


それから、ミスティはカードの魔法を使う女の子の物語を語ってくれた。

ミスティは、色んな物語を知っている。

遥か東にある国々の御伽噺や少年少女が活躍する冒険をメインにした話。

それから、思春期の男女の甘酸っぱい恋愛の物語や古今東西にある伝説や歴史物語。


『ミスティは、どうしてそんなにたくさんのことを知ってるの?』


ちょっと前にその質問をしてみた。


『【ギフト】だよ、ハルモニーさんからもらったのです』


うぷぷっと笑って、ミスティは答えてくれた。

【ハルモニー】という人からもらった贈り物。

当時の私は、その人がミスティの知り合いなのだと思った。

母にその事を話したら、「さて、どうかしら」とクスッと笑った。

まるで、別の答えを知っている口調だったけれど…母は教えてはくれなかった。



「エリザベス様、ミスティリア」

「あ、リュドシエル…」

「シエルさん、こんにちはー」


ミスティの話に耳を傾けている途中、リュドシエルがやってきた。


「エリザベス様、現へ戻られる時間です」

「もう?」


ミスティの領域で過ごせる時間は、お昼寝と就寝の間だけ。

私はそれが不満だった。

ミスティといっしょにもっと遊びたいのに…。


「勉強と礼儀作法の時間を怠るのはいけませんよ。次期長としてしっかりしてもらわねば困ります」

「…わかったわ」


リュドシエルに諭されるように指摘されて、幼かった私はしぶしぶ言う通りにせざる負えなかった。


「エリーちゃん、またあいましょー」

「こら、ティア。『エリザベス様』と呼びなさい」


大きく手を振って見送るミスティに、リュドシエルが眉を顰めて言葉遣いを改めるように注意した。


「いいの、今のままでよんで」


でも、ミスティには敬称をつけずに「エリー」と呼んでほしい。


「ですが…」

「私が、きょかします」

「ありがとー、エリーちゃん」


だって…早くミスティと「友達」から【親友】になりたいから。




【女神族の姫と眠りの少女】




「ねぇねぇ、みんな。聞いてくれる?」

「なーに、またミスティリア様のこと?」

「おハナシですか?」

「教えて、エリザベスさま!」


作法の時間が終わって、私は友達のジェラメットや他の子達にミスティの事を話す。

ミスティが聞かせてくれた物語も、いっしょに教えてあげる。


「ミスティリア様って…ナゾが多いわね」

「でもね…とってもステキな子なの!」


夢の世界だけじゃなく、現実でもいつかミスティと遊べる日がきてほしい。

そのために、私は自分にできる事をやっていこうと決めた。

だから、ミスティがいつか目を覚ましても、みんなが受け入れてくれるように、私はミスティの魅力を伝えていく事にした。

地道な行動を積み重ねたおかげで、後にミスティの領域に一緒に行ける友達ができたのだけど…それはまた別のお話。





【おわり】

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